忘れていた京都(1) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・忘れていたというより、時機を逸した(先月の)報告になります。訪問したいと思っていた住友のミュージアムで、道をはさんで向かい側には「史料館」もあります。


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◆【泉屋博古館】◆

606-8431京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24075-771-6411

住友家が蒐集した美術品を保存・展示する美術館です。北は銀閣寺、南は南禅寺のちょうど中間あたりの立地で、また哲学の道からひとすじ西へおりた通りが美術館のある鹿ヶ谷通です。住友家の美術品といえば中国古代の青銅器、鏡鑑がもっとも有名で、このコレクションは常設展示となっています。そのほかの絵画、書跡や茶道具、仏教美術品などの作品は企画展で順次公開しています。


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秋季展「屏風で楽しむ京・名・物」

2014年10月25日(土)~ 12月7日(日)

古来人々を魅了し続けてきた京都。ことに交通の発達した江戸時代には、多くの旅人が訪れました。観光都市、京都のはじまりです。人々が目指したのは四季折々の風光、数多の名所旧跡、そして美術工芸から芸能、食におよぶ香り高い文化でした。それらはまた絵画の格好の題材ともなりました。本展では「京名物」をキーワードとして、画家が腕をふるった屏風や絵巻をそぞろ眺めてまいります。今回、そのガイド役をつとめるのが《二条城行幸図屏風》。江戸時代初期、寛永三年(一六二六)に挙行された後水尾天皇の二条城行幸を描くこの作品は、行列の貴人の盛装もさることながら、沿道を埋める観衆の自由な見物スタイルが際立った一級の風俗画です。最新モードの男女、豪華な見物席のしつらえ、宴席と見まがう繊細な料理...いわば京名物のエッセンスがつまったこの名品を、高精細スキャナーによる拡大画像を援用してご紹介します。これらを手がかりに、描かれた京名物めぐりがはじまります。さあみなさま、この秋、屏風絵の世界へと物見遊山に繰り出そうではありませんか。


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●常設展「中国青銅器の時代」

中国古代において、青銅器は単なる実用品ではなく、祀りや儀式に用いられました。そこで用いられた青銅器は、大切に扱われ、祀りの道具としてだけではなく、次第に権威を象徴するものと考えられるようになりました。


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・・・コレクションのグレードの高さに度肝を抜かれました。さすが「銅」の本家だけのことはあります。


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青銅器には、食べ物を調理しお供えする食器、お酒をお供えする酒器、音楽を演奏する楽器などがありますが、それらは、祀りの器であるがために、実用性を無視した造形をとるものも見られます。また表面を飾る文様も、動物をモチーフとして驚くほどヴァラエティ豊かにデザインされ、華麗で且つ精密に表現されています。さらに、青銅器には文字を入れたものが多く見られます。そこに記された文字は、現在の漢字の原形となったものですが、その内容はさまざまです。なかには当時の政治社会状況にふれたものもあり、貴重な歴史資料となっているものも少なくありません。

このような青銅器の造形・文様・文字は、千年以上の長い期間のなかで、少しずつ変化していきました。展示では、青銅器のうつりかわりを4室に分けてご紹介いたします。


・・・こんなに真剣に「青銅器」を鑑賞したのは初めてです。さらに、その展示室の配置というか緩やかな順路の流れには脱帽です。さすが「住友」さんです。