萬国パクランカイ(24)
油絵メンバーが展覧会を観て来たというブリジストン美術館は、青木繁さんの作品を収蔵していることで有名です。
「海の幸」を画集ではじめて見た時、とても大きな絵だろうと思っていましたが、その実際は予想より小さくて驚いたことを覚えています。
さらに、この「海の幸」の構想は神輿をかつぐ人々だという説もあったりして、とても興味深い作品でもあります。
作品の下絵が発見されたり、その研究が深められています。
しかし、青木繁さん自身も語っておられたようですが、バーン・ジョーンズやラファエル前派あたりの影響はとても大きいことがわかります。
■青木繁
明治の天才的な洋画家・青木繁は明治15年(1882)久留米市荘島町の生まれ。同級生の坂本繁二郎とともに九州を代表する画家として有名です。明治36年(1903)の東京美術学校(現・東京芸大)時代には、「黄泉比良坂」他の作品が第8回白馬会展の白馬賞を受賞。名作「海の幸」に続く「わだつみのいろこの宮」も、文豪・夏目漱石が小説・「それから」の中で称賛するなど、華々しいデビューをしますが、中央画壇の権威主義を嫌い、父親の死をきっかけに九州に戻ります。そして、そのまま中央画壇には復帰する事もなく、孤独と失意の中で28年間の人生を閉じました。