いひっ(42) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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■東日本大震災は、茨城県にも容赦なく牙をむいた。


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しかし、救援物資は多数の死傷者を出した東北地方が優先され、水戸がある県央や県北、鹿行地区ではガソリンが枯渇寸前。水道は止まり食料も大幅に不足する中、隣接する福島県の東電原発が放射能の追い打ちをかけている。“忘れ去られた”被災地から、深刻な悲鳴が聞こえてきた。


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茨城県は、震災で17人が死亡したほか、因果関係が不明の死者が5人、41人が重傷。80棟が全壊し、半壊と一部損壊は1万2000棟超、2000棟が床下浸水の被害を受けている。被災地域のガス、水道は寸断されたまま。JR常磐線、常磐道の基幹交通網も完全にストップ。現在、県内499の避難所に6万2734人が身を寄せ合っている。


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■笠間焼の産地・茨城県笠間市は、震災で県内最大の震度6強を観測した。市内で約50人が負傷し、約2130棟の家屋が半壊・一部損壊した。市役所笠間支所まで損壊し、公民館に移転した。多くの窯も損傷し、中でも観光スポットになっていた20カ所の登り窯は全滅した。毎年ゴールデンウイークに開かれ、全国から約30万人が集まる「陶炎祭(ひまつり)」に向け、陶芸家が制作の追い込みをかけていたところだった。


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笠間焼協同組合によると、陶炎祭に出展を予定していた県内214人の作家のうち、約20人がキャンセルした。食器店も大きな被害を受けた。大手陶器ショップ「きらら館」では商品の半分が割れた。縁が欠けた食器を店員が磨いて陳列棚に載せ、被災者に無料で提供している。岡部雄一社長(38)は「こんな時だから本当に困っている人には『とりあえず使い』に利用してほしい」と話す。


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陶炎祭実行委員長の田山健司さん(46)は所有する大小二つの登り窯がいずれも崩壊した。電気窯も損傷した。笠間市内の陶房では展示中の作品の3分の1が落ちて割れた。「一生懸命作って、一個一個思い入れがあるのに」田山さんたちは、予定通り陶炎祭を開催することを決めた。田山さん自身も登り窯の復旧の見通しが立っていないが、とりあえず電気窯を修復し、4月から制作を再開するつもりだ。「われわれにできることは仕事をし、経済を元に戻すこと。そしてこのパワーを東北に送りたい」


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