・・・奈良県には現代建築が少ないと思われがちですが、県庁・文化会館・美術館の3棟がなんと★同一設計者(片山光生)であり、優れた文化区域を形成し、まるで寺院の伽藍のように美しい景観となっています。
■1973「奈良県立美術館」設計:片山光生
630-8213奈良市登大路町10-6/0742-23-3968
http://www.pref.nara.jp/11842.htm
風俗史研究家・日本画家★吉川観方から寄贈された近世日本画、浮世絵、美術工芸品のコレクションを基礎に、1973年開館した。後に、同じく近世日本絵画や浮世絵などからなる★由良哲次のコレクション、奈良県出身の工芸家★富本憲吉の作品コレクション、具体美術協会の他、日本の戦後現代美術のコレクターであった大橋化学工業株式会社社長★大橋嘉一のコレクションを収集した。現在所蔵品は4,200点を超える。
【由良哲次】(1897~1979)
歴史哲学者、日本史家、美術史家、浮世絵蒐集家。横光利一★『旅愁』のモデル。1940年、日本大学芸術科教授に就任。国家主義哲学者としてナチス・ドイツに範を求め、日本固有の道徳思想に基づく民族教育の徹底を主張していたが、日本の敗戦により教職を辞し、1946年、東京都練馬区石神井の自宅に「富士書店」という出版社を設立。戦後は在野の研究者として古代中世の日本史と近世の日本美術史に関する論文を執筆した。葛飾北斎と東洲斎写楽★同一人説を主張。1976年、伊賀上野公園内に「横光利一青春の碑」を建立。利殖の道に明るく、奈良県「新沢千塚群集墳」保護のため奈良県に私財1億円を寄付した他、奈良県立「橿原考古学研究所」に3億円の寄付をおこない、「由良大和古代文化研究基金」を設置した。
【大橋化学工業株式会社】
567-0028茨木市畑田町6-21/072-625-2277
http://www.ohashi-chem.com/index.htm
創業者:大橋嘉一(1896~1978)が昭和3年、大橋式特許焼付漆を発明し、この製造の為当社の前身大橋焼付漆工業所を創立した。この発明は画期的なもので、昭和30年、日本百大発明の一つに選定されている。これにより工学博士の学位を受けた。昭和29年藍綬褒賞、昭和48年には勲四等旭日小綬賞を受く。また、稀代の美術愛好家でもあった故人は、投資としての収集を厳しく批判し、現代美術に深い理解と愛情を持って接し続けたコレクターとして、現在の美術界においても高く評価されている。故人が残した2000点ものコレクションは、没後、★国立国際美術館(大阪市)★奈良県立美術館および母校の★京都工芸繊維大学に分割寄贈された。
【NEWS】2015.9.15奈良新聞より
安堵の「旧富本憲吉記念館」体験型宿泊施設に
平成24年に閉館した安堵町東安堵の旧富本憲吉記念館が、宿泊施設として生まれ変わることが2015年9月14日、分かった。現施設を改修し、2016年7月をめどに体験型宿泊施設としてオープンする。地元の食材を使った料理の提供や地場産品を使ったブランド開発も検討しており、今後、詳細を詰めていく。同館は、町出身の陶芸家で第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)の富本憲吉(1886~1963)の生家を改修して和49年に開館。しかし、来館者の減少で平成24年に閉館した。その後、土地と建物は競売に出され、昨秋、公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ(奈良市)が取得していた。
【ソーシャル・サイエンス・ラボ】
631-0823奈良市西大寺国見町1-7-22/0742-49-0861
■1968「奈良県文化会館」設計:片山光生
630-8213奈良市登大路町6-2/0742-23-8921
http://www.pref.nara.jp/1717.htm
【NEWS】この道路は鹿優先です!ドライバーはご注意を・奈良公園周辺
奈良市の奈良公園周辺の「鹿ゾーン」の道路に、国の天然記念物の鹿を交通事故から守るためドライバーに注意喚起を促す路面標示が登場した。路面標示は、縦9メートル、幅2・5メートルの長方形に鹿の半身イラストと「注意」の文字をかいたデザインと、縦5メートル、幅2・5メートルのひし形に鹿のイラストを描いたデザインの2種類。県の色「蘇芳(すおう)色(黒みがかった赤色)」をベースとし、夜間に浮かび上がるように文字やイラストは白抜きにした。県は2014年3月末までに、路面標示を25カ所するほか、注意喚起の看板も10カ所、奈良公園周辺に設置していく。県の担当者は「ドライバーは“鹿優先”に協力してほしい」と呼びかけている。
1968年に完成、1999年に★磯崎新氏が設計した「なら100年会館」が出来るまで県内最大のホールであったが、1995年日建設計が担当したリニューアルの際も増築や高層化という道を選ばかった。1960年代には凡庸であった★コルビジェ風建築と和の融合した作品が最近取り壊しや建て替えといった憂き目にあう中、60年代の建築を間近で見ることが出来る貴重な作品となりつつある。また、開館から2005年3月までは奈良県立図書館が併設されていたが、奈良県立図書情報館の開設に伴い閉館した。
・・・ゆったりした空間で、ほっこりした展覧会(グループ展)が開催されており、のんびりした時間を過すことができます。お弁当を購入して、会館で昼食をとりました。