◆平野郷屋敷◆
547-0004大阪府大阪市平野区加美鞍作1-3-19/06-6796-0728
昔の庄屋を改装した店舗で、「くらしの博物館」が併設されています。
「屋敷」業態の最初は、1990(平成2)年にオープンした「平野郷屋敷」ですが、「屋敷」業態の話の前にしなければならないのが、もともと、なんば、梅田や三条など「がんこ」の内装に解体された日本の民家の物を使用していたことです。当時、プレハブなど新建材を用いた住宅に替わってきました。旧来の日本家屋は夏も冬もしのぎやすいなど日本の気候、風土にあったものでした。家を支える柱なんてそれは立派な物が使われていました。それがどんどん壊されていく様を見て、がんこは日本の食文化だけではなく、生活文化も守っていく必要があるのではという考えを持ちました。「昔の家はこういう物を使っていたのか、こういうつくりをしていたのか」ということをお客様に知っていただきたいということで、壊された古い民家の柱や梁だけではなく、障子や襖といった建具までお店の内装材として使うようになったのです。例えば梅田OS店は大黒柱から梁組みなど旧民家2軒分の建材を使用し、一切新建材を使っていないのです。
それだけではなく旧商家をモチーフに客間や蔵、旦那の部屋などをつくることにより旧来の家のつくりをお客様に知っていただけるように工夫しました。この様な中で、平野の豪商辻本家が江戸時代初期に建築したといわれる屋敷を取り壊してマンションを建築するという計画がありました。しかし歴史的な建造物ですからご当主はかなり悩まれて、何とか残したいという話がたまたま当社にきたのです。このまま行ったら日本の素晴らしい木の建築文化が無くなってしまいます。何とか日本の文化を守りたいということと、「屋敷」の中でお食事をしていただくことによりお客様にはご馳走感を感じていただける、「美味しくて安くて、そして楽しい」の楽しい“場”のご提供ができるということで、ここをそのままの形(厨房は防火区画に改造)でお店として使わせていただくことにしました。
「がんこ高瀬川二条苑」は、森鴎外の高瀬舟で有名な高瀬川源流庭苑、戦国時代の豪商角倉了以の別邸で、明治時代には元勲・山県有朋の別荘「第二無鄰菴」であったところを使っています。人と建物が相互作用で作り出す“たたずまい”、建物と庭が融合して生まれる自然との一体感を美味しくリーズナブルなお値段で食べられる料理とともに楽しんでいただきたいですね。
★旧辻元家住宅
平野郷鞍作(現大阪府大阪市平野区鞍作)の豪農辻元家の本宅として江戸時代初期に建設された近世和風建築である。通称は平野郷屋敷。約1100坪の敷地に、主屋をはじめ長屋門、蔵5棟、茶室が建っており、床面積合計は約804坪に及ぶ。敷地の多くを占める日本庭園は、大阪万博の日本庭園を手がけた木戸雅光による作庭である。1990年からレストラン「がんこ平野郷屋敷」の施設となり、また1993年からは「平野町ぐるみ博物館」を構成する施設となって、屋敷内に「くらしの博物館」が設けられた。
◆【くらしの博物館】◆
主展示室である衣装蔵のほか、屋敷内のいたる所に、辻元家が所有していた絵画、茶器などを展示公開している。
●主な所蔵品/兆殿司『飛鯉之図』、伊藤若冲『水鳥』、白川芝山学『雪中梅花之図』、松村景文『えび・かに之図』、大徳寺歴代官長の茶軸作品など
・・・この「平野郷屋敷」は、亡き父とみんなでお正月を祝った最後の場所でもあり、これからも大切にしていきたいお店でもあります。
・・・大阪万博の日本庭園を手がけた木戸雅光さんの「お庭」だということなんですが、そう言えば万博庭園に入ったことがありません。