・・・特筆すべきもの(2)
◆慰霊と復興のモニュメント
平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を忘れることなく、震災を記憶し、復興の歩みを後世に伝え、犠牲者の慰霊と市民への励まし、大規模災害に対する世界的規模での連帯による復興の意義をアピールすることを目的として、「慰霊と復興のモニュメント設置実行委員会」の募金活動を経て、平成12年1月16日に設置されました。
このモニュメントを含む東遊園地全体では、毎年1月17日にご遺族やボランティアのみなさんと神戸市によって、「阪神淡路大震災1.17のつどい」が開催されています。慰霊と復興のモニュメントの地下に位置し、震災で亡くなられた方のお名前を刻んだ銘板が掲示されているのが「瞑想空間」です。また、そこへの通路には建設募金にご寄付いただいた方のお名前が掲示されています。開場時間は午前9時から午後5時までとなっています。
モニュメント建設に際して、ご遺族やボランティアグループの方々から、「やさしさ」と「思いやり」、そして「生きている証」としての灯りを灯したいとのご提案がありました。これを受けて新たに灯りの保存施設が追加設置されることになり、「1.17希望の灯り」が誕生しました。ここには、被災10市10町を巡って運んだ種火と47都道府県から寄せられた種火を一つにした灯りが灯されています。この灯りは被災した市民のみなさんの精神的なよりどころとなり、毎月17日には、ボランティアのみなさんが自主的に清掃などを行っています。そして、毎年1月17日には、ここから被災10市10町のみならず遠方の都市まで、震災や灯りが結ぶ絆に関連した行事に分灯され続けています。また、震災から7年を迎えた2001年1月17日、「希望の灯り」が分灯され、市民ランナーによってこの灯りが全国69都市のみなさんへ届けられました。「1.17希望の灯り」には碑文が刻まれ、「あの震災で亡くなった方々の命と生き残った私たちへのメッセージ」を発信し続けています。
※1.17希望の灯り碑文
1995年1月17日午前5時46分 阪神淡路大震災
震災が奪ったもの命 仕事 団欒 街並み 思い出
…たった1秒先が予知できない人間の限界…
震災が残してくれたもの やさしさ 思いやり 絆 仲間
この灯りは 奪われた すべてのいのちと
生き残った わたしたちの思いを むすびつなぐ
※慰霊と復興のモニュメントのコンペによる作家選定を行った結果、京都在住の現代芸術家の楠田信吾さんに決定、制作された楠田さんは、強化ガラスと石を巧みに組み合わせた作品を多く手がけておられます。
・・・震災にかかわるモニュメントが、これまでに設置された彫刻などと溶け合い、「東遊園地」全体がミュージアムになっています。
・・・老若男女、様々な思いや考えの人たちが自然な形で、集い・語り・ふれあえるミュージアムがここにある、そんな気がする。