・・・私の住む南河内には、大阪芸術大学ある。
◆【大阪芸術大学博物館・塚本英世記念館/芸術情報センター】◆
585-8555南河内郡河南町東山469/0721-93-3781
大阪芸術大学では、昭和56年に塚本英世記念館芸術情報センターを設置して以来、あらゆる芸術資料の収集に努めてきました。その点数は2000点を超え、そのなかには19世紀末の初期モデルから20世紀中葉までの変遷を概観できる蓄音機コレクションや、世界に4セットしかない作家自選によるアンリ・カルティエ=ブレッソン写真コレクション、20世紀グラフィックデザインのひとつの大きな流れであるスイス派の作品などのほか、国内外の優れた美術作品や芸術資料が多く含まれます。「大阪芸術大学博物館」は、これらの芸術資料をはじめとする本学所蔵の作品を、学内での研究に役立てていただくことはもとより、広く社会に公開することを目的として平成14年に開設されました。所蔵品展・特別展あわせて、ぜひご高覧ください。
大阪芸術大学(旧浪速芸術大学)開校時の公開設計競技で選定された第一工房は、高橋てい一氏(ていは青へんに光)を中心に20年間(1期~14期)にわたってキャンパス計画に携わってきた。計画はすばらしく、階段をうまく取り入れ変化をつくることで一つの街を思わせるような風景を作り出している。芸大を見通せば高橋てい一氏の変遷をたどることも出来る。そして塚本英世記念館(12期)はその集大成とも言える作品。建物は、5層吹き抜けのアートホールを中心に各施設を配置。内部もコンクリート打ち放しだが、効果的に光を取り入れ陰影をつくり出すことで、柔らかい印象がする落ち着いた空間になっている。高橋氏自身「ザ・コンクリート」と評したほど、コンクリートにこだわりぬいた建物は、酸性雨対策など今後の課題はあるもののほとんどメンテナンスする必要が無いほど。精度も高く隅々まで繊細につくられた、ただならぬ熱意を感じる作品で、建築学会賞をはじめ、多くの賞に輝いたことがうなずける。高橋氏が望んだように20世紀末の文化的ストックとして、多くの意味で後世に引き継がれていくだろう。
※高橋てい一氏(ていは青へんに光)
1924年 中国青島市生まれ。1949年 東京大学第二工学部建築学科卒業。1949年~56年 逓信省営繕部設計課勤務。明治大学非常勤講師(1954~95)、武蔵工業大学助教授(1956~66)などを経て、1960年 第一工房創立。1967~95年 大阪芸術大学教授。現在、大阪芸術大学名誉教授、第一工房代表。1964年「浪速芸術大学設計競技」1等入選、以来約20年に渡り大阪芸術大学のキャンパス計画に携わる。他に「中部大学」(1975~)、「実践女子大学」(1985)、「東京都立大学」(1991)、「東洋大学白山キャンパス」(1992~2003)なども手掛ける。代表作に「佐賀県立博物館」(1970)、「大阪芸術大学塚本英世記念館芸術情報センター」(1981)、「マガジンハウス」(1983)、「国際科学技術博覧会迎賓館」(1985)、「全労済情報センター」(1995)、「パークドーム熊本」(1997)、「群馬県立館林美術館」(2001)、進行中のプロジェクトに「2005年国際博覧会瀬戸会場愛知県館」など。作品数は200を超える。日本建築学会賞、芸術選奨文部大臣賞、日本芸術院賞、建築業協会賞、東京建築賞 住宅部門最優秀賞、東京都知事賞など受賞多数。主な著書に『風景のなかの階段』(新建築社 1996)、『世界建築設計図集14大阪芸術大学塚本英世記念館芸術情報センター/第一工房』(同朋舎出版1984)など。
●平成25年度大阪芸術大学卒業制作展
平成26年2月15日(土)~2月23日(日)
・・・「卒展」の時期は、大学全体がミュージアムとなる。