平成15年度(第14回)2 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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《参考》「そごう心斎橋本店」 

竣工:2005年/設計・施工:竹中工務店/設計監修:キャリソン・アーキテクチャー社

村野藤吾により設計された旧そごう大阪店を建て替え、2005年にそごうの心斎橋での新たな出発を印象付けた。しかし、顧客を読み違えた高級路線の店舗作りは結局失敗に終わり、2008年、店舗を大丸に売却すると発表。1877年以来営業を続けてきた地、心斎橋からの撤退となる。 

 

 

②工事用仮設塀に描かれた絵画等表彰

・・・工事用仮設塀は、建物が完成すると当然撤去されるので、工事期間にしか見ることができません。幸い、竹中工務店のHPに仮囲い画像がたった1枚ですが、掲載されていました。嬉しいことです。それ以外は、WEBよりかき集めました、全22種類あったそうです。

 

■建物名:そごう心斎橋店/中央区心斎橋筋1-8-3

所有又は管理者:/制作者:イチハラヒロコ+(株)TAKリアルティデザイン事業部

http://www.takenaka.co.jp/enviro/es_report/2005/general/affiliates/index.html

都市の景観は都市環境保全の重要な要素で、仮囲い塀で囲まれた工事現場も例外ではなくなりつつあります。このような状況の中で、(株)TAKリアルティデザイン事業部が手がけた、そごう心斎橋店の工事用仮囲い塀に付設された「そごう心斎橋店 仮囲いアートプロジェクト Vol.1」が、2004年3月、平成15年度(第14回)大阪市都市環境アメニティ表彰を受賞しました。同賞は、大阪市が都市景観および環境の向上を図ることを目的に、平成2年度に創設したものです。今回受賞した仮囲いアートは、そごう心斎橋店の工事現場を囲う仮囲い塀の御堂筋側に描かれた計11点のランゲージアート(言葉の芸術)。「良縁望む」「できることは山ほどある。」「小さな声だが聞こえている。」など、現代美術家★イチハラヒロコさんの作品が白地に黒いゴシック体の文字でくっきりと描かれています。建設作業所は仮囲い塀で囲まれていて隔絶された世界との印象を与えがちですが、今後もさらに芸術性の高いアートを創作することで、通行人や地域とのコミュニケーションを少しでも高めていきたい、と考えています。

 

 

【イチハラヒロコ】(1963~)

1963京都生まれ。

1985京都芸術短期大学(現:京都造形芸術大学)ビジュアルデザイン専攻科修了。
1988よりことばや文字をモチーフに作品を制作。

横浜トリエンナーレ2001、豊田市美術館、水戸芸術館、東京都現代美術館等で作品発表する一方で、デパートの外壁工事仮囲いや、横浜のスケートリンクに文字を描くなど、屋外展示も多数。また大阪の布忍神社に★「恋みくじ」を設置したり、イギリスのショッピングセンターで「万引きするで。」と書かれた紙袋を2000枚配布するパフォーマンスをするなど、その活動はユニーク。

 

《参考》「大丸心斎橋店本館建替え」

http://www.j-front-retailing.com/ir/po/po06.php

新たに生まれ変わる大丸心斎橋店本館では、心斎橋地区が持つ可能性と潜在力を最大限に引き出す、グローバル対応を強化した本格的な百貨店を展開します。新たな本館は、高さは約60m、地下3階から地上11階までの建物となる見込みであり、従来よりも約30%増床となる40,000㎡の売場を新たに構築します。また、御堂筋側の外壁を保存するとともに、新築される高層部はセットバックさせ、保存外壁と景観的調和をはかります。内装については、今後、既存内装の調査を行い、再活用できる部材を抽出し、当社としての店づくりの考え方をベースに、1階を中心として店舗内装環境において活用していきます。さらに、心斎橋筋商店街へのアクセス向上をはかるため、地下鉄駅改札からの地下通路を改修し、通路拡幅、エレベーター、上下エスカレーター設置などバリアフリー化を行うほか、地下駐輪場(約390台)の整備や屋上緑化の整備など地域の課題に取り組みます。併せて、インバウンドセンター(仮称)など国際競争力の強化に資する施設を館内に設けるなど、地域の活性化にも取り組みます。新たな本館の開業は★2019年秋を予定しています。また、本館の建替えと併せ、北館は、当社が取組みを進めている新百貨店モデルの成果を踏まえ、大型専門店や有力ブランドなどを積極的に導入し、新たな顧客を地域に呼び込むとともに、賃料収入形態を採用するなど安定的な収益確保の取り組みも強化します。そして、本館は建替え完了後に北館と道路上空で接続・一体化させ、回遊性の格段の向上をはかります。接続工事の完了は★2021年春を予定しています。こうした新しい心斎橋店の創造により、地域の競争力向上や新たな賑わい創出をはかるとともに、建物の安全性の向上やヴォーリズ建築の価値の継承を通じて、地域の発展に貢献していきます。

 

 

・・・大丸本館工事の心斎橋筋に面した工事用仮設塀は、以上の2種類を確認しています。

 

 

・・・実際の工事用仮設塀を見ることはできませんので、せめて「恋みくじ」をゲットしようと年甲斐もなく行ってきました。

 

 

《参考》UR都市機構「仮囲いアートプロジェクト」

http://www.ur-net.go.jp/urbandesign/action/topics5.html

http://www.ur-net.go.jp/urbandesign/action/landscape13.html

《ステュディオ・ハン・デザイン》

http://www.studio-han-design.com/

【韓亜由美 】HAN Ayumi

東京生まれ。1982東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。1986 Politechnico di Milano, Italy 建築学科留学。1988-90クラマタ デザイン事務所勤務。1991独立、ステュディオ・ハン開設。2000株式会社ステュディオ・ハン・デザイン一級建築士事務所設立。2013~前橋工科大学総合デザイン工学科教授。現代の都市空間と変化するヒューマンスケールやアクティヴィティーの関係性に注目し、デザインの専門分野の枠を超えて活動する。90年頃からは主に、都市の橋梁、トンネルなどのインフラ構造物のデザインを中心に高速道路の走行空間やランドスケープのデザインを手がける。また、「速度空間」をテーマに実験的インスタレーションを展開。

 

・・・たかが工事塀、されど工事塀ですね。