KIZUNA11 | すくらんぶるアートヴィレッジ

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行動する芸術家たち・・・

すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-ぽら1


■若手実力派イタリア人アーティスト日本初展覧会

「ヴァレリオ・ベッルーティ展 -KIZUNA-」開催

2011年1月22日(土)~ 2011年3月13日(日)

ヴァレリオ・ベッルーティ氏は、イタリア伝統のフレスコ画の技法をもちいて絵画を描き、彫刻やレリーフといった立体作品も手がけるなど、作品は多岐にわたる。近年、その多くは子どもをモチーフとしており、今回の個展でも、子どもたちの素朴な表情がユニークな作品群に宿っている。“日本の子どもたちを描いた作品を展示したい”と、杉並の小学校の協力を得て生徒をモデルに作品を制作。そのためにわざわざ都内のレジデンスに約2ヵ月間滞在したのだという。彼がいままで作品に使ったことがない色、赤と黒を印象的にもちいているのも今回の特徴。彼にとって赤と黒は、漆器などにみられる日本古来の伝統文化を象徴した色彩であり、日本文化や日本の様式美へのリスペクトからこれらの色を強調した。なかでも目をひくのが、約300枚ものドローイングで構成されるアニメーションだ。会場内に流れる音楽は、坂本龍一氏によるオリジナル曲。日本を代表するアーティストと日本を愛する新進のイタリア人アーティストのシンプルなアニメーションが、なんともいえない独特な和の雰囲気を会場内に漂わせる。


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Valerio Berruti|ヴァレリオ・ベッルーティ
1977年 ピエモンテ州アルバ生まれ。トリノ・D.A.M.S.で、美術評論を学ぶ。ヴェルドゥーノにある17世紀に建てられた朽ち果てた教会を買い取り、修復してアトリエ兼自宅とし、1995年からそこでアーティストとして活動している。
http://www.valerioberruti.com/


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■《KIZUNA》2010年/映像:ヴァレリオ・ベッルーティ/音楽:坂本 龍一

「ヴァレリオ・ベッルーティ展-KIZUNA」坂本龍一氏によるオリジナル曲も初披露。ヴァレリオ・ベッルーティは、2009年にヴェネチアビエンナーレに出品した若手実力派のイタリア人アーティストです。その作品の多くは子どもがモティーフとなっています。彼の表現する子どもたちの眼差しは優しく、もの思いにふけるような遠くを見つめる仕草は、慌ただしい現代社会で忘れかけた何かを我々に静かに訴えかけてくれるかのようです。新作アニメーション作品は、ヴァレリオ・ベッルーティ制作の映像と、坂本龍一氏によるオリジナル曲とのコラボレーションにより完成しました。


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■遊工房アートスペース

167-0041杉並区善福寺3-2-10遊工房スペース内

TEL: 03-5930-5009 FAX: 03-3399-7549

Email: info@youkobo.co.jp

1970年代までは診療所兼結核療養所、その後、美術教室や創作工房、芸術家の長期滞在受入などを経て、2001年に創作スタジオ、展示ギャラリー、長期滞在用レジデンス及び交流スペースからなる施設に改装、若く熱意ある国内外のアーティストに創作と発表、アートを通した交流の機会を提供する場、「遊工房アートスペース」となった。地域に根付いた芸術文化活動を積極的に展開する一方、幅広い視野に立つ国際交流、異文化理解の場となっている。国内外のアーティストが一定期間滞在制作を行うアーティスト・イン・レジデンス(AIR)と、作品を展示・発表する非営利のギャラリー・プログラムを主たる事業とし、同時に芸術文化を通した地域活動として、地元の都立善福寺公園での野外アート展「トロールの森」などの関連事業を推進します。「ユー(あなた・遊)」の「工房」として、アーティストの自律的な活動を支援し、芸術を身近に体験できる機会と場を広く提供しています。これまでに約20ヶ国150人のアーティストを迎え、100人を超える国内若手作家の展示発表を行い、国際的な芸術文化交流の場となっています。来年の10周年記念を見据え、今年はこれまでの取り組みを着実に継続させるとともに、将来へ向けて活動の新たな発展を目指します。

●遊工房アートスペースでのAIRプログラム

2010年9月1日~10月31日ヴァレリオ・ベルッティ/イタリア

滞在アーティスト自身の意思によって組み立てることが大前提です。滞在創作などを希望する方の意思を最も大切にし、アーティストと遊工房が共同で検討、相談の上、活動の実現を図っていきます。また、遊工房アートスペースが地域で展開しているアート活動、トロールの森野外アート展、アートキッズなど、隣の小学校との共同事業への参画も歓迎です。詳しくは関連活動をご覧になってください。ご利用いただけるアートスペースの施設は、特徴ある2つの宿泊施設を伴った創作スタジオ、単独の滞在施設及び、展示用のギャラリー、さらに交流スペースであるラウンジから構成されています。基本的にはAIR-1、AIR-2、及びAIR-3の3通りがあります。利用施設のその他の組合せなどについてはご相談下さい。

●宿泊施設を伴った創作スタジオ(AIR-1)

1階にあるスタジオ1とレジデンス1から構成されるスペースで、創作スタジオと、生活スペースが直接繋がっています。元彫刻制作スタジオ。彫刻、絵画などの制作スペース、展示会、ワークショップ会場など多目的な用途に使用されている。スペース内の壁兼物入れは可動式。また、道路に面した大型開き戸を開き直接外部の接触を図れる。

2010年05月15日(土) ~2010年12月11日(土) アートキッズ /桃井第四小学校 Momoi No.4 Elementary School

「アートキッズ」は、桃井四小の子供に、アートを通してコミュニケーションを取り合い、世界を経験する機会を与える新たな「アートワークショップ」です。10年間も続くこのワークショップは、音楽やパフォーマンス、書道や手工芸等さまざまな手段とテーマを利用して行ってきたが、中心部が変わらない:子供達に、自由に創造性を使うチャンスを与えることだ。今年の「アートキッズ」は、イギリスのアーティスト「ジェイミ・ハンフリーズ」が担当しており、2011年の3月まで続く。


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2011.4.27/坂本龍一と平野友康がアーティスト作品で繋がってゆく参加型の東日本大地震被災地支援プロジェクトを始動

プロダクションでも、レーベルでもなく、個人としてできること。この度、坂本龍一と平野友康が発起人となり、被災地の一日も早い復旧・復興を支援するためのプロジェクト、「kizunaworld.org」を発表いたしました。2011 年3 月11 日に起きた震災以降、この未曾有で甚大な災害に対し何ができるかと問うたときに、長期的な支援を継続していけることが重要なのではないかと考え、復興を願うみんなの想いが繋がってゆける形とは何かを模索してまいりました。そこで、『プロダクションでも、レーベルでもなく、アーティスト個人の力でできることをできるかぎり形にしていきたい』という想いから、人と人とが繋がってゆくことで支援の輪が広がることを目的とした「kizunaworld.org」を立ち上げました。目指したのは「一過性ではなく長期間継続できる活動にしてゆくこと」、そして被災地の今に対し「目的と関心を持って支援を届けてゆくこと」です。まず、このプロジェクトの趣旨に賛同してくれるアーティストたちと共に、チャリティー作品への寄付を募り、少しでも多くの支援金が集められるプロジェクトに成長させていきたいと考えています。最初の作品は、発起人でもある坂本龍一とイタリア人現代美術家ヴァレリオ・ベルッティ氏の共作であるアニメーション作品「KIZUNA」です。「KIZUNA」とは、ベルッティ氏が2011年1 月に日本で発表した作品タイトルであり、音楽は2010 年末、坂本龍一がこのアニメーションのために制作したもので、ベルッティ氏の被災者支援の一助になればという願いによって本作品の提供が実現いたしました。次に、集まった寄付金は明らかな目的を持ったものでありたいと考え、被災地で普遍的に必要とされるであろうテーマを5つ設け、それらの代表的な団体へ寄付を行っていきます。そのテーマとは、《医療》・《こども》・《食料》・《住宅》・《エネルギー》の5 つです。このプロジェクトによって集められた寄付金の全額(決済手数料を除く)を、5 つの組織に均等に寄付いたします。最後に、寄付をいただいた方との繋がりとして、寄付金の透明性を持つことはもちろん、寄付先の活動状況など被災地の復興への道筋を、メールニュースやTwitter を通じて報告していきます。これにより、被災地でどのような支援が必要かを共に考えていける場を設けていきます。時には、Ustream などのソーシャルメディアを使い、被災地の今を支援者とともに共有していくことも企画していきます。これらの活動により長期的な関心を持ち、みんなで支援し合えるプロジェクトに成長できるよう取り組んでまいります。わたしたちは「kizunaworld.org」を通じて、アーティストと一人でも多くの個人が繋がり、被災地を巡る5つのテーマと、これからのわたしたちの未来を考えていける環境を提供していきます。


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【発起人からのメッセージ】

●坂本龍一/音楽家

自然の強大さに比して、なんと私たちの存在の弱いことか。私はまだそのショックから立ち直れないでいます。しかし自然の脅威におののくことは必要です。私たち自身が自然の一部であり、また私たちは自然の中で生きていることを、しばしば忘れがちだからです。まるで自分たちが自然の外に立ち、自然を経済の資源であり、投資の対象であるかのように錯覚しがちです。
もう一度、私たちの遠い祖先が氷河期の洞窟で、寒さに震えながら身を寄せ合いお互いを暖め合いながら、ひととき神話を語り歌を歌ったように、自分たちの脆弱さにも関わらずしたたかに生き抜いてきた感性と技術と、助け合いの絆を取り戻したいと思います。

●平野友康/デジタルステージ代表・メディアクリエイター

311から今日まで、悲しみの連鎖はまだ止まることなく、生き方そのものに、大きな変化と覚悟が求められているように感じています。僕は被災地の方々の現実を前に、ただただ言葉を失い、そして今この瞬間も、どんな行動をすれば良いのか、正直、分からないままです。そんな中でも、僕にはみんなが集う「場」をつくることはできます。そこで坂本龍一さんと話し合い、「KIZUNA」というたったひとつの作品から、このプロジェクトの一歩を踏み出すことにしました。まずはひとつの作品からスタートし、やがてこの場にいくつかの作品が集い、そしてそれらの作品に共感してくれた方々の力が、被災地の方々の支えに繋がればと思っています。このあと、復興に至るまでの道のりがどれだけ長いのか、今の段階では想像もつきません。だからこそ僕らは、このささやかな支援を一日でも長く続けていきたいと思っています。アーティストという<個人>と、あなたという<個人>が繋がることで、できること。このプロジェクトの輪がひとりでも多く広がることを、願っています。