サン・チャイルド | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・様々な考え方や感じ方があって当然ですから、このブログ内でたとえ個人的な見解であったとしても、賛否や評価について掲載することを避けてきました。また表現の未熟さによる「誤解」や「偏見」を招かないためにも、そうすることが賢明であると考えていました。

 

《NEWS》2018.8.5福島民友ネットより 

復興願い巨大モニュメント作品/福島で除幕式 

現代美術作家ヤノベケンジさんが原発事故からの再生や復興への思いを込めて製作し、福島市に贈った「サン・チャイルド」の除幕式が3日、同市のこむこむ前で行われた。高さ約6.2メートルの巨大な子ども像は、黄色い防護服に身を包み、ヘルメットを脱いで空を見上げている。空間放射線量を測る胸の線量計は0を示し、不安のない未来を表現したという。ヤノベさんは「生みの親は自分だが、福島の方々に育ててもらいたい」とあいさつ。除幕に参加した女子児童(小学4年)は「すごく大きくてびっくりした」と、大人より何倍も大きいサン・チャイルドを見上げていた。

 

・・・しかし、今回の「サン・チャイルド」の除幕から撤去に至る経緯については、黙っておれないなあと思っています。

 

《NEWS》2018.8.29福島民友ネットより 

「サン・チャイルド」撤去へ/福島市長謝罪、設置継続は困難 

福島市が教育文化施設「こむこむ」前に設置した立像「サン・チャイルド」の表現に一部から批判が寄せられていた問題で、市は28日、作品を撤去すると発表した。木幡浩市長は記者会見で★「賛否が分かれる作品を『復興の象徴』として設置し続けることは困難と判断した」と述べ、謝罪した。展示が始まった今月上旬から、交流サイト(SNS)などで、立像が防護服姿であることや、線量計を模した胸のカウンターが「000」となっていることが「風評被害を助長する」「非科学的」との批判が集中。作品の表現を評価する声もあり、市の対応が注目されていた。 

◆賛否交錯の末 

3日から福島市の教育文化施設「こむこむ」前に設置された現代アートの立像「サン・チャイルド」を巡る論争は28日、市が作品を撤去すると発表したことで急展開を見せた。市が「復興の象徴」と期待を込めた立像は設置から1カ月を経ないまま、姿を消すことが決まった。「市民の意見の把握に努め、市外からの意見も受け止めた。設置によって心を痛め、不快な思いをした方に心からおわびする」。木幡浩市長は28日に市役所で開かれた記者会見で神妙な表情を見せた。 

◆意向調査、反対多く 

市は18日からこむこむの来場者に対し、立像についての意向調査を実施。27日までに110件の回答があり、設置に「反対・移設」が75人と、「存続」22人を大きく上回った。市へのメールや電話も否定的な意見が多かった。アンケートには「防護服がないと生活できないとの印象を与える」「子ども向けの施設に設置するのは問題」など撤去を求める意見の一方で、「災害の教訓になる」「勇気や元気が伝わる」などの意見があった。木幡市長は22日に立像を「復興の象徴」と評価し、設置の意義を強調していた。会見では「賛否を把握するのは難しい。愛称募集では小学生199人が応募していた。賛否は拮抗していたのでは」と未練ものぞかせた。作品は、現代美術家ヤノベケンジさんが2011(平成23)年に制作した高さ6.2メートルの子どもの立像。3体制作され、イスラエルや大阪など国内外で展示されてきた。防護服姿で、胸には放射線量を測る線量計を模したカウンターを配した。「原子力災害がない世界」を象徴し、復興へと立ち上がる人々に夢と希望を発信したいとの思いを込めた。 

◆市長給与減額へ 

木幡市長は「設置に当たり(市民や議会との)合意形成のプロセスを欠いた」と謝罪。「ヤノベさん個人への誹謗中傷はやめてほしい」と呼び掛けた。また市長給与を減額する方針を明らかにした。作品は早期に撤去し、別の展示場所が見つかるまで保管する。撤去には100万円以上かかる見通し。すでに設置に133万円かかっており、合計で約250万円の税金が投入される。9月議会でも立像問題が議論されるのは必至の情勢で、問題は今後も尾を引きそうだ。 

★2018.8.28ハフポストより 

ヤノベさんは撤去が発表された28日、自身の公式ホームページで、展示取りやめについてコメントを発表した。今回の騒動について、像の設置を受けて不快に感じた人々へお詫びを伝えた。福島市との協議については「大変残念ではありますが、こむこむ館前に置き続けることで、苦しむ市民の方々がおられるならば撤去し、展示を取り止めた方がよいという結論に至りました」とし、「これ以上、市内外の人々を巻き込み、対立が生まれることは避けたいと思いました」と決断に至る経緯を説明した。 

 

・・・「合意形成のプロセスを欠いた」ことは事実だろうし、そして作品「サン・チャイルド」と作者「ヤノベケンジ」さんが矢面に立たされたということは、もう取り返しのつかない現実問題であり「炎上」しているわけです。

 

★アトミック・エイジのサイトより 

ヤノベ氏の「サン・チャイルド」が福島県内で披露されるのはこれが初めてでは無い。2012年夏に福島空港をメイン会場に行われた★「福島現代美術ビエンナーレ2012」では、「福島にサン・チャイルドを運ぼう!ヤノベケンジ『サン・チャイルド』光臨プロジェクト」が発足。同プロジェクトは、作品について「震災後、ヤノベケンジが最初に制作した作品で、ヤノベ自身がかつてチェルノブイリに探訪した際に着用した放射能防護服を模した服を着た傷だらけの子どもが、ヘルメットを脱いで左手に持ち、右手には希望の太陽を持っている、という復興・再生のための象徴的な作品」と評価していた。同ビエンナーレ終了後も撤去されることなく、翌2013年3月まで福島空港内で延長展示された経緯がある。しかし今回は、福島駅近くで屋外での恒久設置だ。原発事故以降、汚染や被曝リスクと向き合ってきた市民がどう受け止めるか。なぜ福島市なのか。なぜこの作品なのか。福島市の木幡市長は時間がかかってでも、ていねいに説明するべきだった。 

日本共産党福島市議会議員団は10日、木幡市長宛てに「さまざまな問題を孕む巨大モニュメント『サン・チャイルド』の早急な撤去」を求める要望書を提出した。要望書は「モニュメントに異論が寄せられるのは、福島の現実とは大きく乖離しているからです」、「7年4カ月放射能被害に心身共に苦しめられた市民の感情に寄り添わない、まさに福島市の姿勢が問われる問題でもあるからです」として、①なぜ放射線量が「000」の表示なのか②なぜ防護服とヘルメットなのか③事実に則しない巨大モニュメントを復興のシンボルとして設置することは教育的にも不適切─と撤去を求めている。同党の市議は「議会に事前の説明も報告も何もありませんでした。議会を通し、時間をかけて市民にていねいに説明をしていたら、ここまで大きな騒ぎにはなっていなかったと思います。木幡市長の立ち位置は、市民側では無く国・東電側です」と話す。福島市で子育て中の母親は「木幡さんはあの頃、福島市で子育てをしていないから、私たちの想いなど理解出来ないのではないでしょうか」と厳しい。「サン・チャイルド」が設置されている「こむこむ館」の担当者によると、モニュメントの寄贈にあたっては作者のヤノベ氏と福島市の間に入る形で「一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金」、「一般財団法人ふくしま未来研究会」の2つの団体がかかわっているが、福島市の費用負担はゼロでは無く、設置に際しての基礎設計や除幕式の委託費用などは市の負担が生じているという。

 

・・・「財政的」な問題や「政治的」な問題と、「芸術」の問題は完全に別だと言い切れないかもしれないけれど、ここにきてそれを持ち出してしまうと、「解決」どころか「混乱」「混迷」を招いてしまうので控えてもらいたい。

 

★GREEニュースより 

福島県福島市のJR福島駅近くにある、教育文化複合施設「こむこむ」に8月上旬に設置された「サン・チャイルド」が、撤去されることになった。市が28日に発表した。 木幡浩市長が同日、市のサイトに声明を発表したことに合わせ、作者のヤノベケンジ氏も、自身のサイトにコメントを掲載。「不快に思われた福島市民の皆様、応援して下さった市民の皆様に、改めてお詫びを申し上げます」と謝罪した。「置き続けることで苦しむ市民がいるなら、撤去し展示を取りやめた方がよいと考えた」 

ヤノベ氏は撤去について、「大変残念ではありますが、こむこむ館前に置き続けることで、苦しむ市民の方々がおられるならば撤去し、展示を取りやめた方がよいという結論に至りました。また、これ以上、市内外の人々を巻き込み、対立が生まれることは避けたいと思いました」と胸中を語った。「サン・チャイルド」は震災後、福島に通う中で着想したと明かし、「人類共通の大きな課題の解決に向けて、すべての人々を勇気付けたいと思いました」と説明。今回の批判については、「展示する場所、時期、方法などによって受け止められ方は変わりますので細心の注意を払うべきでした」 と振り返った。今後、市民と対話する機会を設けたいと希望している。 

 

・・・結論として、「対話」しか解決の道はないでしょう。ひょっとしたら「平行線」かもしれません。それでいいと思います。大切なのは「相手を理解しよう」「歩み寄ろう」という気持ちを持って「対話」できるかどうか、そういう「場」を設定できるかということになります。批判や糾弾のために「対話」があるのではありません。冷静に、まずヤノベケンジさんの「声明文」を読んでみてください。

 

 

・・・私は「ヤノベケンジ」さんの★作品が好きです。だから、作者であるヤノベケンジさんを信頼しています。この声明文に書かれている「思い」を共有するところから、「対話」をスタートさせましょう。私たちは、決して「傍観者」にならず、一部の意見に惑わされることのないように、しっかりこれまでの経緯と当事者の思いをしっかり「傾聴」しましょう。作品を撤去したら問題が解決するのではなく、これからがスタートだと考えて、今日はとにかくここまでです。