・・・今日もいい天気で「内宮」へ。
◆内宮
516-0023三重県伊勢市宇治館町1/0596-24-1111
皇大神宮は通称「内宮」とも申し上げ、神路山・島路山を源とする五十鈴川の川上に鎮座しています。ご祭神は、天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)。このご神名はお祭りに際して神前で畏まって称え申し上げる最高のご名称で常には皇大御神や天照大御神と申し上げています。
わが国最初の正史『日本書紀』の伝えによりますと、皇大御神は光華明彩しく、六合の内に照り徹らせり、と称えられ、皇孫・天津彦彦火瓊瓊杵尊を高天原からこの国に降されますときにあたって、尊の御位と地上の永遠を祝福して豊葦原の千五百秋の瑞穂国は、是れ吾が子孫の王たるべき地(なり。宜しく爾皇孫、就きて治せ。行矣。宝祚のさかえまさんこと、まさに天壌と窮りなかるべし。とお言葉を与えられました。また、天と地の続く限り、瑞穂の国が栄え行くために、皇大御神は高天原でご自身がおつくりになられている田の「稲の種」を手渡されました。米をつくる暮らしが、この国の繁栄と平和をもたらすとお教えになられたのです。国の内に隈なく光が照り徹ると称えられる皇大御神の御神体は、八咫鏡で、八坂瓊勾玉と草薙剣を加えて三種の神器と呼ばれます。この御鏡を代々宮中で天皇ご自身がお祭りされていましたが、崇神天皇の御代に皇居の外、大和の笠縫邑に神籬を立ててお祭りすることになりました。神籬とは榊のような常緑樹で囲われた神聖なお祭りの場を意味します。そこでは、天皇にお代わりして、豊鍬入姫命が皇大御神をお祭りされていましたが、垂仁天皇の御代に至って、倭姫命が新たに皇大御神をお祭り申し上げるにふさわしい地を求められることになりました。倭姫命は大和の国を始め伊賀、近江、美濃の諸国を巡られましたのち、伊勢の国の度会の地、宇治の五十鈴川の川上に到られ、皇大御神のお教えのままに「祠」をたててお祭り申し上げることになりました。今からおよそ2000年前のことです。祠は社とも書き、家や屋の代という意味で、大きなお祭りに際してそのつど新たにたてられる建物のことです。神籬や祠のように臨時にたてられる建物が、神の宮(神の宮殿)、つまり神宮と呼ばれるほどに大きな規模になったのは、天武(てんむ)天皇から持統天皇の御代にかけてのことです。
20年に1度の大祭、神宮式年遷宮もこの時代に始まりました。内宮の宮域は、5,500ヘクタールの広さで、大別して神域と宮域林とに区分され、さらに宮域林を第一宮域林、第二宮域林に分けています。神域とは内宮のご社殿を中心とした付近およそ93ヘクタールの区域で、ご鎮座以来まったく斧を入れることのなかった禁伐林です。参道に立ち並ぶ鉾杉(ほこすぎ)は神域の森厳さを保ち、またモミ、マツ、ヒノキ、カシ、シイ、クス、サカキなどが繁り、暖帯北部の代表的な林相をなしています。第一宮域林は、神域の周辺並びに宇治橋付近、それに市内から遠望される地帯1,000ヘクタール余の区域で、大部分が天然林で、天然スギを主として、シイ、カシ、サカキ等の林をなし、神宮の風致上、大切な区域で、風致の改良、樹木の育生に必要な場合以外は、伐採(ばっさい)しないことになっています。第二宮域林は、第一宮域林以外の4.400ヘクタール余の区域で、五十鈴川水源の保持並びに宮域の風致の増進を目的とするとともに、ご造営用材の備林としてのヒノキの植樹が計画的に実施されています。神宮では、斯界の権威者に委嘱して、神宮境内地・自然保護委員会が組織され、神宮の太古のままの大自然をそのままに守っていこうと努力しているのです。
◆荒祭宮
内宮に所属する10別宮のうち、第一に位しています。殿舎の規模も他の別宮よりも大きく、行二丈一尺二寸、妻一丈四尺、高さ一丈四尺八寸あり、第一別宮として正宮につぐものです。ご祭神は、天照坐皇大御神の荒御魂。神様の御魂のおだやかなおすがたを、「和御魂(にぎみたま)」と申し上げるのに対して、時にのぞんで、格別に顕著なご神威をあらわされる御魂のおはたらきを、「荒御魂」とたたえます。延暦23年(804)撰進の『皇太神宮儀式帳』に、「荒祭宮一院大神宮の北にあり、相去ること二十四丈神宮の荒御魂宮と称う」とあり、延長5年(927)成立の『延喜式』に「荒祭宮一座大神の荒魂」とも見えます。お祭りにつきましては、正宮に準じる第一別宮として特別丁重に行われています。祈年祭・神嘗祭・新嘗祭の奉幣の儀も、正宮にひきつづき、同日に勅使、大宮司、少宮司以下神職がただちに参向して幣帛がたてまつられます。又、神饌の種類や数量も正宮とほとんど同一のものが供せられます。大祭中の大祭、式年遷宮も、古くから正宮に準じて執り行われています。応仁の乱のころ、長く中絶の止むなきに至った時代もありましたが、寛永八年(1631)には再び式年御造替の制が復興され現在に至っています。また、古くからの大祭、神御衣祭が行われるのは、内宮正宮と荒祭宮のみであることからも、この宮の特別な神位がうかがわれます。
◆風日祈宮
風の神をまつる別宮です。鎌倉時代の2度に亘る元冦の時、神風を起こして日本を守ったといわれる神です。
◆神宮司庁
516-0023三重県伊勢市宇治館町1/0596-24-1111