第5回すくらんぶる展(4)
陶芸コーナーが盛況です。展示方法も良かったし、青磁の魅力でしょうか・・・
しかし、忘れていたことがあります。油絵メンバーが壺と秋の花を持ってきて、飾ってくれました。会場の雰囲気がグッと変わります。作品の展示ばかりに気をとられていて・・・大切なことを忘れていました。やっぱり、たくさんのメンバーが必要です。一人ひとりの感性と配慮が、より良い展覧会をまさしく創っていくのだと思いました。
■青磁
1200度以上で焼成される高火度釉で、植物灰を主成分とし、酸化第二鉄(「弁柄(ベンガラ)」とも呼ばれる)を含有する。ボディ(胎)から釉に拡散する鉄の寄与がある場合もある。焼成によって原料の酸化第二鉄を還元することで酸化第一鉄ができ、青~緑を発色した透明ガラスになる。還元の完全さによって、黄色がかった緑から、空色まで発色が大きく変化する。現在では石灰バリウム釉を基礎釉とし、珪酸鉄を着色剤として使用することで澄んだ青色を得ることができるが、本来の青磁は厚がけした灰釉である。
発色の不安定さから、同時に焼成した器のなかで、欠陥品が多くなりやすい(歩留まりが悪い)ので、「青磁は身代を潰す」とも言われる。焼く前にかける釉薬の厚さを厚くしないと(2~3ミリ程度)青が発色しないため、釉薬がはがれないように施す工夫や、厚い釉のため器が重くならないように、素地を極端に薄く成形することもある。釉薬の厚みから時間をかけて美しい貫入が多く入る。
■「青磁」用語の例外的使用として、クロム青磁と米色青磁がある。米色青磁は、製作法は青磁とほぼ同じだが、酸化炎を使用し、ウイスキー色の透明釉を生成する。クロム青磁は鉄ではなく、酸化クロムによって青緑から草色に発色させる。クロム青磁は、大量生産の安価な器物やタイルなどに明治以降使用された。
■青磁ではない青~緑色の陶磁器には、次のものがある。
○緑釉 鉛釉をベースにして、銅イオンによって発色する。800度程度で発色する低火度釉。
○天青 微量のコバルト(「呉須(ごす)」とも呼ばれる)を釉にいれて、空色に発色させたもの。
○蘋果緑 高温で焼成し、銅イオンで発色する緑色釉。アップルグリーン。
○青釉 アルカリ釉をベースにして、銅イオンで発色させた不透明低火度釉。明るい青に発色する。西アジア、エジプトなどで生産された。中国の出版物で青磁釉を「青釉」と呼ぶこともある。