ぱくっ(32) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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茶室考(12)


◆すくらんぶるアートヴィレッジ◆(略称:SAV)    若い芸術家たちの作業場・みんなの芸術村-かきね1

■建仁寺垣

京都の建仁寺にあるためにこの名前が付いたが、竹垣の中でも非常に代表的な垣根の一つである。江戸時代に入ってから流行し、その様子が当時の書物に書かれている。柱、胴縁竹、押縁竹に割竹を竪子として隙間なくくりつけた竹垣である。完全に遮断してしまいたいときや、ちょっとした目隠し等に広く使われている。代表的な寸法としては、割間が五区よりなり、したから五寸(約15cm)、一尺(約30cm)、一尺三寸(約39cm)、一尺三寸、五寸というような寸法で作られ、総高が四尺九寸(約148cm)で,上に一本の冠竹を用いるために、五尺(約152cm)の高さの垣となる。これが真の建仁寺垣という。
■大徳寺垣

京都大徳寺の境内にあったもので、現在はこの本歌は見られないが、古来用いられていたためにこの名前が起こったものと思われる。建仁寺垣と同様に囲み垣の一種で、竹の小枝を集め、これをよく左右にさばき、張り付け、さらに上から押縁竹で押さえ、シュロ縄で結んだもの。寸法は下から五寸(約15cm)、一尺三寸(約39cm)、六寸(約18cm)一尺三寸とし、その上を五寸くらいの空きとし、冠竹を挿入している。よく茶庭の中門付近や中潜り付近に用いられる。
■桂垣(笹垣)

桂離宮の入り口の左側にある外周の竹垣で、これが本歌である。元々は桂川に臨む東側に残っている竹藪の竹を曲げて、自然のままの竹垣を作り、これを桂書きと称していたが、近年では非常に細かい細工を施したものを称して桂垣と呼んでいる。上の大徳寺垣と並んで,まさに日本の職人芸のすばらしさを示した竹垣といえよう。


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■大津垣

孟宗竹や真竹などを割って平たくしたものを,表と裏交互に網代風に組んだもので、名前の由来が、大津は京都の裏で京都は大津の表に当たることから、表と裏を組み合わせたところからきている。書院と茶席の間などに好んで用いられる竹垣である。
■四つ目垣

建仁寺垣と同様に広く一般的に用いられる竹垣で、生垣に添わしたり,純然たる区切りとして用いたり、また茶の露地などでもよく使われている。特に茶の露地などでは、この四つ目垣によって二重露地にしたりするような使い方もある。名前の由来は竪子を取り付けるために四カ所の目ができることからこの名前が付いたといわれている。作り方としては,竪子は一般的には直径五~六分(約2cm)の丸竹を節切りにしたものを用い、一本ずつ三寸(約9cm)、四寸(約12cm)、又は五寸(約15cm)というような間隔に取り付け、それを前後から一本ずつや、一本と二本を交互に取り付けたりというような具合に様々なバリエーションがある。これは四つ目垣といっても必ず胴縁が四本あるとは限らず、また竪子の丈も高さを不揃いにしたり、竪子自身も斜めに立てたり、交差させるような極端な崩し方もあるが、このような場合はやはり設計者の力量によって、上手にも下手にもなり得るのである。
■金閣寺垣

四つ目垣の変形種で、本歌は京都の鹿苑寺(通称"金閣寺")の竜門瀑より夕佳亭に至る石段や、夕佳亭付近に用いられている竹垣で,縦も横も丸竹を使い、冠竹を用いているところがおもしろい。やはり簡素ながら非常に趣のある竹垣である。
■光悦寺垣

京都の光悦寺にある竹垣で、本阿弥光悦が創作した露地の竹垣である。竹を細く割って丸く束ね、これを半月形に長く曲げ、その中に菱格子の竹を組んだもので、非常に上品な趣を持っている。


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■銀閣寺垣

この垣根は建仁寺垣の変形で、本歌は京都の慈照寺(通称"銀閣寺")の入り口付近に用いられているもので、高さが三尺(約91cm)内外に縮小したものである。横竹は二本だけで、上に冠竹を使用している。慈照寺では、この竹垣の下が石積みになっており、背後にアラカシやネズミモチなどを用いた生垣を構成し、石積みの上品な変化と、竹垣と生垣を巧みに合わせた使い方をしている。
■鉄砲垣

直径四寸(約12cm)あまりの丸竹を隙間無く一本一本並べ、一本は裏、一本は表というようにシュロ縄を用いて結んだものをいう。割間は、下から五寸(約15cm)、一尺(約30cm),一尺、一尺、一尺、一尺五寸という寸法で作られる。
■竜安寺垣

竹を斜めに編んだ垣で、仕切り垣のひとつ。大切な樹木の保護のため、根元に人を近づけないという目的があります。横長の菱形が二つに重なっている姿がこの垣の見所です。石庭で有名な竜安寺が本歌。この垣の創作、命名は明治以降と言われており、比較的歴史の新しい垣です。

■木賊垣

立子を並べ、押縁を使わない。余分なものを削り取ったシンプルな美しさがある。


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■御簾垣

狭い庭にも広がりと明るさをもたせる。自由な高さと長さで創意を加えるとおもしろい。

■沼津垣

篠竹を編み込んで作る。仕上がりも美しく、丈夫な竹垣。

■竹穂垣

美しいく竹穂を揃えた垣の姿は美しい。無造作な中に野趣がある。


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■松明垣

一本一本の穂が松明のように見えるので松明垣と呼ばれる。 向こう側が透けて見えるので風通しが良い。

■清水垣

篠竹を加工した繊細で優美な清水竹を立子に使用

■犬矢来

家の壁や塀の、中程から裾にかけて、割竹や細い桟木を円弧状に曲げたり、真っ直ぐ斜めに並べたものです。いまでも花街に行くとよくみられ、京の風情を演出する大切なデザインになっています。もともと「犬の放尿を防ぐ」というのが名前の由来のようですが、そのカーブで泥棒が塀を登りにくくなることや、建物の外壁の裾を、泥はねなどの汚れや損傷から守る役目や、道と家の敷地境界を示すなど、先に挙げた様々な問題の解決に活躍していたようです。「犬矢来」は可動式のものが多く、がばっ、とはずしてお掃除もできます。
■それに対して、「駒寄せ」は、馬を繋ぐ装置から発展したため、壁や塀に固定して作られていますが、同じような効果を発揮しています。


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■黒文字垣

楠科の落葉低木で、樹皮は暗緑色。枝は香気があり、香料として珍重されました。お茶事の爪楊枝の材料でも知られています。品良く、風情ある空間を作り出す。太めの押縁が全体を引き締める。

■杉皮垣

杉皮を張り合わせた垣根。押縁の竹は作庭家によって様々です。

■葭垣(よしがき)

杉丸太を掘立てとして竹胴縁を付け、両側から葭簀(よしず)を張り、その胴縁の上に押縁を縄で結び付けて止めたもの。

■袖垣

袖垣の芯には、太くて身の厚い3~4年ものの良質の孟宗竹が多用されます。