ぱくっ(79) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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絵道KAIDOをゆく(10)


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-おおつ1

北小松の家々の軒は低く、紅殻格子が古び、かわやのとびらまで紅殻が塗られて、その赤は須田国太郎の色調のようであった。それが粉雪によく映えて、こういう漁村が故郷であったならばどんなに懐かしいだろうと思った。(「街道をゆく」より)


ということで、紅殻格子の民家・町家を探したのだが、残念ながらはっきりとその風情を感じさせる建物に出会うことができず・・・


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-おおつ2

かろうじて発見したのが・・・

■大津市長等「阪本屋」

江戸時代膳所藩お抱えの御用料亭でありました本家阪本屋は現在の膳所木下町にあり、湖面に面して楼閣を有した事から‘映波楼’と呼ばれ、古くはシーボルトの旅日記にも登場します。昔はこの膳所と云う所は遠浅の浜が続き、琵琶湖有数の漁場でありました。その為に古くから京の都の宮中の御厨に食材を納める所から【膳所】と呼ばれるようになったとの事です。阪本屋は川魚料理の他に鮒ずしが得意でした。県下で始めて鮒ずしの商品化に取り組み、明治二年に鮒ずしの販売を専門に行う分店として、東海道と北国海道の合流地点であります現在の札の辻の地で開業しました。明治16年日本初の水産博覧会で褒賞を頂き、明治30年の第二回水産博覧会開催に際し、宮内省の御用掛東園・米田両侍従より供御の料に加えられました。内国勧業博覧会等では金牌・銀牌・銅牌等受領しました。又、近年では平成15年、日本農林祭におきまして全国の農林水産大臣賞受賞者の中から優れた物に贈られる会長賞を頂戴いたしました。鮒ずしの製法は江戸時代の本家伝来の製法を守り、癖の無い味を心がけております。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-おおつ3

■ぺんがら

名前は、インドのベンガルに由来。主成分は酸化鉄で、製法により黄色から暗赤色まである。京都の紅殻格子や滋賀県長浜地方の掛け軸などで使われていた塗料(顔料)。

・・・弁柄、紅柄、紅殻などの漢字があてられている。

●一般に柿渋と混ぜて使います。(マットな仕上がり)

●ベンガラは完全に定着せず、色落ちします。

フローリングなどに使うと、靴下に色がつきます。外部など色が落ちても大丈夫な場所にオススメ。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-おおつ4

さらに紅殻を調べていると・・・

■古色の美

べんがらの文化を発信するべんがら専門店です。古色の美が位置する南河内地方では江戸時代中頃に建築職人の手元として手建職(てだてしょく)が盛んになり、この地ではべんがらを「紅殻」と呼び、菜種油、松脂、松煙などとの調合技術による独特な塗りの文化がありました。紅殻には防虫・防腐効果があり建築はもとより衣服や河内木綿といった繊維の染めにも使われこの土地の習慣芸としてベンガラは親しまれてきました。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-おおつ5

なんと・・・私の住む羽曳野市古市に「古色の美」というベンガラ専門店があることがわかりました。早速、お店(工房)を訪問しました。若い職人さんが気持ちよく応対してくださり、機会があればベンガラ染めを体験させていただきたいとお願いをしてきました。


すくらんぶるアートヴィレッジ(略称:SAV)-おおつ6

どうやら「紅殻格子」は、湖西よりも湖東に多く見受けられるようなので、まずは彦根あたりから調査することにしました。