ミュージアム | すくらんぶるアートヴィレッジ

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◆【奥村記念館】◆

630-8212奈良市春日野町4番地0742-26-5112



おく1


1907年(明治40年)、奥村組の歴史は奥村太平(初代社長)が生まれ育った奈良県香芝市から始まりました。以来、「堅実経営」「誠実施工」を信条に、調和のとれた総合建設会社として着実に歩んでまいりました。2007年(平成19年)、当社が創業100周年を迎えられたことに感謝の気持ちを込め、ゆかりの深い奈良の地に、「奥村記念館」を開館いたしました。古都の景観に溶け込むデザインの建物内には、ゆったりとくつろいでいただける憩いのスペースと、当社100年間の歴史や技術を紹介する展示スペースを設け、無料開放いたします。古都散策時に一息ついていただく場所として、地域の方々をはじめ、奈良を訪れる多くの方に、ご利用いただければ幸甚でございます。


おく2


現在から過去への時間軸を空間に反映しました。現在の技術である免震装置を視認できる「南側」から、南大門や東大寺大仏殿などがある「北側」にむかって、時間が遡る流れを形成しています。これを踏まえ、現在から過去(南から北)、過去から現在(北から南)へと敷地内全体を立体的に回遊できるレイアウトとしました。また、時間軸の連続性を構成するため、ガラス張りによる内外空間の一体性を図るとともに、屋内空間に視覚的な広がりをもたせています。「春日山歴史的風土保存地区」内という立地条件を十分に考慮し、周囲の町並みにとけこむ外観としました(瓦屋根、焼杉の壁、格子など)。周辺建物のスケール・バランスと、空間的ボリュームを組み合わせた全体構成とし、外壁面の位置、軒の高さも隣家にあわせ、街並みの連続性を保持しました。「木・コンクリート・瓦・石・ガラス」という天然の素材にこだわりました。また、シンプルな空間構成の中に、素材そのものの質感を感じさせるとともに、和のイメージを損なわぬよう、工業的な設備機器(照明、空調)は可能な限り、表面に出ないデザインとしました。


おく3


奥村組の得意技術である「免震」でつくられた当建物。「免震」という言葉を耳にする機会は増えてきていますが、それがどのような仕組みなのかは、あまりよく知られていないようです。そこで、大地震時でも優れた安全性を示す当技術を、一般の方々にできるだけわかりやすく理解していただけるよう、国内外の旅行者が行き交う表通りから免震装置(積層ゴムと弾性すべり支承)の設置状況を見学できる空間構成にしました。創業者である奥村太平(初代社長)は、東大寺や春日山の情景を眺望できる旧建物の倉庫屋上(※)を、心落ち着く場所として好んでおりました。静かに思索にふけった太平を偲び、その情景を一般の方々にもご覧いただけるよう展望フロアとして開放いたしました。 ※当記念館の書庫屋上(展望フロア)と、旧建物の倉庫屋上は同じ位置。 また、旧建物の記憶を新しい建物に残すべく、小屋組みの梁、瓦、庭石、手水鉢、灯篭などを、メモリアルとして再生(再利用)するとともに、古くから当敷地に根を張る1本の桜木を、移植することなく保存いたしました。


おく4


・・・小さな記念館ですが、建物そのものにこめられた「奥村組」の理念がひしひしと伝わってきます。


おく5


・・・次は、道路をはさんで建っている奈良の顔「国立博物館」へ。