Wish you were here(1)
■嶋行比古「無花果の木の下で」Wish you were here
1998年12月15日(美術出版社刊)。巴里、1976年初夏。どこかみだらで妖艶、退廃的かつ自己中心の孤独という「底なし沼」へ著者を引きずり込んだ街。快楽の誘いの後にやってくる孤独。必死で逃れようともがき続けた20年の間に撮ったモノクロ写真を収める。
■仮定法・・・
現実とは「逆」のこと、「かなわない」ことを「~ならいいのに」と表現する方法です。このとき、「現実とは逆」「かなわない夢や妄想」、つまり「偽り」であることを示すために、あえて昔の「偽り」の時制を用います。
I wish you 「were」 here.
つまり・・・本当はあなたはここにいない。
その心は・・・あなたがここにいてほしい。
■『i-wish you were here- あなたがここにいてほしい』
2001年に制作されたアニメ作品。原作:GONZO/監督:水島精二/脚本:高橋ナツコ
宇宙から飛来してきた「M34」 ―人間がモンスターになってしまう恐怖のウィルス―によって、地球はその平和を犯されつつあった。事態を重く見た国連は、秘密裏に「CURE」を設立し、情報操作と感染者の駆除を行っていた。
その中核をなすナノテクノロジーによる人体強化兵部隊「NOA(ノア)」のエース:田宮ユウジは、月明かりの晩、不思議な美少女:アイと出会う。お互いにシンパシーを感じる二人。だが、彼女の正体は「CURE」のウィルス討伐最終兵器だった。
終わることのないモンスターとの激闘、進化し続けていくウィルス、ソルジャーの体内で繰り広げられる、ナノレベルでの死闘。そしてユウジとアイはこの世界で再び巡り合えることが出来るのか?
不思議な少女と孤独なナノマシンソルジャーの美しくも儚い、ラブストーリーを描いた本作品は、デジタルによる本格的な超解像度、デジタル・ハイディフィニッション対応として制作された作品です。新たな映像表現で挑戦する“Deva”、細やかな3Dで描かれるロボット兵器、そして白熱する“肉弾アクション”が三身一体となり、新世紀にふさわしいSFアニメーションをお届けします。また、業界初の試みとして、インターネット上でのストリーミング放送をも行った作品です。
■『炎~あなたがここにいてほしい』(原題:Wish You Were Here)
1975年に発表されたピンク・フロイドのアルバム。全英・全米第1位という大ヒットを記録した。黒色の不透過シュリンクラップを破くと、体が燃えている男が握手をしている写真が現れるというジャケットはヒプノシスによるデザイン。『あなたがここにいてほしい』という邦題は、メンバーが日本側に指定してきたもの。
■ヒプノシス (Hipgnosis) は、1968年に結成されたイギリスのデザイン・グループ。メンバーはストーム・ソーガソン、オーブリー・パウエル、ピーター・クリストファーソン。1970年代を中心にピンク・フロイド、ジェネシス、レッド・ツェッペリンと言った数々のアーティストのアルバム・ジャケットを手掛ける。ヒプノシスは1983年に解散したが、ストーム・ソーガソンは現在もピンク・フロイドやドリーム・シアターを始めとした多くのアーティストのアルバム・ジャケットのデザインを手がけている。またピーター・クリストファーソンはディレクターとしてイエスやヴァン・ヘイレンのミュージック・ビデオをプロデュースしている。
■ヒプノシスのメンバーであったAubrey Powellは、なんとユーミンのジャケット・デザインを手がけている。
昨晩お会いしましょう/松任谷由実
VOYAGER/松任谷由実
さて、ヒプノシスのデザインで注目なのは、なんと言ってもピンクフロイドの「原子心母」である。
■故意に意味を持たず、また、レコード内容とは無関係にする、というコンセプトだったそうだ。(余談だが牛の名前はルルベル3世らしい)
■タイトル「Atom Heart Mother」が決まったのは1970年9月「BBCインコンサート」出演のときである。このときまで正式なタイトルは決まっていなかったのだった。そこで、番組のディレクターがロジャー・ウォーターズに『イヴニング・スタンダード』を渡して「この中からタイトルを探そう」と言ったという。この中に妊娠した女性が原子力電池(atomic battery,isotope battery:アイソトープ電池)で動く心臓ペースメーカーを使っているという記事が眼に留まった。そして「Atom Heart Mother」というタイトルを決定したのである。
■邦題は、「Atom=原子」「heart=心」「Mother=母」と英語をそのまま直訳したものである。このタイトルをつけたのは、東芝音楽工業(現・EMIミュージック・ジャパン)の洋楽ディレクターだった石坂敬一(現・ユニバーサルミュージック代表取締役会長兼CEO)である。