・・・まずは、心斎橋「そごう」のスピリットを伝承する、昭和10(1935)年当時の彫像「飛躍(藤川勇造作)」が見たくて、「屋上庭園」まで駆け上がりました。
・・・幸せな気分でゆっくりと「屋上庭園」を楽しみ、どこかに「そごう」の名残はないかと探しました。
★「そごう」のロゴマーク
「まるにちきり」または「まるちきり」と呼ばれています。「ちきり」は縦糸を巻く織機の付属具で、当初そごうが呉服店(十合呉服店)であったころ、織機にちなんでマークとして使ったものです。また「ちきり」は石材や木材などをつなぐときに用いる堅木の「千切り」に通じ、堅く結びつくことも表わしてます。さらに「まるちきり」は「五」の文字を図案化したもので「りゅうご」とも言われ、形がエンドレスなところが目出たい意味も持ってます。なお、マークの規格は、直径の9分の1をもって、円の太さ(外円および内部)が定められています。
・・・大阪府花とみどりの街づくりモデル事業(平成17年8月)のプレートに「株式会社そごう」と刻まれていました。まるで、街道巡りで「標石」を見つけたような感動がありました。
・・・小さい頃、百貨店の屋上と言えば「遊園地」でした。今は、街をながめて思いをはせる、楽しいひと時です。もちろんハルカスも見えます。まだ展望台にはあがっていませんが、何もあわてることはないでしょう。
★堀木エリ子(1962京都生まれ~)
12階~14階「吹き抜け部」アートワーク(2005)
フレームごと漉き込む特殊な手法を用い、屋外の花や緑を背景に「舞い上がる蝶」をモチーフに制作されています。階下の12階から真上に見上げた姿は「生まれた生命」を表しています。
※株式会社「堀木エリ子&アソシエイツ」代表取締役
「建築空間に生きる和紙造形の創造」をテーマに、2700×2100mmを基本サイズとしたオリジナル和紙を制作。和紙インテリアアートの企画・制作から施工までを手掛ける。
※堀木エリ子&アソシエイツ・ショールーム(予約制)
604-8181京都市中京区御池通高倉西入綿屋町525吉忠ビル4F/075-211-3336
・・・堀木さんの作品も健在です。和紙の素晴らしさを再認識しました。
店内のエレベーター扉は島野三秋の漆螺鈿装飾が配され、貴賓室扉が奥村霞城の蒔絵、鶴丸梅吉の天井モザイク、ウィーン工房出身の上野リチの天井ガラスなど、館内至るところに和を意識した匠の作品が輝いていました。
★フェリース・リックス(上野リチ)(1893~1967)
ウィーンに生まれ、工芸学校でヨーゼフ・ホフマンに師事する。ウィーン工房に参加し、留学していた上野伊三郎と結婚。夫婦共に京都に移り、建築事務所で働きながら工芸品制作も行う。後年京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で教鞭をとり、京都インターナショナルデザイン研究所を伊三郎と設立、多くの学生を育てた。
【参考】上野伊三郎+リチ コレクション展「ウィーンから京都へ、建築から工芸へ」京都国立近代美術館/2009年1月6日(火)~2月8日(日)
【参考】開館50周年記念特別展「交差する表現」工芸/デザイン/総合芸術
2013年3月16日(土)~5月6日(月)
・・・残念ながら、どちらの展覧会にも行けてません。せめて「旧そごう」にある「上野リチ」さんを探したいと思います。