「まよ子外伝」風の項で、宇治・平等院にある雲中供養菩薩像を紹介したが・・・
■宇治市の宇治川周辺で10月9日から11日まで「京都・宇治灯り絵巻」(宇治灯り絵巻実行委主催)が開かれる。付近に設置される灯籠など点灯が行われ、幻想的な世界を浮かび上がらせる。灯り絵巻では世界遺産である平等院鳳凰堂や宇治上神社のライトアップもある。「源氏物語のまち宇治」をテーマに、幻想的な夜の情景を演出しようと今年で4回目。昨年は源氏物語千年紀のため9日間実施、約15万6400人が訪れた。源氏物語宇治十帖の場面が描かれた灯籠は大小2種類の計400基を用意。平等院表参道や府立宇治公園、さわらびの道など計約2・16キロに並べられ、午後5時から9時まで点灯される。公園内には、地上から高さ3メートルに直径約5メートルの白色のバルーンを設置し、宇治十帖の映像を流す。舞台舟では伝統楽器を使っての演奏などもある。幻想的に照らされた宇治川沿道(約2.2キロ)には、「源氏物語」宇治十帖の古跡をはじめ宇治の主なスポットが点在。世界遺産の宇治上神社や平等院、いにしえから残る豊かな自然、十三重石塔や紫式部像にも夜間照明がほどこされるほか、市営茶室・対鳳庵でのお茶席や屋形船、秋の夜市など、多彩なイベントが行われる。
■鳳凰(ほうおう、Fènghuáng)は、中国の伝説の鳥。孔雀に似ているが、背丈が4~5尺はあり、その容姿は前は麟、後は鹿、頸は蛇、背は亀、頷は燕、嘴は鶏だとされる。五色絢爛な色彩で、声は五音を発するとされる。鳳凰は、霊泉を飲み、竹の実を食物とし、梧桐の木にしか止まらないという。聖天子の出現を待ってこの世に現れるといわれる瑞獣 (瑞鳥) のひとつで、『礼記』では麒麟・霊亀・応龍とともに「四霊」と総称されている。
■鳳は雄、凰は雌を指し、羽ある生物の王であるとされる。「雌雄」は「ルビンの壷」である。
■古くは風を司るとされた。・・・やっぱり「風」ですね。
後には五行説の流行により、四神のひとつ朱雀と同一視される。例えば漢代の緯書には、鳳凰を火精としているものがある。古代から中世にはその意匠が装飾に使用されることがあり、日本では宇治平等院鳳凰堂や京都鹿苑寺金閣の屋上にあるものが有名である。なお鳳凰堂のものはデザイン化されて、2004年から発行されている新一万円札の裏面を飾っている。
・・・「火(陽)と風」も「ルビンの壷」ですね。
■鳳凰は朱雀と同一視されることもある。またその形態から、インド神話の神で、マレー半島、インドネシアの聖鳥ガルダ(迦楼羅)との類似が指摘されている。鳳凰の異名には鳥王、雲作、雲雀、凰、叶律郎、火離、五霊、仁智禽、神鳥、仁鳥、聖禽、丹山隠者、長離、鳳、朋、明丘居士、鸞、霊鳥などがある。
■東西の聖なる鳥の代表としてよく混同される両者だが、フェニックスのルーツはエジプトにあり歴史書によれば形態は猛禽類(エジプトで愛好されていた鷹)に近い。これに対して、鳳凰は長い首、尾羽など孔雀に近い見た目をしており、そのルーツはインドにある。それ以上に、鳳凰は雌雄の別があり卵も産むのに対してフェニックスは単性(雄)生殖をするとされているところに大きな違いがある。
■フィクションにおいてしばしば同一視される背景として、両者は共に「陽の属性」を持つという共通点が指摘できる(鳳凰本来の属性は風であるが、朱雀と混合され火となった)。鳳凰は南方(五行思想で火を表す)を守護する朱雀と同一視され、フェニックスは自身を炎で焼いて再生するという伝承がある。鳳凰は英語ではチャイニーズフェニックスと呼ばれている。
■『火の鳥』(手塚治虫) - 登場キャラクターのひとり「火の鳥」は、鳳凰やフェニックス(不死鳥)がモデル。作中世界において、鳳凰や不死鳥と同一視されている描写がある。
・・・様々なものが「ルビンの壷」の関係にある。そして混同されたり、都合にあわせて一方だけがクローズアップされたり、敵味方に分裂したり。