祖父が亡くなったのは、中学2年の夏。それ以来、部屋に入ることはありませんでした。母は、しばらく片付けないでそのままにしておくと言っていましたが・・・
久しぶりに見る祖父の部屋、壁には・・・そう、ギルランダイオという画家の描いた美しい女性の横顔の絵が飾られています。「まよ子」はその画家の名前を一度で覚えました。祖母の若い頃にそっくりだと、祖父が語っていたことを今でも忘れません。やさしい祖父でしたから、きっと祖母もやさしい人だったに違いありません。祖母は、「まよ子」が生まれてすぐに亡くなりましたので、記憶に残っていません。写真を飾っておけばいいのにと祖父に言いましたが、かえって寂しくなるからと・・・ずっとこの絵を飾っていました。母はこの絵の作者が覚えられなくて、そのたびに「まよ子」が「ギルランダイオ」と教えたほどです。ある日・・・
祖父の部屋にたくさんある画集を見ていた時でした。「まよ子」が「ギルランダイオ」と声をあげると、いっしょに見ていた祖父が笑いながら・・・「ボッライオーロ」と教えてくれましたので、この作者の名前もすぐ覚えてしまいました。この横顔も、とても素敵で気に入っています。それ以外にも、たくさんの横顔の絵を祖父は見せてくれました。
フィリッポ・リッピ
フランチェスカ
むずかしい名前ばかりでしたが、小さな「まよ子」にはそれがかえっておもしろかったのでしょう。変な名前ばかり覚えてしまうので、母が祖父に「みんなが知っている画家の名前も教えてちょうだい」と注文をつけていました。・・・つづく
陶芸の本焼きがあがりました。美しい仕上がりですが・・・
何かおかしいなあと思っていると、細い軸がゆがんでしまって他の作品とくっついてしまっているではありませんか。
器の内部は美しいブルーです。
器としては役に立ちませんが、オブジェとしてなら結構おもしろいですね。作者に原因を聞きますと、制作段階で少しブレていたのでこうなるのではと予想されたそうです。だとするならば、それを作品に生かすこともできるわけですから、無駄な失敗にはならないと思います。次の制作を期待しましょう。