・・・これまで様々なテーマでプログを展開し、その中で「奈良」に関する情報も数多く採り上げてきました。今さらながらではありますが、テーマ別ではますます拡散・散漫になることから、「奈良」というテーマに集約することが得策だと思うに至りました。
【奈良】
日本国の★発祥とされる歴史的地名で、異表記として那羅・平城・寧楽などがあり、読みは全て「なら」です。平安京(京都)に都が遷った後は南都(なんと)とも呼ばれました。古くは大和と呼ばれ、また★平城京にも相当しました。
奈良の語源を巡っては諸説ありますが、特に有力視されているのは、★柳田国男さんによる説です。平(なら)した地の意で、緩傾斜地を指すとする。柳田さんが『地名の研究』において論じておられます。柳田さんによれば、東国では平(タヒラ)、九州南部ではハエと呼ばれる「山腹の傾斜の比較的緩やかなる」地形は、中国・四国ではナルと呼ばれているそうです。ナラス(動詞)、ナラシ(副詞)、ナルシ(形容詞)はその変化形です。実際にナルと呼ばれる地名は、「平」「阝+平」「坪」など、「平」を含んだ漢字が当てられており、「文字が語義を証明している」。また、因幡志(1795年)巻14の挿図には「平地」と書いて「ナルヂ」の振仮名があり、この地方では近代まで普通名詞として用いられていたとも柳田さんは推測されています。ナラ、ナロはその異種であり、実際、奈良はかつて★「平城」と書かれることもあった。この説は、日本国語大辞典、各種の地名辞典や郷土史本でも取上げられており、最も有力視されているようです。
《平城京》
奈良時代には、シルクロードの終着点として国際色豊かな天平文化が花開き、大伽藍が建ち並ぶ都として数々の貴重な文化財が創り出されました。国宝建造物数は日本★最多です。文学の面では古事記、日本書紀・万葉集・風土記など国内★最古の史書や歌集が編纂された。平安京への遷都以後も南都と称されて、日本の宗教・文化の歴史において大きな影響を与えました。現在は年間を通して新旧の行事で賑い、国際観光文化都市として国内外から多数の観光客が訪れます。2010年(平成22)には平城遷都★1300年記念事業が開催されました。
◆【古都祝奈良】◆時空を超えたアートの祭典
2016年9月3日~10月23日
http://culturecity-nara.com/kotohogunara/index.html
日本、中国、韓国の3か国で、文化による発展をめざす都市を各国1都市選定し、各都市が行うさまざまな文化プログラムを通して交流を深める国家プロジェクト「東アジア文化都市」。本年、日本は奈良市、中国は寧波市、韓国は済州特別自治道が選ばれました。この「東アジア文化都市2016奈良市」のコア期間プログラムとして「古都祝奈良(ことほぐなら)-時空を超えたアートの祭典」を開催します。奈良時代の都の中心地である平城宮跡、古都奈良を象徴する社寺や江戸後期からの伝統的なまちなみが残るならまち等を舞台に、「舞台芸術」、「美術」、「食」の3つの部門を中心に様々なプログラムを展開します。1300年前の歴史や文化が今に息づく奈良。アートを通して、往時から伝わる奈良の都の骨格を現代に浮かび上がらせます。
・・・9~10月は、いろいろと行きたい観たいこと・ものが豊富すぎて、「古都祝奈良」も数日を残すばかりとなってしまい、正直あわてました。とにかくこれだけは観ておきたい、というものにしぼって駆け足で奈良を巡りました。まずは、
★【蔡國強】(中国)“船をつくる”プロジェクト
東大寺「鏡池」奈良市雑司町406-1
2016年03月26日(土) ~ 2016年10月23日(日)
https://secure.culturecity-nara.com/event_info/sai/
かつて東アジアの海を航行した中国伝統の木製帆船を中国人船大工がつくりました。“船をつくる”プロジェクトは、2016 年3月26日の東アジア文化都市のオープニングに合わせて始まり、約3週間にわたって東大寺を訪れた人々に、東アジアの船が造られていく過程を公開しました。完成後の船は鏡池に浮かべ、「東アジア文化都市2016奈良市」のシンボルプロジェクトとして、コア期間である「古都祝奈良-時空を超えたアートの祭典」終了(10月23日)まで展示しています。船は、海を介して互いの文化が浸透し、影響し続けてきた東アジアの国々が共有する文化遺産であり、東アジア文化交流の象徴です。同時に、「東アジア文化都市2016 奈良市」のシンボルプロジェクトとなります。東大寺の鏡池を海と見立て、そこにこの船を浮かべ、東アジアの人々が同じ船に乗り、未来に向けた航海へと出発する-その姿は、東アジアが抱える諸問題解決を模索する東アジア文化都市事業の大きな目標と響き合うものです。国際的に開かれた奈良時代、その象徴的な存在である東大寺で、東アジアの未来を展望する、文化都市のシンボルプロジェクトを実施しています。<私たちは、この水域で、共に一つの船に乗って、もう一度帆走できるだろうか?>という問いを、このプロジェクトは提起しています。
★【サハンド・ヘサミヤン】(イラン)
興福寺「三重塔前」奈良市登大路町48
2016年9月3日(土) ~ 2016年10月23日(日)
https://secure.culturecity-nara.com/event_info/kohfukuji/
作家はイスラム美術の装飾的な要素と西洋的な構造的要素の融合を試みてきました。
2015年のヴェネチア・ビエンナーレでは花の蕾を思わせるオブジェを出品。興福寺ではインド、エジプト、イラン(ペルシャ)へ伝わり、日本へは仏教とともに中国から伝播した蓮をモチーフに制作します。
・・・チラシやポスターに誘われてやって来ましたが、実物はヤッパいいですねえ。まして立体造形は、様々な角度から鑑賞できるし、周囲の景色などと溶け合いながら楽しめます。それにしても、観光シーズンで古都「奈良」は人人人、次は「大安寺」へ移動します。