はじめに
・・・今年の夏も、「群展」と「主題派大作展」の期日がほぼ重なってしまいました。暑い夏、そして忙しい夏になります。さらに来年、「個展」を開催することになりましたので、もうタイヘンです。とにかくコツコツ制作するしかないわけで、この夏の制作テーマは「気」、そして活動テーマは「空」ということにしました。
★《第51回主題派美術大作展》8/23(水)~27(日)
於:堺市立文化館ギャラリー「つつじ」
590-0014堺市堺区田出井町1-2-200ベルマージュ堺弐番館2F/072-222-5533
https://www.sakai-bunshin.com/shisetsu_kihon_bunka.jsp
●「堺アルフォンス・ミュシャ館」ベルマージュ堺弐番館3F~4F
http://mucha.sakai-bunshin.com/
★《第36回群展》8/24(木)~29(火)
於:道頓堀「ギャラリー香」
542-0071大阪市中央区道頓堀1-10-7/06-6212-7750
http://www.dotonbori.or.jp/ja/shops/13
・・・さて、今回の主題派大作展テーマが「気」ということに決まったのですが、これまで制作してきた作品も、意識してませんでしたが「気」というテーマがピッタリはまるようです。水を得た魚というか、テーマを得た作品ということで、制作にも拍車がかかりました。当面は、この夏の2つのグループ展に向けてですが、秋には「地域展」に出品しようと考えています。
《葛城発信アートFAIR》
葛城市には、国宝8点を有する當麻寺をはじめ古代から受け継いできた誇るべき歴史遺産、金剛山地の北部に位置する二上山を中心とした穏やかな自然風景、そして葛城を愛する地元のアーティスト達を育む個性的なギャラリーがあります。歴史と自然の共存したこの街に集まった作品は展示会場と溶け合い、互いを引き立てあって、どのような表情を見せてくれるのでしょうか。葛城市を舞台とし、葛城市の魅力を発見し発信することを目的に、一昨年、葛城発信アートFAIR2015を開催し、盛況を博しました。そしてこの秋、第3回目となる葛城発信アートFAIR2017を開催します。葛城市の歴史施設・文化施設に、さまざまなアート作品が葛城を舞台に展示される意義を尊重し、世代を超えて新たなアートの魅力を共感できる会場となるよう、“歴史ある葛城をアートで飾る”という趣旨に賛同する作品を広く募集します。
・・・昨年、偶然この取り組みを知り、かねてより「竹内街道」や「當麻寺」そして「葛城」を何度も訪問しており、ほぼ地元という気持ちで参加させてもらうことにしました。「千利休」や「松尾芭蕉」に傾倒していたこともあって、作品に日本の伝統文化を取り入れることを主眼にした制作を工夫していました。2016年の募集要項には、4年に一度の特別公開「中之坊茶室・丸窓席」が展示場所として書かれていました。こんなチャンスはめったにありません、まさしく祈るような気持ちで応募したわけです。
《當麻寺「中之坊》
639-0276奈良県葛城市當麻1263/0745-48-2001
白鳳時代の當麻寺開創に伴い、役行者が道場として開いたのが中之坊で、天平期、十一世実雅上人(中将姫の師)の代に當麻寺住職の住房「中院御坊」として成立した當麻寺最古の僧坊。以来、一山の筆頭寺院として代々當麻寺を護持してきた。弘仁時代(九世紀初)、十四世実弁上人が弘法大師に教えを授かり、以後、當麻寺は真言宗の霊場となり、今も中之坊は別格本山として大師信仰、観音信仰の中心を担っている。當麻寺中之坊庭園は、古くから大和三名園(竹林院、慈光院)と賞される池泉回遊式兼観賞式庭園。★大円窓の茶室(重文)や、様々な寺宝が入れ替え制で展示される霊宝館、などが公開されているほか、壮麗な絵天井の下で當麻曼荼羅の写仏体験ができる寺としても知られている。
・・・年老いた母親と「写仏体験」に訪れたこともあります。
《重要文化財「中之坊書院」》
http://www.taimadera.org/news/event02.html
中之坊庭園「香藕園」は片桐石州が改修した大和屈指の名園です。心字池の周りに飛び石を配し、散策して愉しむ「回遊式庭園」として設計されていますが、実は片桐石州公は、後西天皇が書院および茶室から庭園を眺められることを予想し、それぞれの景観を計算して「観賞式庭園」の要素を同時に持たせたのです。当園は風流大名として知られた石州の、巧みな構図による会心の作です。通常は回遊式として愉しんでいただいている「香藕園」ですが、「観賞式庭園」と言うもう一つを顔を持っています。直径約1.8メートルにも及ぶ大きな円窓が見事な名席。それに対し床の間を小さく作って限られた空間を有効に活用する手法を用いています。また、千利休が好まなかったという竹をあえて用いていることも特徴で、石州公の独創性が伺えます。
http://www.taimadera.org/news/event02.html
2016年「秋の特別拝観」は、4年ぶりに中之坊書院(桃山~江戸時代初期:重要文化財)の内陣が特別公開されました。書院の屋根は、数年前より屋根の損傷がひどく、雨漏りが深刻化しております。随時対策を講じておりましたが本修理の順番がなかなか回ってこない間に、応急処置がおいつかなくなったため、天井、畳、壁など、随所に雨のシミがみられますことをお詫び申し上げます。当坊では来年度以降になる本修理に向け、皆さまのご浄財を募っております。なにとぞご協力、ご支援お願い申し上げます。
・・・床の間には飾っていただけませんでしたが、幸い、茶室内床置きで展示していただくことができました。ご住職の取り計らいで「花台」に載せていただき、さらに「優秀賞」までいただくことができました。ありがたいことです。葛城アートのHPにも、昨年の様子として作品を掲載していただいています。
http://katsuragi-artfair.com/past-events/
・・・2017年は、展示場所に「丸窓席」(4年ごとの公開)は含まれていません。いろいろ考えた末、「奥院庫裡」を第1希望にしました。
《當麻寺奥院》
639-0276奈良県葛城市當麻1263/0745-48-2008
當麻寺最大の塔頭である奥院は、浄土宗総本山知恩院(京都市東山区)の「奥之院」として応安3年(1370)に建立されました。奥院を開山した誓阿普観上人は、知恩院の12代目の住職でもあります。当時、京都は南北朝分裂後の混乱で常に戦火の危険性に満ちていました。法然上人の夢告を得た誓阿普観上人は後光厳天皇の勅許を得て、知恩院本尊として安置されていた法然上人像(重文)を選択本願念仏集(重文)や法然上人所縁の宝物とともに、當麻寺へと遷座し往生院(今の奥院)を建立したのです。以来、知恩院の住職が極楽往生を遂げる地として住職5代に亘り當麻寺奥院へ隠遁し、法然上人像を守りました。知恩院と対をなす奥院は浄土宗の大和本山として念仏流通と僧侶育成の道場となり、また當麻曼陀羅を日本全国に広める役割も果たし、多くの人々の信仰を集め、今日まで護持継承されて来た名刹です。本堂(重文)、大方丈(重文)、楼門(重文)、阿弥陀堂、★庫裡等、今に残る伽藍に往古の宗教活動の偉大さがうかがわれます。
《奥院庫裡》
http://katsuragi-artfair.com/area/taimaji_okuin/
天井の高さが特徴的で、屋内でありながら開放的な雰囲気を醸しております。スケールの大きな展示をするのに適した空間と言えます。奥院に入山される方のみ観覧できる空間です。
★《第3回「葛城発信アートFAIR」2017》
2017年11月1日(水)~11月5日(日)
会場:葛城市内各会場・當麻寺とその周辺
http://katsuragi-artfair.com/area/
・・・現在、これらの展覧会に向けてひたすら制作しているわけですが、さらに、またまた偶然に出会った「地域展」がありました。