・・・またまた興味惹かれる建物が、
◆旧下村邸(大丸ヴィラ)
上京区烏丸通丸太町上る春日町
現在は非公開、厚い塀と門に閉ざされている大丸ヴィラです。数年前までは大丸百貨店の様々なイベント会場として使用されていて、イベントや展示会に参加すれば邸内に入ることができた建物です。現在の所有者は(株)大丸ですが、もともとは昭和7年当時(株)大丸の社長であった下村正太郎氏の自宅として建てられた住宅です。下村氏は、ヨーロッパの建造物や美術品に詳しい方で、そのことをよく知っていたヴォーリズが16世紀ごろ英国で流行した様式であるチューダー様式で設計したそうです。このとき、建物だけでなく、家具も一緒に設計されたそうです。「チューダー」にちなんで「中道軒」とも呼ばれていたそうです。木造に見えるハーフティンバーもすべて鉄筋コンクリート造になっています。昭和59年6月に京都市登録有形文化財に登録されました。
◆重要文化財・京都府庁旧本館
602-8570京都市上京区下立売通新町西入/075-414-5435
京都府庁旧本館は、明治37年(1904)12月20日に竣工しました。昭和46年まで京都府庁の本館として、また、現在も執務室や会議室として使用されており、創建時の姿をとどめる現役の官公庁建物としては日本最古のものです。平成16年(2004年)12月10日に国の重要文化財に指定されました。ルネサンス様式に属する建物の外観は、正面の一段高くなった屋根を中心に左右両翼に対称に張り出した形となっており、西洋近世の大邸館をほうふつとさせるものがあります。建物内部には和風の優れた技術が巧みに取り入れられており、内部意匠は建築よりも、むしろ工芸品といった趣さえ感じられます。
◆【中信美術館】◆
602-8048上京区下立売通油小路東入西大路町136-3/075-417-2323
平成13年(2001年)3月から平成20年(2008年)12月まで京都市役所前中信御池ビル2階に「中信御池ギャラリー」を設け、京都府市民の方々に気軽に美術作品を楽しんでいただいていましたが、この活動を一歩進めるために、平成21年2月に京都府庁正門西100メートルのところに「中信美術館」を設置いたしました。当館では、京都中央信用金庫や公益財団法人中信美術奨励基金に関係する芸術家の作品展を企画展示し、京都の芸術文化の振興と継承を目的に運営しています。
当館は、京都御所近くの静かな住宅街にあり、丸みを帯びたライト・フレッシュ(うすい橙色)の壁面、屋根は銅版葺の瀟洒な南欧風の外観を持つ洋館が、古いたたずまいが残る町並みに溶け込むように建っています。渦巻きの連鎖をモチーフにデザインされた門扉、中庭にいたる花や虫を配したアール・ヌーヴォー風のイタリア製の鉄扉、地中海地方の遺跡を思わせる中庭の列柱、大理石の階段、大理石の粉を混ぜ込んだイタリア漆喰の白い壁など贅沢な内装も魅力の一つです。また、近くには京都御所、京都府庁、京都まなびの街生き方探究館、聖アグネス協会、樂美術館等豊かな文化土壌を要する地域です。開館以来、京都府庁など周辺の施設と連携し、文化施設を「点」ではなく「面」の文化ゾーンとする「まちかどミュージアム」構想を実践しています。将来的には、府庁界隈を岡崎と並ぶ文化ゾーンに育てたいと考えています。
・・・この美術館は、京都に来てから存在を知ったばかりで、
●ある日の幻妖「齋藤眞成展」2014年4月8日(火)~5月11日(日)
真如堂の元貫主であり、国際的に活躍する洋画家でもある齋藤眞成氏による展覧会。 昨年は、山形県郷土館や京都文化博物館で個展を開催されるなど、96歳を過ぎた現在も精力的に活動しておられます。今回の展覧会では、仏教的な要素が盛り込まれた作品だけでなく、猫や蛙、鳥などの動物が画面に登場する幻想的な作品など、大阪府所蔵の作品を中心に約25点を展示し、齋藤氏の画業の一端を紹介します。自由な感性で描かれた、パワー溢れる作品の数々をお楽しみください。
・・・偶然「齋藤眞成展」に出くわし、さらに「カエル」の作品があったりで、大きな収穫を得ることができました。
◆平安女学院中学校高等学校
602-8013上京区烏丸通下立売西入/075-414-8111(中学)
京都御所の西側、下立売通に面した所にあります。京都を南北に走る地下鉄「烏丸線」の「丸太町」駅で下車、2番出口から出て徒歩3分という交通の便のいい所です。 1895年この地に移転した後、生徒の増加につれて明治館・大正館・昭和館と次々と校舎が建てられ、明治館と昭和館が現存しています。歴史の重みとモダンな雰囲気をあわせ持った建物施設と設備を誇っています。平安女学院が京都に移転後初めての校舎として、明治館は1895年に建てられました。設計は、名誉ある「英国王立建築家協会正会員」で神戸異人館の旧ハッサム邸を建てたことでも有名なアレクサンダー・N・ハンセル氏。建築様式は当時英国で大流行していた「アン王女スタイル」といわれ、現在日本で残っているのはこの明治館だけといわれています。明治館は百年間、校舎として使用されてきましたが、1995年の阪神淡路大震災で打撃を受け、倒壊の恐れから立ち入りが禁止となり、2003年には「保存委員会」が設立。2004年には国の登録有形文化財として登録されました。2005年からは大規模な修復工事が開始され、多くの同窓生・教職員の協力も得ながら、3億5千万円余りの費用と3年余りの歳月をかけて工事が完成。2008年8月に、その美しい姿を復活させました。昭和館は、アメリカ人のJ.V.バーガミニー氏設計、東京タワー設計者でもある内藤多仲氏の構造設計により1929(昭和4)年に竣工しました。装飾的な外観は「昭和初期には少ない、軽やかさが持ち味の建物」と評価されています。竣工当初には、理科室や割烹室(調理室)、講堂兼体育館なども備え最新の設備を誇っていました。 現在は、中学生がこの校舎で学んでいます。また、講堂兼体育館は2005年に改修を行い「アグネスホール」として卒業式や同窓会総会あるいは講演会などにも活用されています。2007年5月15日に国指定の登録有形文化財として登録されました。
・・・すげえ学校です。
◆京都まなびの街・生き方探求館(旧京都市立滋野中学校)
京都市上京区下立売通西洞院下ル東裏辻町402
1937(昭和12)年/設計:京都市営繕課、施工:鴻池組
京都府庁の南側にある旧滋野中学校。もともとは小学校でしたが、戦後中学校になったあと、2002(平成14)年に上京中学と京都御池中学へ分割統合され廃校となりました。現在、建物はそのまま残り、「京都まなびの街・生き方探求館」として、上京中学と御池中学の第二教育施設に使われています。ここも京都市営繕課の設計による鉄筋コンクリート造り3階建て。
・・・同志社大学、平安女学院、そしてこの滋野中学校、学校たるものまさしく伝統文化でありミュージアムなのだと再認識しました。