・・・テーマ「キリン」で「絹谷香菜子」(娘)さんを掲載しましが、やっぱり「絹谷幸二」(父)さんも気になります。
【絹谷香菜子】(1985~)
1985東京に生まれる。2007多摩美術大学絵画科日本画卒業。2009東京芸術大学大学院美術研究科博士前期過程芸術学美術教育研究室修了、修士論文「日本絵画からみる線の美意識~現代の日本における<にほん画>の教育的意味を考えるために~」。2011吉野石膏美術財団在外研修員としてロンドン芸術大学にて渡英。2013東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程美術教育研究室満期退学。2015第3回郷さくら美術館桜花賞展出品、アートフェア東京2015個展。
《NEWS》2014.6.4産経ニュースより
多様な動物をモチーフにした花鳥画で注目を集める若手日本画家、絹谷香菜子さん(29)は、日本におけるアフレスコ画(フレスコ画)の第一人者として日本の洋画壇で活躍してきた幸二さん(71)の次女。美術の世界へ進もうと決めたのは中学2年の頃。幼稚園から大学までエスカレーター式に進める学校に通っていたが、「大学は別の所に行きたい」と思ったのがきっかけだ。「興味があったのは海や生物に関すること。叔母が海洋学者で自分も、と思ったけど、学者になるほど頭が良くない。海の水の中にいる感覚が好きなのですが、この『自分が良い』と思う感覚が言葉では伝わらない。どうしたら伝わるかと考えたとき、父のように絵で表現するのがいいかも、と思った」
アフレスコ画は石灰と砂をこねたしっくいを壁に塗り、乾き切らないうちに水を含ませた顔料で描く。日本画は天然鉱物を細かく砕いた岩絵の具などを膠(にかわ)で溶いて描く。香菜子さんが日本画を選んだのは、オープンキャンパスで訪れた美大で岩絵の具の色の美しさにひかれたためだ。子供の頃から幸二さんのアトリエで目にしていた鮮やかな色の顔料に通じるものでもあった。幸二さんは香菜子さんの美大進学に、「美大に行くんだ。頑張ってね」と言うぐらい。美大では、親から反対されて入学してきた同級生も多かっただけに、すんなりと進学できたのはありがたかった。一方で、幸二さんが世間的に評価されている画家であることに初めて気づく。「父が絵を描く人で、大学で教えていることは知っていたけど、私にとってはただのお父さん。教科書に父の絵が載っていても、友達も『幸二の絵が載ってるね』と言うぐらい。すごいと思ったことがなかった」大学では「お父さんの力で入学したんでしょ」と陰口を言う子もいた。打たれ強い性格なので何を言われても平気だったが、自分でも「どこまで私自身の力が認められているんだろう」と悩むこともあった。幸二さんは国内の美術コンクールで審査員を務めることも多く、審査員でなくてもみんなが幸二さんのことを知っている。「絹谷」の名字のない雅号で応募することも考えたが、連絡先や本名を隠しての応募はできない。結局、大学時代、香菜子さんは一度もコンクールに出品しなかった。子供の頃、幸二さんは長期の休みには必ず海外旅行に連れて行ってくれた。タヒチでゴーギャンの軌跡をたどり、スペインでアルタミラ洞窟の壁画を見た。海や山など自然いっぱいの中で遊び、必ず現地の美術館を訪れた。大学時代は「重い」と思った幸二さんの存在だが、幸二さんが父だったから今の自分があると思えるようになった。「父は放任的で、私に絵のことはほとんど教えなかった。それは一つのことを強制したくなかったからかも。いろんな国に行き、文化に触れたことで、物事はそれ一つで成り立っているのでなく、全てがつながっていることを自然に学んだ。絵を切り口に、自然環境や歴史、文化などさまざまな分野に思いを巡らせ、つなげることも父の絵や生活から学んだ。将来は父を超え、世界に通用する画家になりたいですね」
・・・片岡球子さん・絹谷幸二さんの絵が展示されているというので、行ってきました。
◆《奈良県立万葉文化館》◆
634-0103奈良県高市郡明日香村飛鳥10/0744-54-1850
《NEWS》2016.6.28産経 ニュースより
「すべて見せます万葉日本画~風景~」於:万葉文化館
2016年5月21日(土)~7月31日(日)
万葉文化館が収蔵する万葉日本画を公開する「すべて見せます万葉日本画~風景」が明日香村の同館で開かれている。万葉集に詠まれた山や川、滝などのある風景を、著名な画家らが思いを込めてそれぞれの視点で描いた53点が展示されている。7月31日まで。同館では、平成13年の開館に合わせて第一線で活躍する画家らに制作を依頼した万葉日本画154点を収蔵。これまで展示の核となってきた作品全点を3回に分けて公開することになり、今回がその最終回となる。★片岡球子さんの「富士」は、田子の浦を通って富士山を見たときの印象を詠んだ山部赤人の代表作を描いた作品。シンプルな構成だが、白や青色などで色彩豊かに富士の美しさを表現。154点のうち富士山を題材にした作品は2点で、富士山の頂を描いた今野忠一さんの「富士」も展示されている。後藤純男さんの「新雪大和」は、雪に覆われた東大寺大仏殿など、大和(奈良)の街並みを細かく描写した写実的な作品。雪の光景を「貴いこと」と詠んだ紀清人の歌をイメージしている。このほか、奥田元宋さんの「明日香川夕照」、柿本人麻呂の「かぎろひ」の歌をもとに描いた工藤甲人さんの「炎立つ」、田所浩さんの「三輪山」なども展示されている。
・・・片岡球子さんもいいですねえ。さらに、
《凜々会》於:あべのハルカス近鉄本店タワー館11階美術画廊
2016年8月24日(水)~30日(火)
http://abenoharukas.d-kintetsu.co.jp/
http://abenoharukas.d-kintetsu.co.jp/event/1/eventcalendar.html
日本を代表する洋画家・絹谷幸二さんと、独立美術協会に所属する大阪・奈良・兵庫出身の14名の作家によるグループ展です。各作家30号から小品まで3点づつの新作を展示いたします。ぜひご高覧ください。
【絹谷幸二】(1943~)
1943奈良県奈良市に生まれる。1966東京芸術大学絵画科油画卒業、大橋賞を受賞、第34回独立展、独立賞受賞(同67年)。1968同大学院修了、独立美術協会会員に推挙される。1971渡伊しヴェネツィア・アカデミア入学。アフレスコ画を研究(〜73年)。1974第17回安井賞受賞。1977昭和52年度文化庁派遣芸術家在外研修員として渡欧(〜78年)。1987第19回日本芸術大賞受賞。1989第30回毎日芸術賞受賞。1997長野冬季五輪公式ポスター原画制作。2001第57回日本芸術院賞受賞、日本芸術院会員に任命。2009絹谷幸二賞が毎日新聞社主催で創設される。2010東京藝術大学名誉教授に就任。2014文化功労者に顕彰される。2015第66回日本放送協会 放送文化賞受賞。
・・・そして現在、「奈良県大芸術祭」が開催されています。
《めざしたいのは「記憶」に残る「瞬間」をつくること》
2016年9月1日(木)~11月30日(水)
今年で3回目を迎える奈良県大芸術祭。回数を重ねるごとに、運営側や参加側に関わらず、関係するすべてのヒト・モノ・コトのエネルギーが増し続けている。「芸術は古代から続く人間の根源であり活力。自然への感謝や愛を、目に見える形で表現したものが芸術なのです。ですから、その魅力をメディアやSNSを通してではなく、行ってわかる、参加して感じる、わくわく感やおもしろさ、ライブ感を幅広い世代の人たちに感じてほしいですね。『奈良県大芸術祭』の楽しさや魅力を存分に味わってください」と、荒井知事の意気込みと期待も年々高まるばかり。「何かに参加したり、体験した記憶を“エピソード記憶”と呼ぶことをご存知でしょうか。わくわくした子供の頃の冒険の記憶をイメージしてください。その場の情景だけではなく、感情までも記憶されるエピソード記憶を作ることはとても大切。しかし、それが年々希薄になっているような気がしてならないのです。『奈良県大芸術祭』という多様な芸術や文化に触れる機会を通して、関わったすべての人が明日への活力となるような楽しいエピソード記憶を作っていただけることを願ってやみません」
・・・すでに2017年秋、奈良県において「第32回国民文化祭・なら2017」「第17回 全国障害者芸術・文化祭なら大会」の全国初★一体開催が決定しています。
《第32回国民文化祭・なら2017》《第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会》
https://nara-arts.com/shobunsai2017/
9~11月の3か月間にわたり、県内全39市町村でステージやアートイベント、シンポジウムなど、障害のある人とない人が一体となってイベントを盛り上げる。歴史と文化の豊かな蓄積を誇る日本文化の始まりの地・奈良のブランド力を世界に発信し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへとバトンをつなぐ!
●「テーマ」
日本文化の源流を探る~日本文化の源流を国際的つながりも視野に掘り起こす
文化の今を楽しむ~積み重なった今ある日本文化の厚み、深みを堪能する
文化芸術立国の礎を築く~文化の交流で地域に元気をつくる
障害のある人とない人の絆を強く~文化の力で新たな関係をつくる
●「公式ポスター」原画(芸術の女神)★絹谷幸二
・・・来年に向けて準備を着々と進行、奈良はとても元気です。