どきっ(77) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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第59回正倉院展

平成19年10月27日(土)~11月12日(月)


しょうそ1

本年の正倉院展は、花鳥背八角鏡、小三合水角鞘御刀子、新羅琴など聖武天皇、光明皇后御遺愛の品々をはじめ、東大寺ゆかりの仏具、献物几・献物箱、天平時代の遊戯具、文房具、染織品、文書・経典等が出陳されます。正倉院宝物の全体が概観できるような内容となっていますが、本年は特に絵画を表した宝物や文様表現の優れた宝物が多く出陳されている点に特徴があります。聖武天皇、光明皇后ゆかりのものでは、調度としておそばに置かれた可能性もある羊木臈纈屏風、熊鷹臈纈屏風の異国情緒あふれる図様が目を引きます。また、遊戯具の名品として名高い墨絵弾弓は、弓という細長い面に曲芸する人物などを墨一色で細密に描いており、高い画技がうかがわれます。このほか、豊麗な文様が唐朝の風を伝える花氈、密陀絵盆など、生活や信仰の場を彩った色と線の世界を垣間見せる宝物が充実しています。また、東大寺ゆかりの宝物として、法会で妙なる音楽を奏でたと思われる竽(う)や、まぶしいばかりの装飾の施された紫檀金鈿柄香炉、戒壇堂という墨書がある刻彫梧桐金銀絵花形合子など、当時の壮麗な寺院空間を彷彿させる宝物が並びます。さらに、最近修理を終えたばかりの彩絵仏像幡が修理後初のお披露目となることや、近年保存形態が改められた旧玻璃装古裂が多数出陳されるのも話題の一つです。


しょうそ2

正倉院の尺八は国家珍宝帳に記載されている5管のほか3管があり、これは「国家珍宝帳」に「刻彫尺八一管」と記録のあるもの。淡竹(はちく)「呉竹(くれたけ)」と鑑定されています。管の表面に表皮を薄く剥ぐ方法で全体に彫刻してあります。


しょうそ3

小濱 明人(Akihito Obama):尺八


しょうそ4

1975年、香川県高松市生まれ。古典を石川利光、民謡を米谷智に学ぶ。第46期NHK邦楽技能者育成会卒業。第2回尺八新人王決定戦優勝。現在、尺八一本による即興ライブ『Solo Solo』を展開中。2004年、全編即興によるソロアルバム『風刻』を発表し、ドイツでの単独公演を成功させる。2005年、『歩き遍路 四国八十八カ所奉納演奏Tour』を決行。ソロ活動の他、和太鼓奏者小泉謙一との共演、Bass・Drums・尺八ユニット『天籟』、Ds.の堀越彰率いる『東方異聞』、民謡の伊藤多喜雄率いる『TAKIO BAND』のメンバーとしても活躍中。また、美術家の川井ミカコとユニット『KAO』を結成し、活動をともにしている。他にも様々なレコーディングに参加しており、海外での演奏もアメリカ・イギリス・ドイツ・韓国・フィジー・ソロモン諸島・パブアニューギニアと数多く行っている。


しょうそ5