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・・・去年の春、天野山金剛寺を訪問した際、金堂が修理中で見ることができず残念な思いをしたことを思い出しました。


こん1


天野山金剛寺不動明王坐像から胎内墨書を発見

天野山金剛寺金堂安置重要文化財不動明王座像から胎内墨書を発見。制作者が快慶の一番弟子行快と判明。重要文化財の金堂が平成21年度から9年間の修理が行われるのに伴って、金堂内の重要文化財大日如来坐像・不動明王坐像・降三世明王坐像も平成22年度から3年間で修理されることになりました。今回不動明王坐像を堂内から搬出するときに胎内背面から墨書が発見され、修理を担当する(財)美術院工房でその詳細が確認されました。墨書からは、制作年代、制作者、願主や勧進などに関係する人名が判明しました。

不動明王像内墨書銘(背面墨書銘)

敬白

奉造立大聖不動明王結縁衆カ事

本願主傳燈大法師慶圓

大勧進傳燈大法師覺實 七世恩カ所皆成佛道

雜掌慶俊 禅信 聖心 圓海   三有法界平等利益

造立大佛師法眼行快 小佛師字肥後公 字丹後公

彩色大佛師治圓大法師 幸尊 興心
此外一銭一粒奉加人一紙一単結縁輩同預生ゝ而加護之利生共蒙随遂

不相離之冥加降伏□魔興隆三寳臨終正念往兜率而已

天福二※〈甲午〉三月廿一日執筆禎?(しめすへんに眞)

・制作年代 天福2年3月21日(鎌倉時代 1234年)
・制作者  大仏師行快(快慶の一番弟子)彩色は大仏師治円
・関係者  大願主慶円、大勧進覚実、雑掌慶俊以下4名、計7名の金剛寺僧


こん2


重要文化財 木造降三世明王坐像(金堂安置)奈良国立博物館で特別公開中

重要文化財金剛寺金堂・多宝塔・鐘楼の「平成の大修理(平成21~29年度)」に合わせ、金堂に安置されている重要文化財「木造 大日如来坐像(本尊)」、「木造 降三世明王坐像(右脇侍)」、「木造 不動明王坐像(左脇侍)」を、平成22~24年の3年をかけて修理しています。このたび「木造 降三世明王坐像」が、奈良国立博物館工房での修理を終え、奈良国立博物館内なら仏像館で特別公開されています。


こん3


木造降三世明王坐像 - 鎌倉時代。降三世明王像は四面八臂三眼の立像として表すのが通例だが、本像は一面二臂二眼の坐像で、図像的に珍しい。像内銘はないが、作風から、不動明王像と同様、行快工房の作と推定される。


・・・とにかく、カッコイイのです。間近で見ることができ、本当にラッキーでした。


こん4


・・昨年春に訪問した時の画像を紹介しておきましょう。


こん5


・・・金堂が完成し、修理された仏像たちが再びもどる日が待ち遠しい。そして、博物館ではなく金剛寺で仏像と再会したいものです。