トノサマガエル調査(7)
◆鳥取砂丘のカエル
689-0105鳥取市福部町湯山2164-661(財団法人自然公園財団鳥取支部内)鳥取県生活環境部砂丘事務所/0857-22-0581
●2014.06.05
鳥取県の鳥取砂丘の真ん中に、トノサマガエルが現れた。トノサマガエルは10年ほど前から毎年のように姿を見せているという。オタマジャクシは約1週間でカエルになるが鳥取砂丘では夏には水がなくなったりするためオタマジャクシがカエルに成長する姿が一度も確認されていない。鳥取砂丘レンジャーの谷村勝さんは、鳥がエサを落としてしまった。ぴょんぴょんとはねてきたなどという説があるが、広島大学・三浦郁夫准教授は大雨の日にカエルが流されてきたのではないかと話した。今のところ鳥取砂丘のトノサマガエルの出現はなぞに包まれているが、今年は鳥取砂丘の長さ70メートルの川でカエルが産卵している。鳥取砂丘レンジャーは、今回は鳥取砂丘のど根性ガエルくんが増えるのではと期待していた。鳥取砂丘にトノサマガエルがどのようにやってきたのかというのはまだわかっていないが、実は住み着いている説などもある。元村有希子はある年のカエルと次の年のカエルのDNAを早く調べてほしいと話した。世界にはジョアゼイロツノガエルや、カメガエル、ソバージュネコメガエルなど様々なカエルが存在する。
●2013.06.30
6月最後の日曜日、あるものが届けられた。見ての通り、カエルのミイラだ。(頭からおしりまで約3.5㎝)オアシスのカエルが干からびてしまったものと思われるが、このミイラが発見されたのはオアシスから離れた砂丘東側とのこと。どうして砂丘東側にいたのか、謎である。
【推理その①】オアシスから水を求めてド根性で移動した→平坦ではない砂地を200m以上も移動できるのだろうか。
【推理その②】もともとオアシスではなく、砂丘東側の林にいた?→東側の林でカエルを見たことはないもしカエルがいたとしても、なぜ砂丘に出てくるのか?
【推理その③】鳥がくちばしにくわえたカエルを東側で落とした?→発見されたミイラに目立った傷はなく、とてもきれいな状態。
ちなみに、届けられたカエル・ミイラは3体目である。(一昨年から毎年1体ずつ発見されている)いまにも動き出しそうな3体のミイラたち。パークサービスセンターにて展示中。エジプトのミイラ展に規模は負けるが、結構インパクト大である。お見逃しなく。
●2013.06
「鳥取砂丘新聞」2013年6月上旬号創刊のお知らせ
鳥取砂丘ジオパークセンターから活動状況や砂丘の状況をお伝えする砂丘新聞が創刊されました。6月上旬号では今年も登場した砂丘の2匹のカエルについて、6月15日の鳥取砂丘ジオパークセンター入館者30万人達成の様子など紹介しています。その他に鳥取市内の小学校による「鳥取砂丘宿泊研修」、熱中症対策についてや旬の話『ハマボウフウ』が写真付きで掲載されています。今月から上旬号と下旬号の月2回の発行を目指してネタ集めを頑張っておられます。次回の発行をお楽しみに。
※鳥取砂丘ジオパークセンタ-
〒689-0105鳥取市福部町湯山2164-661/0857-22-0021
●2011.06.25
話題の「鳥取砂丘のカエル」情報ですが、砂丘の中にある、通称オアシスで6月25日には「アマガエルのおたまじゃくし」が発見されました。「おたまじゃくし」の天敵は、砂丘周辺のカラスやトビなどの鳥類です。それからオアシスの水中にいる、ゲンゴロウなどの肉食水生昆虫からも捕食されるそうです。・・という事でとても厳しい環境条件を克服しながら、現在も頑張って成長しています・・ちなみに昨日はオアシスで「カラス」が水浴びしてました。アマガエルは「雨蛙」の名前のとおり、雨が降りそうになると繁殖期でなくても昼間でも鳴くのが特徴だそうです。昨日の砂丘は午後3時半位から雨が降りましたが、やはり鳴き声が聞こえました。砂丘の中の貴重な天気予報士?・・がたくさん誕生してくれるのを期待しています。
●2009.06.23
トノサマガエルを発見。鳥取砂丘のオアシスでカエル又はオタマジャクシが発見されたという情報は数年前からあります。通年6月頃に見つかるようです。私も毎日のようにそこへ足を運んできましたが、姿・鳴き声さえきいたことがありませんでした。今年は空梅雨でオアシスの水が枯れてしまい、とても生物が住めるような環境ではないと思っていました。ところが昨日の大雨で一夜にしてオアシスが出現するとともに、なんとカエルも出現したのです。それも一匹だけではありません。なんと6匹もです。ゲロゲロと大合唱までしていました。カエルはどこにでもいて決して珍しい生き物ではありません。しかしながら砂丘のオアシスにいるということが非常に不思議なことのように思えます。まずどこで生まれ育ったのか謎です。これまでオアシスでオタマジャクシを見たことがありませんし、水温が30度に達する日があったのでとても生育環境として適していないように思えます。別の場所で育ったカエルがはるばる飛跳ねてやってきたのでしょうか?それとも昨今話題の空からカエルが降ってきた説・・・実に謎めいています。しばらく観察していると交尾をしているカエルがいました。そして卵まで発見しました。一夜にして産卵したのでしょうか?これまた謎です。カエルの種類を鳥取県立博物館の学芸員さんに聞いたところトノサマガエルということでした。今日ほどカエルに熱中したのは初めてです。今後は卵が孵化するか注目していきます。
※オアシスについて
鳥取県の年間降水量は2000ミリを越しますが、鳥取砂丘内が水溜りになることはありません。なぜなら砂は透水性がよく、降った雨はすぐに地下に浸透してしまうからです。しかし透水性の悪い火山灰層や(写真1)、水を通さない基盤の岩石の不透水層には地下水として貯蓄されます。唯一大きな水溜りが出来るところがあります。馬の背南側斜面下にあるオアシスと呼ばれるものです。それは地下水が湧出してできるといわれています。降水量が多いときは水深が1mを超えることがありプールのようになりますし、降水量が少ないときは枯れてしまい消滅してしまいます。海、他の川につながっているわけではなく自然に消えていくものです。尻無川とも呼ばれます。今年の4月には大きなオアシス(ができていましたが、5月中旬から6月下旬は降水量が少なかったためオアシスは縮小しついにオアシスは無くなってしまいました。ところが昨日の大雨で一夜にして大きなオアシスが出現しました。そしてそこに蛙が出現しました。
●2008.07.03
「オアシス」にオタマジャクシ、鳥取砂丘の水たまりで発見。鳥取砂丘(鳥取市)の通称「オアシス」で、オタマジャクシとカエルの卵がこのほど見つかった。10数年、砂丘の管理をしてきた自然公園財団鳥取支部の音田研二郎さん(55)は「カエルは以前からいたのでオタマジャクシもいるのではと思っていたが、見たのは初めて」と“新発見”に驚いている。広島大大学院両生類研究施設によると、ツチガエルかヌマガエルだろうという。オアシスは、砂丘中央部にある水たまり。大雨の後は小学校のプールほどにもなるが、夏場には乾燥して消滅してしまう。オアシスではこれまで、トノサマガエルやアマガエルなど何種類かのカエルが見つかっていた。しかし、どこで生まれ育っているのかは分かっておらず、「誰かが放している」「鳥が運んでくる」とさまざまな説があった。今回の発見でこの謎が解けたわけではないが、音田さんは「謎は謎のままの方が面白い」と話している。鳥取砂丘ど真ん中のオアシスに「ど根性ガエル」!毎年どこからやってくるの?鳥取の砂丘といえば、植田正治の写真だ。見渡す限りの砂丘と海と空……。のはずが、なんと砂丘のど真ん中でトノサマガエルが生息していた。通称オアシスという水たまりがあるのだが、夏には干上がってしまう。それでも、なぜか毎年現れる。ちょっとしたミステリーだ。卵も産んで泳ぎ回るオタマジャクシ。見かけるようになったのは10年ほど前からだという。オアシスは砂丘の地下にある火山灰層が露出した凹みに雨水などかたまってできると考えられている。普通は秋から春にかけて出現するが、8月ころには水量が減って、年によっては完全に消えてしまう。いまの時期は水もたっぷりで、ヨシのような水草も生えるなか、カエルは気持ち良さそうに泳いでいる。卵も産み、オタマジャクシも見かけるのだが、それがカエルになったところを見た人はいない。そこでさまざまに推測する。鳥がエサとしてくわえていたカエルを落としていった。地下水路があるのか。砂丘の外から歩いて来るには300メートルもの大冒険になる。専門家は「トノサマガエルはあまり移動しません。生まれたところで育って繁殖するから、大雨ででも流されてきたか」という。砂丘では干からびてミイラになったカエルが毎年のように見つかってはいる。鳥取砂丘レンジャーは「ど根性ガエル」と呼んでいる。「根性がなきゃ生きていけないからね」と笑う。
※植田正治
1913年鳥取県西伯郡境町に生まれ、日本よりも世界で最初に認められた写真家。2000年7月4日、死去。享年87歳。