キアズマ(1)
この旧フジテレビのロゴは亀倉雄策さんのデザインです。「勝手にSFC」で亀倉さんのことを紹介して以来、調査を続けてきましたが、その続編として・・・
関西で8チャンネルと言えば「関西テレビ」です。
■大阪・梅田の旧関西テレビ(現デジタルエイトビル)のすぐ近くに、「インタープレイ・ハチ(8)」という50周年を迎えるジャズ喫茶があります(夜はBarTime)。巷では、関西テレビの近くだから「ハチ(8)」なのだと思われていますが・・・1959(昭和34年)年8月8日オープン、地下一階にある名物8ママが経営するほんに小さな老舗ジャズ喫茶です。8ママは、昭和8年8月8日生まれ・・・今年で77歳ということになりますが、お元気なのでしょうか?
■Interplay 相互作用、相互交錯、影響、作用しあう
山下洋輔トリオのアルバム『CHIASMA』(1976)のB面3曲目に収録されている「HACHI」こそは、ジャズ喫茶インタープレイ・ハチに捧げられた曲です。
■「キアズマ」という言葉をたまに見聞きすることがあります。哲学では浅田彰さんが「異種交配的」意味合いで使っておられるようですが、ギリシア語で「交差(地点)」という意味のようです。よく似た言葉で「プラズマ(plasma)」というのもギリシア語で、「形作る」を意味するπλασμα を語源としています。
■キアズマ(chiasma)
新しい遺伝的組合せを作るためには、相同染色体同士が一部交叉することが必要です。交叉によって生じた”結び目”が、キアズマです。交叉は、ほとんどの生物において、2個の相同染色体を別々の娘細胞の核へと正しく別れさせます。キアズマは両親それぞれから1本ずつの相同染色体を減数第1分裂後期までまとめておく役割を果たしています。二価染色体では相同染色体同士で一部の配列を取り替える、乗換え(相同組換え)が起きます。減数分裂によって異なった組み合わせの染色体を持つ配偶子が形成され、また、乗換えによっても様々な遺伝子の組み合わせが生じるため、減数分裂は遺伝的多様性に貢献していると考えられています。ヒトの研究では乗り換えが染色体分離を正常に行わせるのに必須のイベントであることも明らかになってきており、乗換えでは相同染色体が交叉した部位でキアズマと呼ばれる構造が形成されます。
異質な文化や伝統、民族、思想、血筋などなどに由来する人々が交差し出会い交流し、組み換えしあるいは乗り換えしあうことで、既存の世界とは違う何かを創出していると言えます。