紡績・赤煉瓦建築(46) | すくらんぶるアートヴィレッジ

すくらんぶるアートヴィレッジ

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

【明倫小学校】

http://www.kac.or.jp/meirin/

明治年(1869)に下京第三番組小学校として開校した明倫小学校は、平成1993に124年の歴史をもって閉校しました。


めいり1


明倫小学校―その名は、石門心学心学道場「明倫舎」を校舎にあてたことに由来します。占出山町・錦小路通りに面した正門がありましたが、明治年には山伏山町の土地を購入し、室町通りに面して正門を構えました。その後も手洗水町の土地などを購入し、昭和年に現在のような敷地となりました。現在ではこの頃の校舎の面影は残していませんが、錦小路通りには門の跡が残されています。古くより呉服問屋で栄え、釜師や画家も暮らした明倫学区。文化への関心、教育への熱意も強く、子どもたちへのあたたかい想いによって「明倫小学校」は育まれてきました。皆川泰蔵や木島桜谷、菊池契月の作品をはじめ様々な芸術品も、作者本人や明倫小学校の卒業生、町の方々らから寄贈されています。(これらの作品は現在、★「京都市学校歴史博物館に収蔵されています)


めいり2


EUGENE KANGAWA×PIERRE JEAN GILOUX

反転しながら接続されるパラレルワールド

2015年日(水)2015年10月18日(日)

これまでコンタクト・ゴンゾとステラーク堀尾貞治と冬木遼太郎など若手作家とベテラン作家が出会うことで現代美術が抱えている問題やアートが社会に対してできることを模索してきたNEW INCUBATION本展は出展するアーティストにとっても鑑賞者にとっても刺激に富んだ挑戦の場となることを目指しています第7回を迎える今回は、『パラレルワールド または私は如何にして世界を愛するようになったか』と題し、近年目覚ましい活躍を見せる作家EUGENE KANGAWAと、日本での活動を広げつつある映像作家PIERRE JEAN GILOUXを招きます。KANGAWAとGILOUXは個人の内面ではなく外的事象を制作の出発点とし異なる領域との協業やアートと社会のあいだの境界を越えた活動に積極的に関与してきましたしかし対象へのコミットメントの態度アーティストとしての主体性のあり方は対照的です冷静なまなざしで世界を捉え脚本あるいは設定のみをつくりだすような「最小限の介入」によって純度の高い作品を結実させるKANGAWA自らのつくりだすCGの虚構に幻惑されているかのようにイメージに対して「最大限の介入」を行い想像力とユーモアにあふれたヴィジョンをつくりだすGILOUX今回はそれぞれの視点から現代の風景を描き出した映像作品を展示します両者の映像作品からはそれぞれがどのように世界を見てどのように理解しどのように再構成したのかが浮かび上がってきます自然風景が現実以上の強度で切り取られ秩序正しく作り込まれたKANGAWAの映像はむしろフィクションに接近していっているように見えますその一方でGILOUXがデジタル画像処理によって再構築した虚構の都市は生物のように有機的に変容していく現実の都市の姿を神秘的に表現していますそれぞれの手法で制作された作品は互いに鋭いコントラストを成しながらも創作と実写が反転しながら接続される関係にあるように思えますまたいずれの映像もどこか予兆的で現代の世界に対するカウンターイメージとしても機能していますKANGAWAとGILOUXの作品に垣間見える二人の世界観のパラレルな関係本展の関連企画としてパラレルに開催される期間限定の”特別な”インスタレーションそして両作家の目を通して見る世界と私たちが体験する世界の並行関係本展では異なるレベルの「パラレルワールド」が重層的に繰り広げられますKANGAWAはTerry Rileyとの協働を行うほかアートの領域を拡張するその試みが海外からも注目を集めていますまたヴィラ九条山で滞在制作中のGILOUXはそのユニークな作風から世界各国で高い評価を得ています二人のハイクオリティーな映像作品をこの機会にどうぞご覧ください


めいり3


昭和年(1931)には、大改築を経て現在の校舎となりました。当時では最先端の鉄骨建築です。京都市営繕課によるデザインで、赤みを帯びたクリーム色の外壁と、スぺイン風屋根瓦のオレンジ色、雨樋の緑青色が、温かみのある雰囲気を醸し出しています。明倫学区には祇園祭の山鉾町の多くが含まれていることもあり、建物の正面は祇園祭の山鉾を模したといわれています。趣のある講堂や、格天井の見事な78畳の大広間、屋上に建つ和室などの特徴的な部屋の他にも、階段の手すりや外壁の装飾、丸窓など、そこかしこに見所があります。また、北館には荷運びや避難経路としても実用的なスロープが採用されています。京都芸術センター開設に伴う改修は、その姿をほぼそのまま残して実施されました。


めいり4


講堂・大広間・和室「明倫」、制作室として使用している教室などは、イべントで開放している際にしかご覧いただけませんが、図書室や喫茶スぺース、廊下を巡るだけでも、明倫小学校の雰囲気を充分に楽しんでいただけることでしょう。学区に暮らす方々が、長い年月大切に育ててこられたこの「明倫小学校」は、今も「京都芸術センター」として、たくさんの人々が学び、創造し、憩う場として開かれています。

石門心学

江戸時代に石田梅岩(1685~1744)が創始した庶民のための生活哲学です。石門とは石田梅岩の門流という意味です。陽明学を心学と呼ぶこともありそれと区別するため石門の文字を付けました。梅岩は儒教・仏教・神道に基づいた道徳を独自の形でそして町人にもわかりやすく日常に実践できる形で説きました。そのため「町人の哲学」とも呼ばれています。

めいり5


・・・保存そして活用に値する素晴らしい建物です。ここで学べた子どもたちは、幸せですね。再度、この施設を利用して有意義な「生涯学習」されることを願っております。