萬国パクランカイ(4)
■語源・由来
学ぶは、「まねぶ(学ぶ)」と同源で、「まねる(真似る)」とも同じ語源である。そのため、学ぶの語源は「真似ぶ(まねぶ)」とされることも多いが、「まなぶ」と「まねぶ」は同じ時代に見られる語で、その前後関係ははっきりしていない。
「真に似せる」の意味から「まね」や「まねぶ」が生まれ、「まなぶ」という語が生じたのか、「誠に習う」の意味から「まなぶ」が生まれ、名詞形「まね」と、その動詞形「まねぶ」の語が生まれたと考えられる。
「まなぶ」は、教えを受けたり学問をする意味で多く用いられ、「まねぶ」は「まなぶ」よりも学問をする意味は薄く、模倣する意味で用いられることが多かった。
また、「まねぶ」は主に口頭語として用いられていたが、「真似る」が広く用いられるようになったため、「まなぶ」の雅語(雅言)として扱われるようになった。
・・・断煙してから2ヶ月、ガムばかり噛んでいる。この上下のガム、そっくりでしょ。
■福井健策『著作権とは何か』によると、著作権侵害とは・・・
(1)他人の著作物を見るなり聞くなりした人がそれを真似て(「依拠性」)
(2)まったく同じかよく似た作品を作ったり、利用した(「類似性」)
ときに成立するのです。
これに対する代表的反論はたいてい・・・
(1)そんな作品は知らなかった
(2)それほど似ていない
である。
■漫画という営為は模倣、模写、翻案の文化の中にある。
少なくとも日本では漫画を描くという営為は、無数の模倣、模写、翻案などの「著作権侵害」(あるいはスレスレ)の行為の大海のなかに身を浸しているからである。その海というか土壌をどうするのかという解決なしに問題は終わらない。一般的に、文化は模倣と創造のミックスである。究極のオリジナル、独創というものを探すのは逆に困難だ。コミケットでのシンポジウムを収録した『マンガと著作権』という本の中で、夏目房之介は次のようにのべている。
「・・・一般的に言って、創作物って、つまり著作物ですよね、思想感情を表現した制作物っていうのが、完全なオリジナルであることはあり得ないと言われているんです。非常に大風呂敷な言い方をすれば文化の伝承です。ですから、我々がそうであったように、また先人がそうであったように、やむにやまれぬ気持ちで何かをもじってしまったり、するっていうことの中から新しい創造が生まれる。文化っていうのは常にそうなんですよ。」
■つげ義春さんの「おばけ煙突」の「おやじ」は辰巳ヨシヒロのパクリでした。『貸本文化』7、8号につげ義春さんのインタビューが掲載されていますが、辰巳ヨシヒロが好きで彼のキャラクターを勝手に使ったとご本人が語っておられます。
■つげ義春さんの代表作「ねじ式」に登場する「スパナ男」は・・・
写真家・木村伊兵衛さんの「定本木村伊兵衛」の中に収録されているアイヌの知里高央さんの写真です。
■その「ねじ式」の機関車登場シーンは・・・
千葉の太海海岸の漁村の実際にある風景を使っています。しかし、赤塚不二夫さんの盟友だった長谷邦夫さんは、つげ義春は、西荒川駅を「ねじ式」の漁村の狭い路地を蒸気機関車が現れるシーンのヒントにしたのではないかと、自著に書いておられます。当時、赤塚さんと交流のあったつげ義春さんは何度かこの西荒川駅を利用しているので、無意識のうちに太海の路地と、西荒川の狭さとが結びついてあのシーンが産まれた可能性はあります。