・・・「風邪」「インフルエンザ」の季節なので、
《風邪の語源は神代にさかのぼる信仰にあった》和じかん.comより
「風邪」の語源は「風」。神代の人にとって風は単なる自然現象ではなく、神風という言葉が示しているように、神が往来するときに伴う現象と信じられていました。特に、悪霊が吹かせる邪悪な風は、人間の体に障りをもたらすとして、病気に「かぜ」の語を当て、「風邪」と書いたのです。昔は祈祷などの民間療法があたりまえでしたから、病気になると<何かが取り憑いた>と考えるのも無理からぬ事でしょう。江戸時代の人々は、風邪に良く効く食材として3つの食材をよく利用したそうです。それは、<ニンニク>、<ニラ>、<ショウガ>です。この3つの食材は現在でも、風邪に効くとして人気があります。
《ネーミングバラエティー日本人のおなまえっ!》NHKより
最初に取り上げられたのは、季節の変わり目に罹りやすい「風邪」。その語源は僧侶が医師の役割を果たしていた鎌倉時代に、風邪の症状を引き起こす“悪い風”のことを「風邪(ふうじゃ)」と呼んでいたことに由来。当時は“邪気”が病をもたらすと考えられていて、現在の“かぜをひく”という表現は“ふうじゃを体に引き込む”からきています。昔から“風は万病のもと”といわれ、「ふうじゃ」が引き起こす病の1つと考えられていたのが「風湿」。雨天など湿度が高いときに発症・悪化するため“湿”がつけられていて、これが現在の「リウマチ」につながりました。また風に中(あた)ることから「中風」と名づけられた病気が、現在の「脳卒中」になります。その症状が“ふうじゃによって引き起こされる”と考えられるようになったのは、奈良時代のころから。江戸時代中期には“突然”を意味する“卒”をつけて、「卒中風」と呼ばれるようになりました。しかし明治時代に原因は脳にあると分かり、“風”を外し“脳”をつけて「脳卒中」と命名。正しく認識された名前に決まるまで、なんと1200年も要したことになります。
《日本語源大辞典》小学館より
古代中国で風は大気の動きであるとともに、人の肉体に何らかの影響を与える原因としても考えられていたという。このことから吹く風が運んでくる「邪気」を体の中に引き込んでしまうと、かぜという病になると考えられた。だから、「かぜをひく」という。
《日経電子版》より
鎌倉時代になると、からだに悪い影響をおよぼすことから風に「邪」の字をつけて、「風邪(ふうじゃ)」と呼ぶようになった。この風邪を「かぜ」と読むようになったのは明治時代だ。ところで、日本には風の字が付くケガや病名が多い。例えば、破傷風、風疹、痛風、中風……。脳卒中の俗語である中風はまさに「風に中(あ)たる」と書く。昔、かぜが麻痺の原因になると考えられていた名残だという。冬の時期、かぜに似た症状で、気を付けたいのがインフルエンザだ。インフルエンザの語源はラテン語の「影響」に由来し、何の影響かといえば「星の影響」だ。16世紀に、イタリアではこの病気の原因が分からず、占星術師などが惑星の並びによって汚れた空気が広まって起こる病と考えたことによるそうだ。
《語源由来辞典》より
風の語源は「か」が「気(か)」で大気の動きを意味し、「ぜ」は「風(じ)」で「気風(かじ)」の転である。風邪も同源で、日本最古の医書★「医心方」には「風者百病之長也」とある。
http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/owners/syuusyuu_list/list_syoryoubuzou.html
・・・さて「風邪薬」と言えば、
《改源》
541-0045大阪市中央区★道修町二丁目5番14号/06-6202-8971
https://www.kaigen-pharma.co.jp/index.html
改源は非ピリン系のかぜ薬です。眠くなる成分(抗ヒスタミン剤)は入っていません。かぜの回復を助ける生薬成分のカンゾウ末、ケイヒ末、ショウキョウ末を配合しています。独特な風味があります。
カイゲンの創業は大正13年(1924)にまで遡ります。甲子園球場が誕生した年と同じです。創業者は中西武五郎。創業当初の店名は売薬問屋中西武商店といい、各地の隠れた名薬、家伝薬を世に広めるため、東京から鹿児島に至る本舗の数十種に及ぶ製品を取り扱い、販売をしていました。その中心商品が「改源」だったのです。改源は、大正7年頃広島の沢井十字堂薬舗店主である沢井文治(後に中西武商店取締役工場長で『改源翁』とも言われた)の先見性と研究熱心、人一倍のねばり強さから生まれました。現在かぜ薬のカイゲンといわれるのはこんな努力と研究の結果生まれたのです。改源の語源は中国古典(孟子の言葉)の「幡然と改め」「源々として来る」という言葉から命名されたそうです。「日々新たまた新た」という意味があり、改源関係者に、今も基本的な心構えとして受け継がれている言葉です。
・・・最近では、「葛根湯」を常用しています。
《葛根湯》
葛根湯には、プエラリン、ダイゼイン、パエノフロリン、桂皮酸、グリチルリチン、エフェドリン、ギンゲロールが含まれている。主要な活性成分は、エフェドリンおよびプソイドエフェドリンとされている。基本方剤である桂枝湯(桂枝・芍薬・生姜・大棗・甘草)に葛根・麻黄を加えたものである。桂枝湯と葛根湯両方とも発汗作用があるがその作用効果が異なる。桂枝湯は発汗作用が弱い発汗薬で、これに強い発汗薬である麻黄を加え、より発汗作用を強化した発汗薬が葛根湯である。また、葛根には鎮痛作用がありとくに首筋の凝りをとる作用があるとされる。なお、虚証、寒証の人は葛根湯ではなく桂枝湯を用いる。芍薬は漢方薬の代表的な鎮痛剤の一つ。生姜・大棗は方剤全体の副作用を緩和する目的でペアで多数の方剤に使われる。甘草には元来喉の痛みをやわらげる作用があるが配合されている量が少ないことからあまり効果が期待されておらず、副作用を緩和する目的で加えられたと考えられる。原典には、葛根と麻黄を先に煎じ、後から他の生薬を加えてさらに煎じるとされている。この方法は麻黄の主成分であるエフェドリンをより多く抽出することができる。
・・・さらに、
《小青竜湯》
水のような鼻水や痰、くしゃみ、鼻づまり、咳などの症状があるときに用いられる薬で、かぜやアレルギー性鼻炎などでよく処方されています。眠気の副作用がなく、花粉症、鼻水、結膜炎の治療にも使われています。そのほか、鼻炎、気管支炎、気管支ぜんそくなどにも用いられます。「小青竜湯」が向くのは、主に体力が中くらいの人で、診察で胃のあたりを軽くたたくとポチャポチャと音がする「胃部振水音」のある場合が典型的です。
・・・これまで「薬」なんて飲むことありませんでしたが、近年は早目の服薬で重篤化を防ぐように心がけています。みなさんは、どうですか?
《古典文学》
●竹取物語(9世紀後半~10世紀初め)/かぜいと重き人にて、腹いとふくれ、こなたかなたの目には、すももをふたつ付けたるやうなり
●宇津保物語(10世紀後半)/「かぜひき給てん」とてさわぎ、伏せたてまつり給つ
《風に紅葉》
中世物語の一つである『風に紅葉』は、★宮内庁書陵部に室町期の一写本が蔵されているだけであり、活字本も『桂宮本叢書』に見られるのみである。
http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/owners/syuusyuu_list/list_syoryoubuzou.html
鎌倉時代末期から室町時代にかけて成立した2巻から成る擬古物語。作者不詳。題名は物語冒頭部の「風に紅葉の散る時は」の語句に由来する。成立年代は不詳だが、文永8年(1271)『風葉和歌集』にこの物語中の和歌が収録されていないこと、内容・文章・語彙の特徴などから推察して鎌倉時代末期から室町時代初期にかけて成立したと考えられる。また物語中の和歌と『風雅和歌集』の和歌との間に歌句の類似が見られることから『風雅和歌集』が撰せられた貞和5年(1349)以降、南北朝時代に成立したと考える説もある。主人公内大臣と女装の若君を軸に、倒錯的かつ退廃的な恋愛関係を描いた特異な作品である。
※「風に紅葉考」著:大倉比呂志/武蔵野書院
http://www.musashinoshoin.co.jp/index.html
中世王朝物語に属する『いはでしのぶ』や『我身にたどる姫君』には、密通という〈性〉に関わる描写が溢れている。はたして、『風に紅葉』ではそれがどのように語られているのだろうか。本書七編の論文をもとに、その実体を照射する。
・・・さらに、本や文学における「風」を調べてみたいと思います。