茶の実を発見・・・
柿の実は大きくなったかなあと、見に行ったら・・・
なんと、お茶の木にいっぱい実がなっているではありませんか・・・
■茶の実
茶の花は9月から11月にかけて咲きます。昆虫などによって花粉受粉し、ほぼ1年後の秋に種子が熟し、地面に落ちます。1つの実の中に1粒から5粒くらいの種子が入っています。翌年の春に発芽しますが、種子が乾きすぎると発芽しにくくなります。種子が落下した後、すぐに取り、直まきにするのが簡単です(秋まき)。なお、現在では茶の繁殖は、ほとんどが挿木によって行われています。昔は茶の種子から油を採り、食用や洗髪に利用していた地域がありました。また、家紋としてデザインされ、40種類以上の茶の実紋が生み出されるなど、茶の実は、日本人の生活と密接に関わってきました。
■茶の実紋
家紋には、数千種類ともいわれるほど、実にたくさんの種類があります。動植物や自然現象をモチーフにしたものから幾何学的な形象のもの、シンプルなものから複雑なものまで、本当に多種多様です。なかでも植物をデザインした家紋は、葵紋、梅紋、桜紋、竹紋、牡丹紋など種類が多く、ここでご紹介する「茶の実紋」もそのひとつです。家紋の種類が多いのは、一つの原形を輪の中に入れてみたり、複数組み合わせてみたりと、いろいろなバリエーションが考えられるからでしょう。茶の実紋も茶の実を単純化した基本の形を様々にアレンジしてデザインされているのです。そのバリエーションは、およそ40種類ほどあるようです。家紋のアレンジ=変形には様々なパターンがあります。例えば、「向う」というのは、花などを正面(上)から見た形、「抱き」は、二つの同じ紋が下の方で交差して抱きあっているように見える形、「違い」というのは、二つの同じ紋が中央で交差しているもの、という具合です。中には結構奇抜な意匠もあって、洒落たセンスと遊び心を感じとることができます。茶の実紋は、日本10大家紋のひとつである橘(たちばな)紋とよく似ています。橘紋から転化したとする説もあり、確かにそっくりです。見分けるポイントは実の背後の3枚の葉で、葉があるのが橘紋、ないのが茶の実紋です。茶の実紋の主な使用家は、清和源氏系では村田、山田の両氏、桓武平氏流では、津田、三田、相馬の諸氏、藤原氏秀郷流の村松、赤堀氏、藤原氏支流の室田・鵜飼・太田・小野の諸氏などです。茶の実が家紋となった由来は明らかではないそうですが、茶が高貴な薬として日本にもたらされたことから、その長寿などの効用にあやかったのではないかと言われています。茶の実と家紋の結びつきは、少々意外な感じがするのですが、茶(の実)がそれだけ日本人の生活に深く関わってきたことを物語るものといえそうです。
こちらが「橘紋」です。
■茶の実オイル
茶はティとかチャイとか発音が変化して世界語になっています。健康や美容に興味ある方ならご存知のオレイン酸。老化の原因の一つといわれる活性酸素を抑制する働きがあるとともに、肌の保湿効果があることが知られています。オリーブオイルに含まれているのは一般的に知られていますが、より肌にいいものはないかと研究され、発見されたのが茶の実オイルです。日本では残念ながら茶の実オイルを安定した量の確保ができないため、お茶のルーツ、中国から入手しています。場所は江西省。日本の静岡に似た気候ですくすく自然に育った天然の茶木から 一個ずつ大切に採取された茶の実から搾られています。自然の持つ高い治癒力と肌の再生能力を秘めた茶の実オイル。中国では、昔から茶の実オイルは、とても貴重で高価な食用オイルです。贈答用として珍重されてきました。私達の肌の角質層には水分が15~20%含まれています。 その角質層を守っているのが皮脂と汗からなる天然の皮脂膜で、 逃げていく水分を遮る働きをしています。 しかし、加齢やストレス、紫外線等によってこの皮脂膜の量が少なくなると細胞同士を繋ぐ力がなくなり縮まり、かさついて粉をふき、やがて小じわが出てきてしまいます。水分不足の肌には潤いを守る皮脂膜が不可欠です。年齢と共に皮脂膜の形成力も低下し、水分は肌からどんどん逃げていきます。茶の実オイルは肌の皮脂膜に含まれる保湿成分オレイン酸と近似した成分が豊富に含まれています。オレイン酸はオリーブオイルが75.0%。そして茶の実オイルには80.1%含まれています。含有率が5%以上も高いのです。茶の実オイルを使用すると、肌がしっとりするのはこのため。お肌のうるおいを逃さず、とどめる働きを促します。
■茶の実粕
油抽出の後のお茶の実の残りです。茶の実粕は自然な殺虫剤であり、池をきれいにします。茶の実粕も、一種の高い効果的有機肥料として使われることもできます。 茶粕は養魚池の清掃や、畑·高級芝に生息する、ミミズ、ネキリムシ及びその他の害虫の駆除に広く使われています。茶粕は天然素材薬品なので自己分解が出来、その毒性を残存させないため、人体への影響が無く、使用するにあたってとても安全です。また藻や水草に害を与えないどころか、逆にその成長を促進させる作用があります。その他に、蝦や蟹の幼体にも無害であり、逆に脱皮を促す効果があるので、蝦や蟹の成長を早めます。また繁殖を促進させる効果があるので、蝦や蟹を養殖している池で使用すれば、出産率が高くなる等の効果が期待できます。