・・・もうかなりクタクタですが、最後の目的地へ
◆【京都国際マンガミュージアム】◆
604-0846京都市中京区烏丸通御池上ル(元龍池小学校)075-254-7414
マンガはサブカルチャーだという考え方もありますが、日本文化の中では実に大きな役割を演じています。世界に広がる日本のマンガ文化が持つ表現要素は、我が国の平安時代の絵巻物等に既に表わされており、まさに京都という伝統文化の息づく町にマンガミュージアムができることは、たいへん意義のあることと言えます。マンガ家になりたい、マンガ文化を学びたいと思っている人たちにとって、この京都国際マンガミュージアムが、何かある座標軸を示すものになればよいと考えています。大切なことは、ミュージアムをいかに活用するかということであり、今後いろいろな活動を行っていく中で、どのようなことができるのか考えて行きたいと思います。皆様の広い意味でのバックアップをぜひともお願い致します。
・・・養老館長さん、カッコイイですよね。
京都国際マンガミュージアムは、京都市と京都精華大学の共同事業で、いまや世界から注目されているマンガの収集・保管・展示およびマンガ文化に関する調査研究及び事業を行うことを目的としています。このミュージアムは、博物館的機能と図書館的機能を併せ持った、新しい文化施設です。当館で保存されるマンガ資料は、明治の雑誌や戦後の貸本などの貴重な歴史資料や現在の人気作品、海外のものまで、約30万点(2011年現在)。将来的に、これらの一部は、デジタルアーカイブ化される予定です。また、アニメーションに関する資料やキャラクターグッズなども収集していきます。これらの資料をもとに進められる調査研究の成果は、展示という形で発表=公開いたします。また、マンガに関するワークショップやセミナーなども開催しています。建物は、元 龍池小学校の昭和4年建造(一部除く)の校舎を活用し、当時の佇まいを残したものです。それは、長年地域のシンボルであった小学校の役割を引き継ぐという表明でもあります。
・・・様々な事と物(者)、古いと新しいを保存そして発展させるためには、広範囲・広世代のコラボとアイデアが絶対に必要です。
マンガミュージアムへと生まれ変わった龍池小学校は、1869(明治2)年11月1日、町の区分をもとにした64の「番組小学校」のひとつ、上京第二十五番組小学校として開校しました。日本の近代教育制度(明治5年の学制発布)に先駆け、京都府からの下付金を得ず、教育に熱い思いを寄せる龍池学区民の寄付で二千両の建築費を調達しての建設でした。元小学校の建物である当館には、本棟1階に校長室が残されています。部屋の窓からはグラウンド傍にある中庭も眺めることができ、平時は廊下より落ち着いた雰囲気の室内を覗いていただくことができます。この校長室には、子どもたちが元気いっぱい校庭を駆けていたその時代から"こちこちこち"と時を刻み続けていた「大時計」が設置されています。龍池小学校が新しくマンガミュージアムに生まれ変わるその前に動かなくなったこの大時計ですが、地元の方々のご意向により、兵庫県在住の時計修理の職人で一級時計修理技能士の永濱修氏(厚生労働省「現代の名工」卓越技能章受賞)に依頼し、再び振り子を動かし始めることができました。ご来館の際には、校長室を覗いて歴史を刻んできた大時計をご覧いただければ、"こちこちこち"という音とともに幸せな気持ちがきっと広がります。
今回、駆け足で京都のミュージアムを周りましたが、どれをとってもジックリ一日かけて、いやそれ以上楽しめる施設であることを実感しました。しかし、それにしても日々の慌しさがあり、せっかくの素晴らしい施設・設備があっても、それを生かしきれていない現実があります。
時間や暇があるから・・・ではなく、いかに日常生活や必要性に組み込むか、組み込めるかが重要ですし、多様性(ひろがり)と個性(こだわり)の両面が大切ですし、何より魅力的なアイデアが生まれることを期待してやみません。そういう意味で「マンガミュージアム」は・・・勉強になりました。