会田誠(1)
パラリンピックの開会式に登場したマーク・クインさんの作品が物議をかもしたことは以前に紹介したが、どうしても紹介しかねる会田誠さんの作品がある。
マーク・クインさんの作品の場合は、アリソン・ラッパーという実在のアーティストを対象としており、作家とモデルのコラボであると同時にパラリンピックという場においての表現である。
ところが、会田さんの作品は???であるがゆえに、自分の中に封じ込めてきた。しかし、その封印を解いて、自らの意識改革とともに、このブログの読者の方々とともに「未来」を考えていきたいと思うに至った。
毒をもって現代アートに風穴を開ける。半分に切断された四肢に包帯を巻き付けた裸体の美少女が、首輪をはめられ、鎖につながれながらも無垢な表情で、雪月花を愛でる。代表作である「犬」シリーズ三部作のモチーフ。透徹した美と嗜虐性が並置され、鑑賞者に、ただ漫然と眺めることを許さず、思考を強要することはあっても、賛美や共感を求めはしない。
会田誠(1965年10月4日~)
日本の現代美術家である。武蔵野美術大学非常勤講師。
社会通念に対するアンチテーゼを含む、アイディア豊富な作品に富む。作風は一定しないが、センセーショナルなテーマを含む作品が多い。美少女、戦争、暴力、エログロ、ロリコン、酒、社会通念への反発などのテーマを取り扱っていることが多い。ただし、近年は、センセーショナルな作風を好まなくなってきたと語っている。村上隆とともに『新ジャポニズム』の代表的な作家として、国際的な評価を固めつつある。写真「Girls Don't Cry」2003の一つが、2005年、香港クリスティーズにおいて9253ドル(約110万円)で落札される。代表作『美しい旗(戦争画RETURNS)』は高橋龍太郎氏所蔵 (東京都現代美術館寄託) 。
ミヅマアートギャラリーでの個展を中心に国内外で活動。『横浜トリエンナーレ2001』『六本木クロッシング2004』 (森美術館) などに出品。アーティストグループ『昭和40年会』に参加したり、若手の芸術家や学生をまとめ、自宅で『西荻ビエンナーレ』を開催するなど、幅広い活動をしている。平面作品に限らず、映像作品の監督・出演、またフィギュアなどの制作もしている。1965年(昭和40年)、新潟県新潟市に生まれる。父は社会学者で新潟大学教授。幼い頃、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持っていた。バラエティーに富んだ作風は、この症状によるものと本人は語っている。新潟県立新潟南高等学校卒業後、代々木ゼミナール造形学校を経て、1989年(平成元年)東京芸術大学油画専攻卒業、1991年(平成3年)東京芸術大学大学院修了(油画技法材料第一研究室:佐藤一郎)。在学中に小沢剛、加藤豪らと同人誌『白黒』(1 - 3号)を発行。レントゲン藝術研究所で開催された「フォーチューンズ」で本格的な活動を始めた。2003年(平成15年)には、会田自身の制作を追ったドキュメンタリー映画『≒会田誠』(ビー・ビー・ビー株式会社)が製作されている。