満身創痍(2) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・自然災害のみならず、アートの世界も「満身創痍」です。 

 

《NEWS》2018.9.18読売新聞より 

職員遅刻に立腹、制作進まず・・・横尾さん個展延期 

兵庫県西脇市の岡之山美術館 は18日、市出身で国内外で活躍する美術家・横尾忠則さん(82)の特別展「横尾忠則/西脇幻想展」(9月28日~来年3月24日)の開催を延期すると発表した。メイン作品の制作日に美術館職員が遅刻し、横尾さんが「創作意欲が失われた」と立腹。作品制作が進まず、現状では開催できないと判断した。美術館によると、横尾さんは特別展に向け、播州織の布やまち針などを混ぜて漉(す)いた和紙の立体作品を複数制作。8月29日にも兵庫県多可町の施設「杉原紙研究所」で和紙作品を作る予定だったが、制作用の素材を持参する職員らの到着が★約30分遅れ、待たされた横尾さんは市内のホテルに引き揚げた。その後も横尾さんのスケジュールが多忙で完成のめどが立たず、今月14日に横尾さんに延期の意向を伝え、了承を得たという。美術館は公益財団法人「西脇市文化・スポーツ振興財団」が運営。担当者は「美術館側の不手際で展覧会にふさわしい出品が整わず、申し訳ない。遅れてでも開催できるよう努力する」と謝罪。横尾さんの事務所は「経緯は美術館側に聞いてほしい」としている。 

 

《NEWS》2018.9.19産経WESTより 

「金魚電話ボックス」巡り提訴/金魚の街、奈良・大和郡山の商店街に「著作権侵害」と美術家 

水で満たされた電話ボックスに数十匹の金魚が泳ぐオブジェ「金魚電話ボックス」は自身の作品に酷似しており、著作権を侵害されたとして、福島県いわき市の現代美術作家、山本伸樹さん(62)が19日、オブジェを設置した奈良県大和郡山市の柳町商店街組合を相手取り、330万円の損害賠償などを求める訴えを奈良地裁に起こした。訴状などによると、山本さんは平成10年、電話ボックスに金魚を泳がせた作品「メッセージ」を発表し全国各地で展示してきた。一方、金魚電話ボックスは26年、「金魚の街」として知られる大和郡山市の同組合が設置。★京都造形芸術大(京都市左京区)の学生グループが23年、「テレ金」というタイトルで発表した作品を譲り受けたという。山本さんは金魚電話ボックスの存在を知った25年以降、同組合に繰り返し抗議し、著作権を認めるよう求めていた。組合側は著作権侵害はないとする一方、今年4月、トラブルを避けるためオブジェを撤去した。山本さんは19日、奈良市内で記者会見し「撤去を望んでいたわけではなく、作品の著作権を認めてもらうことが目的。著作権を侵害され、苦悩している美術家は少なくない」と主張。同組合の宮沢秀典理事長は「訴状が届いていないので、コメントできない」としている。 

 

●山本さんは解決策として、これまでの著作使用料を請求しない代わりに、山本さん側の費用負担で電話の色などをデザインし直し、山本さんの著作物として再設置するよう提案した。★京都造形芸術大は「電話ボックスと水槽を組み合わせた作品は(他にも)複数存在する。学生は他者の作品を一切参考にしていない」と11年ごろに制作された★テレ金がオリジナル作品だったと説明している。商店街組合は「著作権は侵害していない」と訴える一方、トラブルになっている状況を考慮して撤去を決定した。組合の伊藤聡夫理事長は「譲り受けたものであり、著作権と言われても勝手に認められない」と話す。撤去決定を受け、山本さんは「地元の人と手を取り合い、お互いのためになる着地点を提案してきただけに非常に残念で悲しい」とコメント。観光客らからよく金魚電話ボックスの場所を聞かれるという商店街の男性店主(64)は「とても残念。商店街に来る人が減り、衰退に拍車が掛からないか心配だ」と不安を口にした。  

 

●国内有数の金魚の産地・奈良県大和郡山市に4年前に設置され、街のシンボルとして人気を集めてきた「金魚電話ボックス」のオブジェについて、地元商店街の撤去方針に設置存続の声が広がっている。商店街は9日、撤去方針を伝える貼り紙を掲示したが、観光客らから「何とか残す方法を探ってほしい」と惜しむ声が相次ぎ、市民グループも存続を求めて★署名活動を始めた。市では毎年8月に「全国金魚すくい選手権大会」が開催されるほか、自動改札機や常夜灯をかたどった水槽や、金魚をあしらったマンホールの蓋など、金魚を生かした街づくりが進む。「インスタ映え」で観光客の人気を集めてきたのが、「金魚電話ボックス」。郡山柳町商店街が2014年に設置したが、すぐに福島県いわき市の現代美術作家・山本伸樹さん(62)から以前発表した自身の作品と似ており「著作権侵害」との指摘を受けた。山本さんは「著作権を認め、電話機の色をグレーから作品と同じ緑に取り換えること」を条件に共同設置を提案したが、商店街側は拒否。9日には、撤去を伝える貼り紙を出した。同商店街協同組合の伊藤聡夫理事長(62)は「夜間に訪れる観光客の騒音や違法駐車など、近隣住民に迷惑をかけている状況も考慮した。じくじたる思いだが、未来に向けて歩みたい」とし、撤去後は新たな水槽の設置を検討しているという。一方、存続を求める動きが本格化してきた。大和郡山市の会社員会田陽介さんは3月下旬にインターネットで「金魚電話ボックスは今や大和郡山のランドマークで宝。和解して存続させて」と署名活動を始めた。9日には街頭での活動も始まった。同市の工藤勉さん(66)は「何か行動しないと悔いが残る」と協力を呼びかけ、11日に伊藤理事長と上田清市長にネットで集まった署名も加えて、提出する予定だ。署名した同市の会社員の男性(36)は「発想がユニークで印象に残る。広告塔として市の活性化にもつながるので、残してほしい」と話した。 

 

《京都造形芸術大学》2018年4月4日(水) 

大和郡山市柳町商店街の作品に関する件について 

https://www.kyoto-art.ac.jp/news/info/337

このたびは、大和郡山市柳町商店町の作品に関する件で、皆様をお騒がせし大変申し訳ございません。この件につきまして、本学が把握しております経緯とその見解について述べさせていただきます。 

1.本作品は、大阪府の事業である「おおさかカンヴァス推進事業」の2年目にあたる2011年の公募にて選定され(募集期間:平成23年6月6日~7月22日)、本学の当時の6名の学生がアーティスト名「金魚部」として出品した『テレ金』という作品に端を発します。 

2.この『テレ金』という作品の表現の前提となるコンセプトは、下記の通りです。 

 「公衆電話ボックスを巨大な水槽に改造し、無数の金魚を遊泳させる作品。金魚すくいや餌用として大量に生産・消費される金魚のあり方を再考し、伝統文化として培われてきた金魚の美を改めて見直し、美しい日本の文化として新たに開花させることを目指す。」 

参照:http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/10850/p0000014/Canvas2011%20Work.pdf

3.さらに、その『テレ金』という作品では、2007年頃より隆盛をはじめるスマートフォン等の普及によって町からどんどん姿を消している電話ボックスと、衰退の一途をたどる観賞用金魚を照らし合わせて、電話ボックスを水槽に見立て1000匹の金魚を遊泳させました。その際、金魚の代表的産地である大和郡山の関係者の皆様の協力も得てこの作品を完成させました。 

展示期間:2011年10月22日(土)~30日(日)(中之島公園) 

4.本作品以外でも、かねてより金魚の産地大和郡山市の皆様とともに取り組んでおり、2011年10月22日(土)、23日(日)、29日(土)に大和郡山市のHANARARTでも、金魚をテーマにしたワークショップ(ねぶた制作など)を行ってきました。そうした関係もあり、地元の皆様より学生チームへ上記作品の展示希望が寄せられ、現在把握している範囲で以下の機会に展示をしてまいりました。 

(1)2012年3月6日(火)~11(日) 

イオンモール大和郡山 

(2)2012年3月31日(土)~4月3日(火) 

第52回 大和郡山お城まつり 

(3)2013年3月31日(日) 

第53回 大和郡山お城まつり 

※なお、HANARART2013(2013年10月12日-20日)以降は、「金魚の会」として地元有志の方が「金魚電話の展示」として展示をされています(本学学生チーム「金魚部」の活動は停止。『テレ金』の作品は解体。電話ボックスを「金魚の会」へ譲渡)

参照:http://hanarart.jp/2013/koriyama.html

5.本作品については多くの皆様にご評価いただき、話題にもなりましたが、その一方で既存の作品に似ているというご指摘がイベント主催団体に寄せられました(詳細につきましては主催団体にお問い合わせください)。 

6.本作品について、「著作権の侵害」・「類似性」のご指摘があった当時、大学として学生たちのヒアリングを行った結果、以下の理由から別の芸術作品として、指摘については該当しないと考えておりました。 

(1)「既存の著作物に対する依拠性」という視点より 

当時1年生であった6名は平成4年(1992年)前後の生まれであり、山本氏が発表された1998年の作品を、先行作品のリサーチにおいても気づいておらず「依拠性」という点では、参照できる状態ではなかったこと(もちろん、先行作品のリサーチでそこに及ばなかったことへの指導上の課題、主張の客観性という点でのご意見はあるかと思います) 

(2)「表現上の本質的な特徴の同一性」という視点より 

 『テレ金』の作品コンセプトは、上記の通り、金魚すくいや餌用として大量に生産・消費される金魚のあり方を再考し、伝統文化として培われてきた金魚の美を改めて見直し、美しい日本の文化として新たに開花させることを目指すものであり、指摘されている海外も含めた他の作品と「本質的な特徴の同一性」を有するとは言い難いこと。 

ただし、このたびの件は、金魚の街として盛り上げようと奔走されていた大和郡山市の金魚の会や商店街関係者の皆様、本展示を楽しみに、大切にしておられた大和郡山市の皆様や観光客の皆様、そして、山本様のそれぞれ各位にご心配、ご迷惑をおかけしている現状については、大変遺憾に思っております。今後は、皆様にとって良い形となるよう協力いたしたい所存です。表現を志す学生を育てる大学として、本件を契機に改めて学生たちに指導を続けてまいります。 

 

《美術手帖》2018.9.19 

https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/18481

ヤノベケンジ《サン・チャイルド》が撤去開始。20日までに完了予定 

福島市の教育施設「こむこむ館」前に設置されたヤノベケンジの巨大作品《サン・チャイルド》の撤去が18日、始まった。作業は20日までに完了予定だという。福島市の子育て支援施設「こむこむ館」前に設置されたヤノベケンジによる立体作品《サン・チャイルド》がついに撤去される。同作は今年8月3日に設置されて以降、「原発事故の風評被害を広める」などの批判が市に寄せられ、同月28日に撤去が決定。同日時点では具体的な撤去の日程などは決まっていなかったが、今月18日から撤去作業が開始された。解体後は福島市の施設で保管するとされているが、その後の扱いは未定のままだ。9月5日に同市で行われた「福島ビエンナーレ」の記者会見に出席したヤノベは「しがみついてでも福島に向き合っていきます。私が取りこぼしてしまってしまった声を聞き、何ができるか考え、議論を続けていきたい」とコメント。撤去後に開催される同ビエンナーレを通じて、ヤノベがどのような姿勢を見せるのか、注視したい。  

 

《京都造形芸術大学「ウルトラファクトリー」》 

http://ultrafactory.jp/blog/post_83.html

ヤノベケンジより皆様へ 

立ち上がる人々 

震災直後に動揺し、情報を得ようと自宅にいる間はテレビに食いつき迂闊にも見続けてしまった。 

しばらくすると横にいた幼い息子がつぶやいた「こんな世界で生きているほうが良いの?」 

あわててテレビを消した。絶望の情報に押し流されている。 

確信した。 

今ここに芸術が必要か?の問いにはっきりと答えたい。今でこそ必要だ。と。 

絶望の嵐の中に敢然と足を踏ん張り、前を見据え立ち向かう力を芸術は与えてくれる。 

勇気と希望に溢れるクリエイティビティは生きることへの尊厳を意味する。 

私たちは芸術の機能に信頼と誇りを持って「生きつづけよう」と思える魂を育てなければならない。 

★想像しよう。廃墟の向こうにあるそれぞれの理想郷を。 

そして 

災害にあわれても生き抜こうと頑張っている方々 

決死の覚悟で災害を食い止めようとしている方々 

すべての人々に深い敬意を持って応援いたします。 

ウルトラファクトリーディレクター:ヤノベケンジ 

 

・・・あえて、画像もコメントも掲載しません。そのかわり、 

 

《Imagine》和訳:Akihiro Oba  

http://ai-zen.net/kanrinin/kanrinin5.htm

★想像してごらん 天国なんて無いんだと 

ほら、簡単でしょう? 

地面の下に地獄なんて無いし 

僕たちの上には ただ空があるだけ 

さあ想像してごらん みんなが 

ただ今を生きているって... 

想像してごらん 国なんて無いんだと 

そんなに難しくないでしょう? 

殺す理由も死ぬ理由も無く 

そして宗教も無い 

さあ想像してごらん みんなが 

ただ平和に生きているって... 

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね 

でも僕一人じゃないはず 

いつかあなたもみんな仲間になって 

きっと世界はひとつになるんだ 

想像してごらん 何も所有しないって 

あなたなら出来ると思うよ 

欲張ったり飢えることも無い 

人はみんな兄弟なんだって 

想像してごらん みんなが 

世界を分かち合うんだって... 

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね 

でも僕一人じゃないはず 

いつかあなたもみんな仲間になって 

そして世界はきっとひとつになるんだ