雲母(きら)摺り
歌麿や写楽などの大首絵の背景に見られる浮世絵の技法です。
雲母摺り(きらずり)
地潰しの一種で、背景に雲母の粉を摺りつける技法。雲母摺りには2種類の塗り方があり、ひとつは下地に色を摺って、その上に糊を摺り、雲母を振り掛ける方法。雲母粉に膠か糊を混ぜて刷毛で直接摺り付ける方法。前者の方が金がかかる摺り方。人物などの背景を一色で摺ることを、地潰しといいます。その地潰しに雲母の粉末を用いたものを雲母摺といい、地の色によって白雲母、黒雲母、紅雲母などとよびます。名前のとおりキラキラと輝いているのが特徴です。また淡い色で地を潰し、木目を際立たせたものを木目潰しといいます。版木の木目が綺麗に表現されます。
残念ながら画像では雲母摺りの美しさはわかりません。やはり実物を鑑賞しないと・・・
SAVの台所に2枚の浮世絵があります。本物ですよ。残念ながら雲母摺りではありませんが、本物を味わっていただきたいものです。この作品は、大学時代に友人が自宅土蔵から発見したものを譲り受けた(安く買い取った)もので、特に右側のものが気に入っています。動きのある構図で、特に着物の黒が素晴らしい。