ぱくっ(31) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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茶室考(11)


◆すくらんぶるアートヴィレッジ◆(略称:SAV)    若い芸術家たちの作業場・みんなの芸術村-つちかべ1

■土壁

土を用いて作られた壁、もしくは日本の伝統工法によって作られた壁の両方の意味がある。一般的には、後者の日本の伝統工法によって作られた壁を指す場合がほとんどである。日本の伝統工法によって作られた土壁には、他の呼び方として、塗壁、左官壁、日本壁など様々な呼称があるが、明確な定義付けは行われていない。一般には木舞(こまい)と呼ばれる格子状の枠に土を塗り重ねた壁を指して用いられることが多い。


荒壁→貫伏せ→ちり回り→斑直(むらなお)し→中塗り


このうち最低限必要とされるのは荒壁と中塗りだけであるが、土物砂壁水ごね、磨(みがき)大津などの高級工事の場合には前記の全工程を必須(ひっす)とする。さらに高級工事では、中塗りの上に切返し塗りを施して建物を使用し、1年以上経過してから上塗りの行われることがある。


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■荒壁

小舞(こまい)下地(竹や貫(ぬき)を格子状に編んだ下地)を用いる左官工事において最初に塗り付けられる壁、すなわち下塗りをいう。まず小舞の片面から塗り、その完全乾燥を待って反対側から塗る。反対側からの塗り付けをとくに裏返しという。材料は、粘性のある砂混じり粘土(関東では荒木田土(あらきだつち)とよばれる)に切り藁(わら)(長さ3~9センチメートル)を混ぜ、水練りしたものであるが、この練り合せは最低7日間、高級工事では数か月にわたり繰り返し行う。この過程を水合(みずあわ)せという。塗り付けの施工は鏝(こて)塗りによるが、土蔵外壁のように厚付けをする場合には、同じ材料で土団子をつくり、手で小舞に打ち付ける。この作業は手打ちとよばれ、姫路(ひめじ)城の壁もこの方法でつけられていたことが知られている。中塗りからあとの施工は、以上の荒壁工程の完全乾燥を待って行う。


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■漆喰(しっくい)

瓦や石材の接着や目地の充填、壁の上塗りなどに使われる、消石灰を主成分とした建材である。しっくいは、水酸化カルシウム・炭酸カルシウムを主成分としており、もとは「石灰」と表記されていたものであり、漆喰の字は当て字が定着したものである。風雨に弱い土壁そのままに比べて防水性を与えることが出来るほか、不燃素材であるため外部保護材料として、また調湿機能に優れているため、古くから城郭や寺社、商家、民家、土蔵など、木や土で造られた内外壁の上塗り材としても用いられてきた建築素材である。面土や鬼首などの瓦止めの機能のほか、壁に使用される場合には、通常で3~5ミリ程度、モルタルなどへの施工の場合は10数ミリ程度の厚さが要求されている。塗料やモルタルなどに比べ乾燥時の収縮は少ないものの、柱などとの取り合い部に隙間が生じやすいため、施工の際には留意が必要である。二酸化炭素を吸収しながら硬化する、いわゆる気硬性の素材であるため、施工後の水分乾燥以降において長い年月をかけて硬化していく素材でもある。近年では化学物質過敏症の原因の主たるものとされる、ホルムアルデヒドの吸着分解の機能があるものとして注目を浴びている。


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■土間(どま)

日本建築に於ける家屋内の一部を構成する間取りである。日本の伝統的な民家や納屋の屋内空間は、人間の生活面が柱によって地面より高くしつらえられ、木の板などが敷かれた「床(ゆか)」という装置が敷かれた部分と、地面と同じ高さの部分とに分けられる。この後者が土間である。土間の仕上げには、三和土(漆喰を塗り固めた床)、珪藻土、コンクリート・タイルなどが用いられる。地面とほぼ同じ高さで、生活空間である廊下・居間・寝室といったようなその他の部屋よりも一段低くなっており、屋外と連絡するための・人が出入りする、大きく開く扉ないし引き戸が必ず設けられている。現在では縮小化されたものが同じように呼ばれているが、本来は「地面と同じ扱いの屋内の部屋」という性格があった。用途上、防水性があるものが使われることが多い。現代では旧家などに伝統的な形態のものが多く保存されている。日本の民家は古来柱に支えられた高床式の床敷き部分と、土間の部分が対等な存在であり、この二つの要素が一つの建築物として結合した形態が基本となっている。両者の結合部位の要の部分にある柱が大黒柱である。現代の民家建築では、土間は単なる屋外と屋内の境にある玄関の狭小な空間に縮小しており、単純に靴を脱ぐための場所と位置付けられ、伝統的な土間の重要な機能であった生業の作業空間という要素は、生活家屋内から排除されていることが多い。現代では農家や手工業者のように、伝統的に土間で行われていた作業を家内産業として営む者は、庭など屋外の別空間を簡易的な屋根で覆うことにより、その役割を代替する事が多くなっている。旧来のものは作業場として十二分な広さを持つ場所であったが、現在のものでは広くて半畳程度(住宅規模によっても異なる)の玄関の付帯物扱いである。


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■三和土(たたき)

叩き土に石灰や水を混ぜて練ったものを塗り、叩き固めて仕上げた土間。3種類の材料を混ぜ合わせることから「三和土」と書く。「叩き土」とは花崗岩、安山岩などが風化して出来た土を言い、その土に石灰と水を加えて練ると硬化する性質がある。長崎の天川土、愛知県三河の三州土、京都深草の深草土などの叩き土に石灰や水を加えて練ったものを塗り叩き固め、一日二日おいた後に表面を水で洗い出して仕上げとする。もともとはセメントがなかった時代に、地面を固めるために使われたとされる。現在では、コンクリート製やタイルを貼った土間なども三和土と呼ばれることがある。


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地面や壁に埋め込まれた瓦も素敵である。