■旭化成は東日本大地震によるグループへの影響を発表
旭化成は23日、3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の同社グループへの影響について、3月14日以来となる第2報を発表した。同社グループ社員の安否については全員の無事が確認された。生産への影響は3工場(以下)が操業を停止し被害状況を調査しているが生産再開の時期は未定。・旭化成建材境工場・ネオマフォーム工場(茨城県)・旭化成東光パワーデバイス石巻事業所(宮城県)・旭化成メタルズ友部工場(茨城県)
■旭化成、15日予定の水着キャンペーンモデルの撮影会を中止
旭化成は13日、東日本大震災の発生を受けて、15日に予定していた「2011年旭化成グループキャンペーンモデル」の撮影会を中止する方針を明らかにした。震災で多数の死者・行方不明者が出ている事態に配慮する。撮影会には、1月に発表されたプロ野球横浜ベイスターズの尾花高夫監督の次女、貴絵さん(18)と、当日に発表される中国人モデルの2人が参加する予定だった。
■旭化成、東日本大震災による被災工場の復旧見通しを発表
(1)旭化成パワーデバイス石巻事業所(宮城県)
石巻事業所では、電源系LSIの生産を行っておりますが、今般の地震により、停電、断水による操業停止、建屋内装および生産設備等の一部損傷がありました。その後の生産設備の点検・整備を進めてまいりました結果、4月5日より部分的に操業を再開できる見通しとなりました。なお、操業再開後、順次稼働範囲を拡大していく予定ですが、電力、原材料等の調達状況および現地物流機能の状況によっては、不安定な操業となる可能性があります。
(2)旭化成建材境工場(茨城県)
境工場では、ALC(軽量気泡コンクリート)の生産を行っておりますが、今般の地震により、停電による操業停止、製品在庫および建屋と生産設備等の一部損傷がありました。その後の生産設備の点検・整備を進めてまいりました結果、4月中旬より順次操業を再開できる見通しとなりました。なお、電力、原材料、燃料等の調達状況によっては、不安定な操業となる可能性があります。
(3)旭化成建材ネオマフォーム工場(茨城県)
ネオマフォーム工場では、フェノールフォーム断熱材の生産を行っておりますが、今般の地震により停電による操業停止、製品在庫および建屋と生産設備等の一部損傷がありました。その後の生産設備の点検・整備を進めてまいりました結果、4月下旬には順次操業を再開できる見通しです。なお、電力、原材料、燃料等の調達状況によっては、不安定な操業となる可能性があります。
(4)旭化成メタルズ友部工場(茨城県)
友部工場では、塗料原料アルミペーストの生産を行っておりますが、今般の地震によりタンク、生産設備等の一部損傷がありました。その後の生産設備の点検・整備を進めてまいりました結果、2~3ヶ月で操業再開できる見通しとなりました。
■国内で「旭化成」と言えば、40歳のサラリーマンをモチーフにした少しグロテスクだがユニークな人形「イヒ君」が登場するテレビCMが有名だ。印象的な「イヒ!」という言葉も耳に残る。97年4月から現在まで放映し続けてきた「イヒ!」CMのおかげで、日本での旭化成の認知度は世代を問わず飛躍的に向上。「親しみやすい」「頭が柔らかい」という企業ブランドが定着していった。もっとも旭化成は、97年に「イヒ!」CMの放映を始めた当初、インターナル・ブランディング活動を実施しようという意識はほとんどなかった。繊維事業一本槍ではなく、住宅、建材、エレクトロニクス、医薬など事業の多角化にまい進してきたがゆえに付いた「いろいろやっているが、よくわからない会社」というイメージから脱却して、認知度とイメージが向上しさえすればいいと考えていた。ところがフタを開けてみると、「イヒ!」CMの反響は予想をはるかに超えた。CM投入量から算出した「イヒ!」という言葉の認知率のシミュレーション値は17%だったが、実際には放送開始から1カ月後の調査結果は47%にもなっていた。半年後には80%に達した。総務部長兼広報室長の水野雄氏理事によると、「学校でテレビCMが話題になったと、子供が家で嬉しそうに話す。それで元気づけられた社員がたくさんいた」(水野理事)という。旭化成は97年6月、社内で「イヒ!」の話題が盛り上がってきたのを見て、「イヒ!」のコンセプトを説明した冊子と、「イヒ!」という文字の3Dシールを全社員に配布した。「イヒ!」に込めた「自由闊達に議論して良いアイデアをひらめき、ダイナミックに活動する会社」というビジョンが浸透し始め、「イヒ!」CMに拒絶反応を起こしていた幹部やベテラン社員の気持ちをも動かした。ここが、明確なインターナル・ブランディング活動の始まりだった。その後、旭化成は社内イベントや社内報、イントラネット、そして「イヒ!」CMを通じて、社内外でのブランドイメージの継続に努めてきた。そのかいあって、97年から毎年電通に依頼している「企業イメージ調査」で、同社は高スコアを記録し続けている。だが、旭化成は「イヒ!」CMの神通力が届かない海外ではブランド力が弱い。特に重視する中国などアジアでのブランド力を高めるべく、同社製水着のキャンペンガールとして2004年から3年連続で日本人と中国人の女性を1人ずつ選抜、グローバルブランド戦略に長けた韓国サムスンを徹底研究するなど、着々と布石は打ってきた。今後は「イヒ!」広告の利用は限定的に継承しつつ、新たなブランド戦略を打ち出していく。すでに昨年度から「イヒ!」CMの放映は週1回30秒に絞り込み、10代と20代の若者が目にしやすい時間帯のみ放映している。国内での採用活動を強く意識した戦略である。
■「イヒ!君」とは
1997年から2006年、旭化成のCMに登場していたイメージキャラクター。年齢40歳。血液型O型。家族構成は妻と子供2人(男・女)。M県の海に面する人口13万人のN市に生まれる。姉がひとりいる。小・中・高と地元の学校を卒業。中学生時代、カエルの解剖で実験のおもしろさを知り、それ以来、理系を目指す。一浪後、某大学理学部に入学。4年間+2年間(修士課程)計6年間化学を学び、旭化成に入社。製造および研究畑を歩む。性格は、おおらか、小さなことにとらわれない。おっとり、ザックリ、大陸的。好奇心旺盛でいつもいろんな事が頭の中に渦巻いている。ときどき、とんでもないアイデアがひらめく。まわりの目は気にしない、朴訥。母性本能をくすぐるタイプ。
■ネーミングの「イヒ」は旭化成のコミュニケーションロゴです。「イヒ」とは元々「旭化成」の「化」の文字であり、この文字を切り離すとカタカナの「イ」と「ヒ」になります。「イヒ」とは、いいモノを思いつくひらめきの音だったり、何かと何かがいっしょになっていいモノができる音です。2つの果実がいっしょになって新しい味の商品ができること、「イヒ」がターゲットである若い女性に人気があること、楽しさや明るさが伝わる音感であることから、本商品のネーミングに採用しています。また、2つの果実がミックス(デュエット)して新しい味が生まれることから「果実のデュエット」としています。
●「旭化成がイメージキャラクターとして自社の広告に長年出演させてきた「イヒ! 君」を引退させると2007年5月14日付のフジサンケイビジネスアイが報じた。引退理由として同社は、「イヒ! 君を使った企業広告が今年で10年を迎えるということもあり、内容の見直しを行うため」とJ-CASTニュースに答えた。「イヒ! 君」は、同社で働く中年サラリーマンがモチーフで、そのユーモラスな風貌が人気を集めた。社名にある「化」の文字を分解して「イヒ」と読ませ、コミカルなCM作りを行うなど、同社は、「イヒ!のCMが企業の認知度やイメージのアップに貢献した」と見ている。1997年4月に初めてCMに登場して以来、10年間に渡って78作品のCMに出演するなど、旭化成の一般知名度向上に一役買った。
●旭化成グループは2006年4月に、企業価値の向上とブランドの強化をめざして、新しい中期経営計画をスタートさせました。2007年8月から「昨日まで世界になかったものを」をキャンペーンスローガンとする企業広告を開始しました。シリーズ第1弾では、30段のスペースを使って「問題:水の星、ふたたび」というキャッチコピーで問題提起し、次ページで精密ろ過膜「マイクローザ」の紹介とともに旭化成グループとしての答えを訴求しています。これらの広告は、日経広告賞を受賞しました。