稲むらの火(4)
念願の「稲むらの火の館」へ。その道中で最も眼をひきつけられたのは・・・
■広川町風力発電所
澄みきった青空と海、夕日や星空が望める高台にたつ風力発電施設。夏は南東の風、冬は海から吹く北西の風で電気を作ります。風力発電は石油も石炭も使わないクリーンエネルギーとして広川町の美しい自然環境を守ります。
【DATA】
・有田郡広川町大字山本1959-2
・タワーの高さ 64.7m
・ブレード(羽根部分) 直径70.5m
・メーカー GEウインドエナジー社
・形式 プロペラ型・アップウインド
・完成 平成17年2月28日
・羽根が回り出す風速 3m/s
・羽が止まる風速 25m/s
・定格風速 12m/s
・定格出力 1,500kw
・定格電圧(周波数) 575v(60Hz)
【環境保全への寄与】
予想発電量:2,360,000kwh
(1)広川町風力発電所で得られる電気で年間557世帯の電気がまかなえます。
2,360,000kwh÷4,234kwh/年間≒557世帯
(2)予想発電量を石油火力発電所に換算すると年間570kl(ドラム缶2,860本分)の石油が削減できます。
2,360,000kwh×0.243L/kwh≒573kL
(3)CO2削減量は年間1.660トンにもなります。
2,360,000kwh×0.704kg/kwh≒1,661トン
(4)CO2削減量を杉の木(50年生)による吸収率に換算すると436,000本に相当します。
2,360,000kg÷3.8kg/年・本≒436,800本
ようやく到着しました。想像していたより、立派な施設です。
なんと、入口の石碑の文字は小泉元首相のものです。
■平成17(2005)年1月18日に開催された国連防災世界会議(神戸)で小泉純一郎首相(当時)が「稲むらの火」の逸話を紹介されました。それは、防災教材として内外の注目を集めましたが、我が国の若者たちを含め、多くの日本人は始めて聞いた話でした。実は、小泉首相や文部科学省の役人たちでさえも国際会議の直前までこの逸話を知らなかったのです。
■前年の平成16(2004)年12月26日に起きたインドネシア・スマトラ島沖大地震による津波被害を支援するための緊急首脳会議が、1月上旬にジャカルタで開かれました。そこで小泉首相は、シンガポールのリー・シェンロン首相から「稲むらの火」の逸話は本当ですかと問われたと言います。戦後教育世代の小泉首相は答えられず、文部科学省にも照会しましたが、わからなかったのです。
「稲むらの火」の逸話は日本国内で改めて見直されるようになり、首相発言で取り上げた効果は大きく、同年10月30日には、「アジア防災教育子どもフォーラム」が和歌山県で4日間開催されました。インド、インドネシア、タイ、スリランカなどから子供達が参加して、和歌山県、兵庫県、新潟県の子供達と防災をテーマに交流したのでした。
そんなこともあって、この入口の石碑に小泉首相の文字が刻まれたのでしょう。