ミュージアム | すくらんぶるアートヴィレッジ

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・・・新館は展示替えのため休館ですが、せめて「仏像館」だけでも見たくて入館しました。


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◆【奈良国立博物館】◆

630-8213奈良市登大路町50番地050-5542-8600

明治28年(1895)創立、平成7年(1995)に100周年を迎えた歴史ある博物館。東京の国立博物館についで作られた博物館でレンガ造りのなら仏像館は重要文化財に指定されています。奈良公園内にあり、主として仏教に関する美術工芸品および考古遺品などを平常陳列しています。なら仏像館・青銅器館・東新館・西新館の4つのギャラリーがあります。仏教美術資料研究センターでは、仏教美術に関連する図書や写真などの資料を収集して研究者などに公開しています。


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なら仏像館では、飛鳥時代から鎌倉時代にいたるまでのすぐれた仏像を数多く展示しています。また中国・朝鮮半島の仏像も展示しています。国内の博物館では、もっとも充実した仏像の展示となっています。渡り廊下でつながれた青銅器館には、中国古代の青銅器(坂本コレクション)を展示しています。なら仏像館は、明治27年(1894)に完成した、奈良で最初の本格的洋風建築です。設計は、当時宮内省内匠寮技師であった片山東熊(1854-1917)によるもので、フレンチルネサンス高揚期の様式をとっています。玄関まわりの装飾は意匠的にすぐれ、明治中期の欧風建築として代表的なものです。昭和44年 (1969)に「旧帝国奈良博物館本館」として重要文化財に指定されました。平成22年に展示室をリニューアルし、「なら仏像館」として再オープンしました。青銅器館は、昭和12年(1937)に収蔵庫として建設されたもので、平成14年(2002)に中国古代青銅器<坂本コレクション>の常設展示室となりました。


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なら仏像館の照明をめぐって

明治27年(1894)、奈良で初めての近代洋風建築として建てられた「旧帝国奈良博物館本館」は、翌28年の開館以来、115年にわたり展覧会場として機能してきました。この建物は平成22年夏「なら仏像館」と改称し、リニューアルオープンしましたが、これに合わせて照明方法を一新いたしました。もともとこの建物では、平成12年までは彫刻だけではなく絵画・書跡等も展示してきましたので、展示ケースもそれら平面的な作品に適した仕様となっています。それを彫刻という立体的な作品の展示に用いているのですから、おのずと無理がありました。最大の課題であったのが照明です。これまでは展示ケース内の上部に設置された蛍光灯だけしか照明の方法がありませんでした。この蛍光灯は、ケース内の壁面やケースに収めた展示台の上面を比較的均等に明るくすることができます。ですから掛軸や巻子などの展示には効果的です。しかし仏像のような立体的な作品を収めた場合、上から降りた光は作品の前面まで充分に回りません。作品の周辺は明るいのに、肝心の仏像の顔の表情や、衣のひだなど細部の彫りは影の中に入ってしまい、よく見えないということが往々にしてあったのです。ご承知のように特別展などでは、このような問題を解消するため、ケースの外からスポットライトの光を当て、作品の立体性を引き出そうとすることがあります。なら仏像館においても、ケースの外からのスポット照明を行いたいという願いはかねがね持っていたのです。ところが、この建物は国の重要文化財に指定されています。照明工事のため、壁に穴をガンガン開けることなど許されるはずがないことはご理解いただけるでしょう。そこで今回は苦肉の策をとりました。細長い回廊状の部屋では、向かい合う既存の展示ケース同士の天板にスチール製のパイプを渡し、ここにスポットライト用の配線ダクトを設置しました。ケースとケースとの間隔の広い部屋では、ケース上部にやはりスチール製の支持スタンドを取り付けてパイプを支え、これに配線ダクトを付けました。これによってようやく、作品に斜め上方から光を当てることが可能となりました。その効果を保つため、ケース内の蛍光灯は補助的に点灯させるに留め、室内天井の蛍光灯は消灯することとしました。


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●地下回廊

なら仏像館と東新館・西新館を結ぶ全長150mの連絡通路。平成9年(1997)に完成しました。観覧者以外でも自由に入ることができる無料ゾーンとなっています。なら仏像館および新館からのほか、外から直接の入口もあります。地下回廊にはミュージアムショップやレストランがあり、ミュージアムショップには、博物館のオリジナルグッズや歴史・美術関連の書籍を多数揃えています。なら仏像館に近い部分は、仏像模型や解説パネル等、仏教美術をやさしく解説して皆様に親しんでいただくためのスペースとなっています。


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・・・さて、今回の最大の収穫は「天野山金剛寺」の仏像が特別展示されていたことでした。