・・・西宮市です。
◆【西宮市大谷記念美術館】◆
662-0952兵庫県西宮市中浜町4-38/0798-33-0164
公益財団法人西宮市大谷記念美術館は、西宮市が故大谷竹次郎氏(元昭和電極社長・現社名SECカーボン(株))より、土地建物、美術作品の寄贈を受け、そのコレクションを広く一般に公開するため、1972(昭和47)年11月に開館した美術館です。日本近代洋画、近代日本画、フランス近代絵画を中心とした当初のコレクションに加えて、阪神間を中心とする地元作家や版画の蒐集にもつとめ、現在では1000点以上の館蔵品を収蔵しています。日本の近代美術史に関わる展覧会をはじめとして、近年ますます人気を集める絵本原画の展示、ジャンルにとらわれない絵画以外の作品の展覧会、また、現代の動向を捉えるような新しい美術の紹介もおこなっています。1991(平成3)年1月に全面的な増改築工事を行い、現在の建物となりましたが、和風邸宅の良さはそのままに、エントランスロビーから流れる滝を楽しむことができ、水と緑の美しい庭園を持つ美術館として、多くの来館者に親しまれています。
●コレクションにみる洋画の時代2014年4月5日~5月25日
洋画とは、西洋画の略称であり、いわゆる油絵を指します。明治期以来、油絵を通して西洋の視覚文化を吸収しようとしてきた画家たちは、独自の風土に根差した日本的油絵を経て、洋画を超えた表現を生み出していきます。本展では、当館のコレクション形成史をたどりながら、およそ百年にわたって展開されてきた洋画の歴史を紹介します。
第1章 大谷コレクションの時代/西宮市大谷記念美術館は、実業家・大谷竹次郎のコレクションをもとに設立されました。その中で、日本画とともに多くを占めているのが洋画です。大谷コレクションの洋画は、穏健で写実的な作風を好んだ個人の趣味を反映していますが、同時に1950~60年代における一般的な時代の趣味、すなわちフランス絵画や洋画壇の主たる潮流への志向も見てとることができます。
第2章 エコール・ド・パリと日本の近代/1972年に開館した西宮市大谷記念美術館は、広く美術史を鑑み、大谷コレクションを軸とする形で新たな作品を収集していきました。その際、対象となったのが、20世紀前半のフランスで花開いたエコール・ド・パリの作品と、同時期の日本近代洋画です。寄贈や購入により幅を広げたコレクションは、油彩画が美術の中心にあった時代の華やかさを彷彿とさせます。
第3章 阪神間の洋画家たち/西宮市大谷記念美術館は、大谷竹次郎のコレクションだけでなく、彼が居住していた宅地も引き継いでいます。大阪と神戸を結ぶ阪神間と呼ばれるこの地域には、戦前から多くの画家がアトリエを構え、地域文化の向上に大きな役割を担ってきました。当初の大谷コレクションにも散見されるこうした地元作家の作品の収集も、美術館活動を特徴づける重要な要素となっています。
第4章 洋画を超えて/戦後の阪神間には実験的な試みがしばしば見られました。具体美術協会などのグループのみならず、個々人の独創的な探求が生み出した様々な抽象絵画は、油彩表現を習得するという明治期以来の宿願を超えて、グローバルなアートシーンの前線へと画家たちを押し上げました。これらは果たして洋画と呼びうるものでしょうか。確かに言えるのは、今日、国際的な評価を得ているこうした作品群も、百年の洋画の歴史の上に成り立っているということです。
・・・展覧会はもちろんですが、建物・庭園ともに充実した素敵な美術館です。ここにどうしても来たかった理由は、先日亡くなった國府さんの展覧会があったミュージアムでもあり、鎮魂の意味もあったのです。
※國府理「未来のいえ」展 OSAMU KOKUFU:COSMOSPHERE
2013年6月22日(土)~7月28日(日)
・・・続いて、「辰馬考古資料館」へ。