・・・片時も忘れず人権や平和のことを考えている、ということはない。でも「8月」が近づくと、イヤでも考えてしまう自分がいるし、そしてまた「待ち遠しい」映画が増えた。
《NEWS》2018.7.8朝日新聞デジタルより
末期がんの大林監督、原爆を描く新作撮影/故郷でロケ
広島県尾道市出身の映画作家でがん闘病中の大林宣彦さん(80)が、戦争と広島の原爆をテーマにした新作映画の撮影に入った。約20年ぶりに故郷が主なロケ地になる。1日、市内の艮(うしとら)神社で、スタッフら約50人と撮影の安全を祈願した。映画は早ければ来春にも公開される予定だ。タイトルは★「海辺の映画館―キネマの玉手箱―」で、自ら脚本を手がけた。「原爆投下になぜ至ったのか描きたい」と話す。閉館間近の映画館にいた若者たちがタイムスリップ。幕末の日本や中国戦線の現場で死を目の当たりにし、原爆投下直前の広島にやってくるという内容。巡演中に被爆して全滅した実在の移動演劇隊「桜隊」との出会いも描かれるという。終戦時に7歳だった大林さんは、自身を「敗戦少年」「平和孤児」と表現。広島の原爆を描くことを使命と考えてきたという。2年前の夏、末期の肺がんと判明し治療を続けているが、「あと30年は映画をつくる」と意欲は衰えない。撮影の安全祈願の後、「平和のために役立つことを芸術で表現したい。そのために生かされているんだという思いだ」と話した。大林監督の映画撮影は昨年12月に公開された「花筐(はながたみ)/HANAGATAMI」以来で、尾道市がメインのロケ地になるのは「あの、夏の日 とんでろじいちゃん」(1999年公開)以来。撮影は2日から。同市や隣の同県福山市で8月半ばまで続ける予定という。
★ドキュメンタリー「目撃!にっぽん『それでも僕は映画を撮る~監督・大林宣彦 80歳の決意~』」
NHK総合 2018年10月7日(日)6:15~6:50
この番組は、現在80歳である大林宣彦の監督最新作★「海辺の映画館 キネマの玉手箱(仮題)」の制作現場に密着したドキュメンタリー。今年の夏、故郷の広島・尾道で行われた撮影を通して、がんと闘いながら新作を世に送り出そうとする大林の姿を追う。「海辺の映画館 キネマの玉手箱」は2019年に公開予定。
《NEWS》2019.7.18映画.comより
第32回東京国際映画祭、日本映画界のレジェンド・大林宣彦監督を特集!
第32回東京国際映画祭(10月28日~11月5日に開催)の特集企画第1弾が、このほど発表された。「Japan Now」部門では“映像の魔術師”と称され、今なお最前線で活躍している日本映画界のレジェンド・大林宣彦監督をクローズアップする。幼少の頃から映画を撮り始め、大学時代に自主制作映画のパイオニア的存在となり、日本の映像史を最先端で切り拓いた大林監督。1977年に「HOUSE ハウス」で商業映画に進出し、80年代には「転校生」(82)、「時をかける少女(1983)」(83)、「さびしんぼう」(85)といった“尾道三部作”を発表し、熱狂的な支持を集める。98年に公開された「SADA」は、第48回ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞をはじめ、国内外で数々の受賞を果たしてきた。
反戦の思いを込めた「この空の花 長岡花火物語」(11)、「野のなななのか」(14)、「花筐 HANAGATAMI」(17)といった“大林的戦争三部作”を世に放ち、現在は新作★「海辺の映画館 キネマの玉手箱」に着手。待望の新作は、今回の東京国際映画祭で“世界初上映”される予定だ。「『自由に生きよ、それが平和の証だ』と父に言われ、当て所も無く18歳で上京した僕に、形見代りに持たせてくれた8ミリ映画を用い、銀座の画廊の一角で自作の8ミリ映画を上映した所、『新しきフィルム・アーチスト誕生』と世界から認定され、以降60年間テレビCM演出を資金に個人映画を創り続けて来ました」と自身の歩みを振り返る大林監督。そして「『売れない作家の女房になる覚悟』で61年間、僕の映画を支え『私が最初の観客よ』と世界と僕の映画を結びながら共に生きて来た大林恭子と11歳で『HOUSE ハウス』の原案者に名を連ねた長女千茱萸、ご亭主の絵の作家森泉岳土、そして親しい旧・新の世代の仲間たちと、今日も映画作りに励んでおります」と語り、特集上映への思いを述べた。
大林監督「上映作品を自ら選むのは難しい。普段皆様が見る事の出来ぬ映画を、この際ご覧いただけたらと。時代はいつか、個人映画ばかりになり、僕が願った映画作りの世になりました。その個人の自由と権力者の不自由の証を、愉しんで下されば、と。僕の正体が炙り(あぶり)出されれば、愉しいかな」「Japan Now」部門プログラミング・アドバイザーの安藤紘平氏は「商業映画初監督の『HOUSE ハウス』で撮影所監督にはない独特のタッチで世を驚かせ、70年代から80年代の日本映画を尾道3部作など“大林ワールド”と呼ばれる幻想的で詩的な作品で牽引してきた。近年、再び実験的で独特の語り口を駆使し、一貫した平和思想と人間愛を軸に、みずみずしい映画を創り続けている」と分析。「大林映画の中では、死んだ大切な人が、歴史と失われた青春が、それぞれの想い出が、そして夢のハッピーエンドが映像に描かれ、後から現実が追いかけてくる。今年の『JAPAN NOW』では、そんな、日本映画のレジェンド大林宣彦監督の特集として、代表的作品とゲストを交えてのトークをお楽しみ頂けます」とコメントを寄せている。
《参考》
★マフィア梶田の二次元が来い!:第417回「アストルティアの旅でアイデンティティを問われる陸軍中尉」
https://www.4gamer.net/games/419/G041925/20180814015/
●#海辺の映画館キネマの玉手箱
http://www.uchu-young.net/sasa/
歌人で大林宣彦監督映画に出演経験がある★笹公人さんが「#海辺の映画館キネマの玉手箱」に言及。YMO★高橋幸宏さん、新しい地図で新境地を開拓した★稲垣吾郎さんも出演 期待に胸が膨らむ。と。
●「長岡映画」製作委員会
http://www.locanavi.jp/konosora/
http://www.locanavi.jp/konosora/director/top.html
●2018大林宣彦生誕80年<大林宣彦映画祭>
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/obayashi/obayashisakuhin.html
《NEWS》2019.7.26広島ホームテレビより
尾道市出身の大林宣彦さん原爆慰霊碑に献花/広島・平和公園
尾道3部作など数々の作品を世に出してきた、尾道市出身の映画作家大林宣彦さんが平和公園を訪れました。原爆慰霊碑に献花する映画作家の大林宣彦さん。27日に広島市内で開かれるシンポジウムに出席するため故郷に戻ってきました。81歳の大林さんは1982年発表の「転校生」をはじめ「尾道3部作」など広島を舞台に数々の作品を手がけてきました。2016年に肺がんを公表してからも作品を撮り続け、来年春以降には「戦争と原爆」をテーマにした。新作★「海辺の映画館キネマの玉手箱」の公開を予定しています。大林さんは加藤副館長の案内で原爆資料館を見学し、遺品の展示などを熱心に見ていました。大林さんが出席する国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道」は、27日広島国際会議場で開かれます。
・・・「キネマの玉手箱」、待ち遠しいです。