・・・以前「中之島のっと」で、新作能「水の輪」ジャンルミックスを観せていただきました。やなぎみわ氏制作の美術作品であるトレーラーを使用し、ポールダンス×クラッシック音楽×能楽の大阪ならでは新しい★屋外公演(大阪市新美術館建設予定地/大阪市北区中之島4)でした。
【新作能「水の輪】」
むかし、大阪を難波(なにわ)と呼んでいた頃のお話です。 僧(ワキ)が難波に向けて旅にでました。途中、山崎のあたりまでくると、川のほとりに、女の人(前シテ)の漕ぐ1隻の舟が現れました。僧は、自分が難波を目指していることを伝えて、その舟に乗せてもらうことにしました。舟の中で女の人は、昔の淀川の美しい様子をを話はじめますが、難波の近くまで来ると、次第にみるみる顔つきが変わり、水が汚れてしまったことを悲しみ、このような水辺にはいることができなくなったと言って、姿を消してしまいます。僧は女の人が実は水神の化身で、川の水が汚れてしまったことを訴えるために現れたことに気づき、川瀬の石を拾ってはお経の文字を書きつけて供養します。すると川がかつての美しい姿を取り戻し、龍神(ツレ)が現れ、きれいな流れの水の道を作ります。すると水神(後シテ)が現れて、水がきれいによみがえったことを喜びます。最後はみなで水のありがたさと、水によってもたらされる難波=大阪の繁栄をことほぐのでした。(作★山本章弘、監修:山折哲雄)
【山本章弘】
重要無形文化財総合指定、(財)山本能楽会理事長として、「とくい能」「上方伝統芸能ナイト」などの新事業を立ち上げ、あらゆる世代に向け新たな能の魅力を伝えるべく、積極的に普及活動を行っておられます。
■「山本能楽堂」
540-0025大阪市中央区徳井町1-3-6/06-6943-9454
大阪のオフィス街に佇む、杜の様な能楽堂です。先代山本博之が昭和2年に創立し、戦災で一度焼失しましたが、昭和25年に再建し約80年の歴史を持ち、平成18年に文化審議会により★国登録文化財の指定を受けました。扉を開けると周りの喧噪からは想像できない異次元空間が広がっており、初めて来られた方はその独特の雰囲気に皆様驚かれます。客席(見所)は、1、2階とも桟敷席の舞台で(一部椅子席)何か懐かしく落ち着いた気分になります。「こちらの舞台が一番好き」と仰って下さる方も大勢いらっしゃいます。鏡板(舞台後方の松の絵)は★松野奏風作で、老松を下から見上げる珍しい形です。舞台は長い年月の間に磨かれ黒光し、どっしりとした重量感があり、その中央に立つと先人達のぬくもりを肌で感じる事ができます。橋懸かりの欄干は西本願寺の北舞台を模し、弓状を描き舞台にやわらかさを添えています。二階には★茶室もありそこからみる能舞台の分厚い桧皮ぶきの屋根が舞台の重量感をより一層演出しています。また音響効果をよくするため、舞台下には大きな瓶が12個並べられています。現在新しく作られる舞台には瓶が埋められる事も少なく、今では珍しいものとなりました。
★「まっちゃまちサロン」
毎月第1月曜日に開催している、能を学んで頂く体験講座。能の歴史、能面について、謡の体験、能装束の着付け体験など、毎回盛りだくさんの内容で、能の魅力を多角的に解説させて頂いております。謡の体験は、外国人の方も気軽にご参加頂けるよう工夫を凝らしています。昼の部:14:00~15:30「お抹茶と生菓子付」毎回盛りだくさんの内容で、能の魅力を存分に体験いただけます。
・・・「お抹茶」までいただけるというので、悦び勇んで行ってまいりました。
・・・本当に丁寧にわかりやすく解説してくださり、少しは「能」が楽しめるようになってきました。かなりおすすめの、「まっちゃまちサロン」です。