■植田家住宅/屋号を「鍵屋」といい、油を商っていたこともあって通称「あぶらや」とも呼ばれる。建物の様相から江戸時代末期の建築とされ、中規模で典型的な町家。敷地は間口7間強と広く、そのうち東3間は敷地を購入して増築したもの。主屋の表のすべての柱間にスリアゲ戸の溝痕跡があり、表構えはすべての間口がスリアゲ戸であった。
■岡本家(宇賀志屋)
■霜永家(内牧屋)
■森田家(諸木野屋)
◆【まちなみギャラリー「石景庵」】◆
633-2161奈良県宇陀市大宇陀上1994/0745-87-2022
http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/contents/contents.php?contents=0000002835
格子や虫籠窓(むしこまど)と裏庭の石垣を取り入れた建物で、平成16年にオープン。来訪者と地域の交流を深め、地域のコミュニティの活性を図るため、町出身の芸術家等の作品発表の場として提供されています。また、裏の中庭には施設名の由来になった石垣があります。きれいなトイレもあって、ゆっくりと休憩できます。
・・・「赤丸ポスト」を発見すると、元気が回復するから不思議です。
◆【大宇陀歴史文化館「薬の館」(旧細川家住宅)】◆0745-83-3988
江戸時代末期の建築で、町の歴史資料や藤沢薬品(現アステラス製薬)及び細川家ゆかりの資料を展示しています。銅板葺唐破風付き「天寿丸」の看板が目を引く、松山地区のシンボル。現在「薬の館」として町が管理し公開している。間口は8間半と広く、3列タイプの町家でザシキ列の屋根が一段高くなっている。北の2間半のザシキ列は増築である可能性があり、中央部を含む主体部は明治に入って大改造を行った。江戸時代末期の建築とされる。
◆「春日神社」
祭神、武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比び大神。本殿、拝殿、神饌所、門、社務所の施設が整い、石造灯籠新古を交え35基を奉建している。当社の旧祠宮と伝える佐々岡家には祭礼記など数通の古文書を蔵している。
◆史跡「宇陀・松山城」跡
南北朝時代、宇陀三将の一人として芳野氏、沢氏と共に宇陀一帯を治めていた秋山氏は、自らの居城として秋山城を築いた。桃山時代の天正13年(1585年)、豊臣秀吉の弟であり片腕でもあった豊臣秀長が大和国に入部すると、それまで大和国の領主であった筒井氏は伊勢へ転封となり、筒井氏の配下に付いていた秋山氏もまた宇陀を去って伊賀に移る。宇陀には多賀秀種など豊臣家配下の大名が入り、秋山城を大々的に改修して松山城と改めた。同時に麓の城下町も整備がなされ、この時に作られた町割が現在の町並みの骨格となった。それまで阿貴(あき)と呼ばれていた町名が、松山と改められたのもこの時だ。慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦い後は、東軍の福島高晴が松山へと入り、松山城をさらに改築している。ところが慶長20年(1615年)の大坂夏の陣において、高晴は豊臣方に内通していたとの疑いをかけられ改易。松山城は廃城となった。その後の松山は織田信長の次男である織田信雄が治め、松山は宇陀松山藩の中心地として発展する。
・・・むむむ、しんどい。
現在も宇陀川にかかる橋のたもとには枡形を伴う西口関門が現存するが、これは寛文11年(1671年)の新陣屋建設に伴い建てられたものとされる。大手門にあたるこの★西口関門、および城山の山上に残る★松山城跡は、城下町時代における松山の様相を伝える遺構であり、いずれも国の史跡に指定されている。江戸時代中期の元禄8年(1695年)、宇陀松山藩第四代藩主の織田信武の時代に財政の困窮が元で家臣が対立。信武は二人の重臣を殺害し、自らも自害した。このお家騒動により第五代藩主の織田信休は移封となり、宇陀松山藩は廃藩。その後の松山は幕府の直轄地、いわゆる天領となった。城下町ではなくなったものの、松山はその地の利を活かして物流の拠点を担い、大和からは米や塩などの日用物資、また吉野や伊勢などからは吉野葛や薬草、宇陀和紙、熊野灘の鯖などの特産品を供給する在郷の商家町として発展していく。明治維新後も松山は周囲の拠点としてあり続け、昭和40年代頃までは商店や旅館が軒を連ねていたという。松山の町屋は、桟瓦葺の切妻造で平入、二階の立ちが低い厨子(つし)二階建て、もしくは中二階建てのものが多い。外壁は漆喰で塗り込めるのが基本で、その種類は白漆喰、黒漆喰、浅黄漆喰と様々だ。一階の建具は、元は柱に切った溝に板戸を落とし込むズリアゲ戸だったが、明治以降は格子に変えられた。それらの格子は京風の細い千本格子とやや太目の台格子がバランス良く組まれており、松山の町並みにおける特徴の一つとなっている。二階には虫籠窓が設けられているが、その形状は家によって異なり多種多様だ。中には卯建(うだつ)を備える家もある。それらの町家の前には「前川」と呼ばれる水路が流れ、そのせせらぎが町並みに豊かな表情を加えている。