模様(2) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・「模様」を強く意識したのは、大学の講義で「紋様(文様)」について学んでからです。

 

《参考》NHK放送文化研究所より

https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/127.html

広い意味で一般的に使う場合は「模様」とし、特定の分野では慣用にあわせて「文様」と「紋様」を使い分けています。美術・工芸における模様の様式をさすことばとしては、「文様」という慣用が確立しています。また、織物、染め物などの模様を「紋様」と呼ぶことがあります。こうした使い方を踏まえたうえで、放送では次のように使い分けています。

模様[モヨー]・・・ 「文様」「紋様」を含む広い意味で一般的に使う。

文様[モンヨー]・・ 美術・工芸における模様の様式をさす場合は「文様」と してもよい。

紋様[モンヨー]・・ 特定の分野で慣用が固定している場合に限って使う。

<例>ちょうの羽の紋様、小紋の紋様(『ことばのハンドブック』P184参照)

 

 

・・・たかが「紋様」ですが、「立涌」に心奪われてしまいました。

 

《雲立涌》日本服飾史HPより

http://costume.iz2.or.jp/column/529.html

蒸気が立ち昇り、雲がわき起こる様子を象っためでたい文様で、関白の袍(束帯の上着)や親王の袴などに用いられた、やはり高貴な文様です。現代でもよく見受けられるもので、今日の男子皇族の指貫(衣冠に用いる太いズボン)はこの文様が用いられています。雲立涌にも千差万別のバリエーションがあります。(以下略)

 

・・・講義では「泉(和泉)涌く」様子から作られたと聴きました。今でも、そう信じています。

 

《立涌(たちわき・たちわく・たてわく)》「花邑の帯あそび」HPより

https://blog.goo.ne.jp/obiasobi/e/0da8022875d3abf95046448fb8c0b5c9

向かい合わされた波状の線のふくらんだスペースには、意匠によって、ほかのさまざまな文様が入り、それによってそれぞれによび名が付けられています。菊が配された「菊立涌」、雲が配された「雲立涌」、波が配された「波立涌」など、数多くの意匠があります。また波線の部分が、途切れとぎれになっている「破れ立涌」、竹や藤の茎やつるで形づくられている「竹立涌」「藤立涌」といったものもあります。こうした意匠の上での遊びは、その基となる立涌文様が、シンプルでありながらも無限に続くリズム、力強さを持った文様だからこそ生きてくるものでしょう。ちなみに、「立涌」のよび名の由来は、水や雲などが水蒸気となって立ち涌く様子をその形から連想することからとされています。古来より蒸気が立ち昇るさまは吉祥とされ、立涌文様も吉祥文様とされてきました。

 

 

・・・私のお気に入りは、もっともシンプルな「立涌」です。「立湧」と書かれている資料は少なく、どうして?とさらに調べていきました。

 

《増殖難読漢字辞典.com》より

http://増殖難読漢字辞典.com/honbun/zoukan-4d2f.html

【湧】12画氵(9)準1級

基本字【】同字【涌】 10画 氵(7) 準1級

[音] ヨウ ユウ

[訓] わく

★《意味》わく。水がわき出る。また、盛んにおこる。

【湧出】ゆうしゅつ:自然にわきでること。「ようしゅつ」とも読む。

【湧昇】ゆうしょう:深層の海水が上昇して表層で発散する現象。それに伴って栄養塩類が運び上げられて生物の繁殖を助け、好漁場となる。カリフォルニア沖・ペルー沖などに発達する。湧昇流。上昇流。

【湧く】わく

1.水などが、地中から地表に吹き出す。

2.ある感情、また物事などが生じる。起こる。「湧き上がる感情」

3.虫などが発生する。「ウジが湧く」

【洶湧】きょうゆう:水が勢いよくわき出るさま。波の立ち騒ぐさま。また、その音。

「きょうよう」とも読む。

《字源》

声符は「勇(ゆう)」。「勇」は「甬+力」で「甬(よう)」音。

★「甬」は桶おけの象形で、桶状の掘井戸から水が湧出することをいう。

「勇」はいさましい意で、勢いよく湧出するところから、「勇」を部品とした字が生まれたと思われる。

《解説》

常用漢字入りに伴って「勇」と省略されたのと同じく、人名用漢字入りに伴って「湧」になった。「勇」の成り立ちは★「マ男」ではありません。

 

 

・・・もとより「湧く」の意味は「水がわき出る」であり、「字源」部分には「桶(おけ)」の象形で掘井戸から「水が湧出する」ことをいうとありました。大学の講義は、このようなことを根拠にして説明されたのかなと、今さらながら納得です。さて、いろいろ調べましたが、わたしの心を奪った「立涌」が見当たらないので、自分で作成しました。

 

 

・・・3月を目前にひかえ、「お雛さん」を出しました。

 

 

・・・これまでジックリ観察したことはありませんでしたが、なんと「立涌」でした。