平野三昧(8)
「平野南海商店街」にもどる途中・・・「亀乃饅頭」同様に平野の味名物とされる「串かつ屋」が健在なのを確認する。
晩御飯のおかずに「串かつ」ということもざらだったし、お店に行くことも多くあった。子ども時代は、キャベツばかりをソースにつけて食べたものだから、お店のおっちゃんによく怒られたものである。
私の家の隣にある洋食「レストラン花園」では、オムライスとソフトクリームが楽しみ。家の向かいにあるうどん屋さんでは、きつねうどんが・・・という具合であった。大阪下町の食文化である。
そして久しぶりに・・・2階の窓から、南海平野線を見下ろした。夕暮れの「プロムナード平野」を、電車が天王寺に向けて発車したようにも思えた。
「平野」を後にして、南海平野線ではなく地下鉄谷町線で「天王寺」に到着する。真っ暗な中、「近鉄百貨店」の解体工事が続けられている。
近鉄電車では「あべの橋」駅と呼ばれるが、南海平野線ではあくまで「天王寺」駅なのである。子ども心に、「天王寺」は大都会であり、「近鉄百貨店」なのである。「あべの」駅から右折して「天王寺」に向かう南海平野線は、道路中央を自動車に寄り添われながら、堂々と走るのである。