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十禅律院紀の川市粉河2849


こか1


天台宗安楽律法流の寺である。粉河寺の奥の院かと思われる場所にひっそりと建っているが、「粉河寺とは関係がない」という


こか2


もともと粉河寺の塔頭であったが、江戸後期に紀州徳川家の寄進により独立し、天台宗の寺となったらしい。寺の部屋中の壁や襖、天井には同じ柄の壁紙が張られていた。これは御止ばりといって、殿様の部屋に使われるやり方だという。紀州の殿様もたびたび立ち寄ったのだろう。現在では無檀家の寺であり、財政的に補修もままならない状態である。それでも庭園は手入が行き届き、紀州徳川家の加護を受けていたであろう往時を偲ばせてい。庭は「洗心庭」といってバックの和泉山脈を借景とした枯山水庭園である。さほど大きくはないが、庭の向こうに広がる山々と同化してまさに心が洗われる想いがする。昔は周囲の山全てが松林だったようで、もっと秀逸な借景庭園だったという。案内書には、十代紀州藩主徳川治宝(とくがわはるとみ・1789-1824)が築庭させたとある。


こか3


・・・お話をうかがっていると、とても寂しい気持ちになる。この寺は、これからどうなるのだろうか、自分にできることは何もない。せめて、このブログを通して、多くの方々に「粉河寺」へ行かれたのなら、ぜひ「十禅律院」へも立ち寄っていただきたいと、お願いすることぐらい。


こか4


・・・お寺も戸・扉・窓を閉められる時刻となり、誰もいない境内をゆっくりとサクラに別れをつげる。


こか5


・・・遠路ではあるが、ここまで来て良かったと、本当に思える。上淡路街道を橋本に向かっている途中、友人から連絡が入り「華岡青洲」の話になった。次は、ぜひ訪問したいと考えている。