さぶっ(12) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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「つげ義春」研究家の新たな発見!!!


◆すくらんぶるアートヴィレッジ◆(略称:SAV)    若い芸術家たちの作業場・みんなの芸術村-きむら1

■写真家木村伊兵衛さんの「定本木村伊兵衛」の中にアイヌ・知里高央さんの写真があります。この知里高央(1907-1965)さんはアイヌ文化伝承者で「アイヌ語絵入り辞典」(蝸牛社)を著しました。



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■その知里高央さんの写真を下敷きにして、「ねじ式」の中の登場人物が描かれていることがわかりました。


■つげ義春さんが撮影写真を絵の下敷きにしていたことはよく知られていますが、実際にどの絵にどの写真が使われているのかについては、未だ判明していないケースが多くあります。判明している極少数も、後日公表されたつげさん所有の写真や、馴染み深いグラフ誌に掲載されたものばかりで、つまり、ほとんどが作者自身の手で種明かしされているものです。かつてSF作家にして機関車マニアの野田昌宏さんが『ねじ式』機関車の元写真を探し当てたことがありますが、今回はそれ以来とも言える快挙で、つげ資料の中でも特A級の情報だと言えます。


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■つげ義春さんは、写真家・北井一夫さんと共に旅日記をアサヒグラフに掲載されたことがあります。


■「流れ雲旅」/ つげ義春(絵)大崎紀夫(文)北井一夫(写真)朝日ソノラマ版

1969年から1970年にかけて6回の旅をした時の記録。「アサヒグラフ」に掲載したものをまとめた一冊です。この本の為に書き下ろした絵も多く、多数の写真やイラストとともに旅の記録を大崎一夫の文筆でふり返る内容となっています。定価1200円。


■木村伊兵衛さんの写真集を仲介したのは北井一夫さんではないかと、この一件についてお話しされたところ、全く知りませんとのことでした。つげさんが独自で「定本木村伊兵衛」を知り得ていたと言う事になります。けっこう写真は好きでいろいろな人の写真を見たり、自分でも撮るのが好きだったようです。


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■写真家・北井一夫さん(1944~/鞍山市:中国)について
画家を志していた北井少年は、美大受験に際してデッサンに挫折、日大の写真学科に進む。いま風にいえばコンパクトカメラにあたるキヤノネットで撮りはじめ、写真学生らしく、途中で一眼レフカメラ(ミノルタSR-1)を使い始める。1960年代前半、学生運動が盛んな時代だった。横須賀へ原潜入港反対のデモを撮りに行き、借金をして最初の写真集『抵抗』(1965年)を自費出版する。『神戸港湾労働者』(66年・未発表)、日本大学芸術学部中退。1971年三里塚空港闘争のドキュメンタリー写真集「三里塚」で日本写真家協会新人賞を受賞。『フランス放浪』(1972年・アサヒグラフ掲載のカラー作品。展示は雑誌のカラーコピー。レンズは25ミリ1本!)、『いつか見た風景』(1970~73年)日本の高度経済成長期に、変化していく農村の景色を撮影したシリーズ「村へ」、「そして村へ」を1974年から1977年にかけて「アサヒカメラ」に発表し、1977年第1回木村伊兵衛賞を受賞。それらの写真は社会的テーマを扱いながらも、被写体に対する距離を保ち、淡々とそしていきいきと変わりゆく日本の風景を捉えている。木村伊兵衛さんらと初めての中国を旅し、その後『フナバシ・ストーリー』(1984~87年)、『おてんき』(1989~94年)、そして再び中国へ(『1990年代 北京』1993~2001年)。


◆すくらんぶるアートヴィレッジ◆(略称:SAV)    若い芸術家たちの作業場・みんなの芸術村-きたい3

つげ義春「ねじ式」に登場する飛行機のシルエットには・・・当時の闘争が色濃く反映しているのかもしれない。