まよ子(4) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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祖父は自分の部屋を「書斎」と呼んでいました。


◆すくらんぶるアートヴィレッジ◆(略称:SAV)    若い芸術家たちの作業場・みんなの芸術村-しょさい1


「まよ子」にはその意味はわかりませんでしたが、「しょさい」という響きが気に入ったようで、祖父にせがんで部屋に行くことが多くなりました。家のどことも違う空間がそこにあり、甘い葡萄の香りがしました。



「たっちゃん、ぶどうたべた?」

「どうして、そうおもうの?」

「においがする」

「そうか、よっこにはぶどうなんだ」


と言って、祖父は机の上のパイプを見せてくれました。



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「たっちゃんは、それでぶどうたべるの?」


祖父は大笑いしながら、パイプの話をいろいろ聞かせてくれました。



「まよ子、またおじいちゃんの部屋で遊んでいるのね」



そんな母の声が響いて、楽しい書斎での時間に終止符がうたれる。


「たっちゃん、またあしたね」


すかさず母は、「たっちゃんと呼ぶのはおやめなさい」とたしなめた。


祖父は、その道の人たちから「たっちゃん」と呼ばれており、母はそのことをとても嫌っていたのである。


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懐かしい書斎での会話を思い出しながら、アルチンボルドの画集をなにげなく開いてみた。そして、あまりにもユニークな絵の数々に思わず吹き出してしまった。「まよ子」が大声で笑ったのは、本当に久しぶりのことであった。そして、次から次へと画集を開いた。それは、まるで何か大切なものを探しているかのようでもあった。


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ピエロ・ディ・コジモ


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サンドロ・ボッティチェリ


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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

「う~ん、違うなあ。どうしても、思い出せない。」

「まよ子」は、時間を忘れて夢中になっていた。・・・つづく


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久しぶりに・・・「編む」


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「七宝編み」の予定でしたが・・・


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「平結び」になってしまいました


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「のれん」にするなら、そろそろ終わらなければならないのですが・・・


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ついつい編みすぎてしまって・・・


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とうとう「網」になってしまいました。


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台所と道具庫の間仕切りとしてぶらさげました。