続大学ミュージアム(13) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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【参考】交野市には、私部(きさべ)、私市(きさいち)という変わった地名がある。どちらも非常に古い地名で、その歴史と成り立ちは敏達天皇のころである。豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)が皇后になってから、皇后領として皇后のための部曲(かきべ)として私部(きさきべ)であった。その後、大化改新を機に律令体制へと進み、天野川筋の農耕地は条里制の施行とともに交野の村人は班田農民となっていく。そうなると私市は条里の始まりから天野川筋の中心的集落となって、私部内(きさいべのうち)となっていった。その後、班田制の崩壊とともに新たに荘園が生まれ、発展していく。交野でも三宅山(私部山、寺、森、私市、星田山一帯)が石清水八幡宮に寄進され、広大な荘園ができる。また、荒地が開墾されて墾田となり、田畑が増加すれば生産も増え、人口も増大する。物資の交流も盛んとなる。私市は、大和と結ばれる磐船街道筋であり、山ろくの村としての市場町ともなりえた。中世以後は、交野東高野街道や山根街道などの発達から、中心は天野川の中、下流域へと移っていき、私市は、かっての繁栄は失っていったと思われる。ただ磐船神社や獅子窟寺といった信仰から、お参りする人の往来、熊野参り、奈良への通行者等で人の往来は、とだえることはなかったであろう。

・・・いい気分で「植物園」を散策し、ゲートを出て周囲の景色を見回しますと、



かたの1


天野川と尺治川の合流点

合流点付近の土手は、階段やベンチ整備された私市水辺プラザと言いう小さな公園となっていて、その一角には天野川砂防堰堤という構造物がある。これは大阪府における登録有形文化財の一つで、明治時代につくられた府内最古の砂防施設。現在でもしっかりとその役割を果たしている。


天野川水辺プラザ整備事業/完成:平成18年度(H19.6.1供用開始)

交野市大字私市から交野市私市9丁目

http://www.pref.osaka.lg.jp/hirado/shisakujigyo/jigyo_17.html

一級河川天野川の当区間(日の出橋から八幡橋)約430mには、豊かな自然環境が残され、多種の動植物が生息しています。また大阪市立大学理学部植物園や交野市立スポーツレクリェーションセンター、府民の森・ほしだ園地のほか歴史的価値の高い砂防えん堤など、訪れた人々にやすらぎを与えてくれる施設や歴史的価値のある施設が川に沿って数多くあります。天野川水辺プラザ整備事業は、こうした自然環境を保全するとともに、川沿いにある交流拠点と連携し、地域交流の拠点にふさわしい水辺空間を創造することを目的とします。大阪府枚方土木事務所573-0027枚方市大垣内町2丁目15-1072-844-1331


かたの2


★1897頃「天野川砂防堰堤」/登録年月日:20030131

淀川水系天野川に建設された砂防堰堤。川の狭窄部を利用して築かれた間知石谷積の石造建造物。下流側に向けて7.1mから9.6mに広がる水通し部が法勾配3割5分で築かれる。緩やかに落ちる白濁流と広い石積堤体がなす景観が,市民に広く親しまれている。

18681911尺治川砂防堰堤」/登録年月日:20030131

天野川右支尺治川が天野川と合流する地点にある。堤長9.2m,堤高2.2mの規模を有し石1つ分の水通高をつけた堤体を布積で築く。下流側に約19m長の石張水叩部と両側護岸を設けコ字形平面とし,壁面全体に約1m高の段をつける特異な構造形式を有す。

18681911尺治川床固工」/登録年月日:20030131

尺治川砂防堰堤の上流側約400m地点の急傾斜地の谷筋に位置する。幅9.5mの上流部水通し部から下流部まで凹型曲面状の縦断面を有し,側壁を含めた横断面も凹曲面状に築く。地形に合わせ,多様な構造形式が駆使された天野川砂防施設の好例。


かたの3



かたの4


【天野川】奈良県生駒市と大阪府四條畷市の境の生駒山地に発し、府県境を成して山間の小盆地を流れる。その後山間に峡谷を刻み、交野ケ原に出て、枚方で淀川下流部左岸に注ぐ。一級河川の起点は大阪府四条畷市上田原・奈良県生駒市南田原町。全長約14km。古表記「甘野川」。交野市では低い丘陵を縫って北西流する。平地に出てまもなく天井川となり、高い堤が続く。流域は物部氏にゆかりがあり、古くから耕作が行われた。桓武帝が星祭りを行った壇は交野にあり、百済からの帰化人が住み着いたことと併せ周囲に七夕伝説を多く残している。また、交野ヶ原の情景は多くの歌人たちによって詠まれ、その風光を愛された。

尺治川大阪府交野市を流れる、天野川に注ぐ川。交野市南西部・私部(きさべ)の府民の森・くろんど園地の生駒山系北部の山地に発し北西流、私市地区を貫流し、京阪電鉄交野線私市駅の西方・交野市私市7丁目と9丁目の境大阪市立大付属植物園の北で天野川上流部右岸に注ぐ。一級河川の起点は交野市私部。◎源流部・私市地区に「月の輪の滝」。岩間より下る直瀑。源流部の尺治谷は弘法大師ゆかりの修験場。


・・・久々に、威厳のある「カエル」様に出会いました。


かたの5


磐船神社

576-0033交野市私市9-19-1072-891-2125

http://www.osk.3web.ne.jp/~iw082125/index-j.html

現在も残る旧河道と道路。ここは物部氏の遠祖神天孫饒速日命を祀る神社で、高さ長さ共に約12mもある巨石「天の磐船」を御神体とする。社務所で借りられる行衣を着用した上で、巨石の間を巡る「岩窟めぐり」ができる。拝観料は大人ひとり500円。狭い石組みの下をくぐることで、再生を期せるという。川もこの巨石の間に入ってゆき、中には小さな滝もある。トンネルが完成する前は急所で、氾濫時は社殿・宝物などの流失が続いた。


かたの6


天野川トンネルと新磐船トンネル

磐船神社を過ぎると間もなく、天野川トンネルが見えてくる。山の中をトンネルが貫いていて、川の水はその中へと導かれてゆく。治水対策としてこの工事が行われ、1997年に完成。川の沿う国道も同じように新磐船トンネルに入る。二つが同時にトンネルに入るという、稀な光景。その手前には大きな堰が設けられ、大量の水が湛えられている。


・・・素晴らしい景観を満喫できて、「私市」まで来てよかった。