中之島(24)
今回は「野外彫刻」を紹介します。
中之島図書館横の川沿い広場にあります。
■「緑の賛歌」本郷新
背中あわせのふたりの裸婦が、両手を空に向かって伸びやかに振り上げ、台座から今にも動き出しそうに一歩踏み出した動きのある立像です。両者の手の表情には、本郷独自の優雅さがあります。手の動きと片足を一歩台座から踏み出そうとする表現は、空間をより大きく見せる運動の連続性と今にも踊りだしそうな躍動感がみなぎっています。「緑」を高らかに謳いあげるテーマが充分生かされた作品といえます。「緑の賛歌」を制作する過程は、ドキュメント映画「創る」(カラー 30分、柳川武夫監督、1973年8月完成)で見ることができます。映画では、稚内の「氷雪の門」、広島の「嵐の中の母子像」、京都の「わだつみ像」等の野外彫刻や、「緑の賛歌」の設置場所の下見、デッサンによる形の追求、それに基づく粘土像の制作、石膏取りと彫刻の制作過程が除幕式まで記録されています。
制作に向かう本郷の厳しい表情や、休日に釣りを楽しむ様子など本郷の人となりがあらゆる角度から紹介されています。「緑の賛歌」は、これまでほとんど記念館から出たことのない作品です。4つに分割されるのは外観からわかりますが、安全に分割するため細心の注意が必要です。彫刻は、展示空間によって印象が随分変わります。「緑の賛歌」は、大阪市中之島公園にあります。緑豊かな文化の香り高い街づくりの推進にと、浅井鉞次郎氏が大阪市に寄贈した作品で1973年4月16日に除幕式が行われました。約8メートルの台座に立つ4.3メートルの裸婦像は、本郷の野外彫刻の中でも最も大きなものです。
■「そよかぜ」松岡阜(まつおかゆたか/1923年~2008年5月9日)
大阪府出身。東京美術学校彫刻科を卒業。平櫛田中に師事し、写実的な作風を受け継いだ。1955年、行動美術協会に入会。1956年、行動美術賞を受賞した。代表作は阪神甲子園球場の正面入り口に建つベーブ・ルース記念碑のレリーフ(1949年制作)。2005年、ルースの生誕地であるアメリカ合衆国メリーランド州ボルティモアに「スポーツ記念館」が開館し、ルースの生家が移設された際、阪神球団は松岡が保管していたオリジナルからレプリカを作成し、寄贈した。レプリカは記念館に展示されている。1990年3月中之島ガーデンブリッジに「そよかぜ」制作・設置。
■中之島緑道
彫刻群が設置されたビジネス街のオアシス。大阪市制100周年記念事業の一環として、基本構想の1つ「水・緑・光計画」に基づいて、彫刻設置を主要素に整備された遊歩道の中之島緑道です。「水・緑・光」をテーマに彫刻を公募(昭和63年)、234点の中から優秀作品10点を選び、(財)日本宝くじ協会が大阪市に寄贈する形で設置したものです(平成元年)。
「雲の歌」河原明・「花の天女」北田吉正・「空間の軌跡」堀義幸
■ブールデル
大同生命本社ビル四ツ橋筋側の植栽の中にある巨大なブロンズ彫刻。アントワーヌ・ブールデルの作品で、1918~1922年にかけて制作されたアルゼンチンの解放者アルヴェアル将軍記念群像の中の一体、「自由」と名づけられている。
東横堀川沿いにも・・・
作品に関する表示はありませんが、私好みの彫刻がありました。かなり古そうです。